尾上松也「悪役はやりがいがある」ドリームワークスのアニメーションで怪盗チームのリーダーを好演! 『バッドガイズ』【インタビュー】

2022年10月6日 / 09:00

-怪盗チームのバッドガイズは、犯罪者として警察から追われる身ですが、どのキャラクターも愛らしく、人間味にあふれています。松也さん自身も、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」や「やんごとなき一族」(22)などの実写作品で悪役を演じていますが、いずれも憎み切れない魅力がある点はバッドガイズに通じる気がします。松也さんが考える悪役の魅力とは何でしょうか。

 役者の中には「悪役の方が楽しい」という方がたくさんいますが、僕も同意見です。なぜかというと、悪役の方が人間らしいからなんです。みんな普段は、理性や道徳心がありますので悪いことをしませんけど、「何でもあり」になったら、平気で悪いことをすると思うんです。人間の中にはもともと何かしらの「悪」が潜んでいますよね。それを解放できるのが悪役なのではないかと。いろいろな背景やいろいろなお役がありますので、一概には言えないところもありますが。ですが、そんなふうに人間が持つ「悪」を気にせず解放できるので、悪役は楽しいですし、やりがいがある。同時に、なぜそんなことをするのか考えてみると、実はいろいろな悩みを抱えていたりして、深みもある。ですので、悪役はとてもやりがいがあります。

-その辺は、ミスター・ウルフに通じる部分もありそうですね。

 そうですね。ミスター・ウルフは極悪人というほどではありませんが、その両面を持っていますので、とても魅力的な役だと思います。

-声だけでなく、人柄や考え方も含め、松也さんがミスター・ウルフにぴったりだということがよく分かりました。それでは最後に、この作品の見どころとして、印象に残ったシーンを教えてください。

 ウルフが仲間のスネークに、「嫌われ者じゃない俺たち、想像したことある?」と聞くシーンが、とても切なかったです。普段は「俺たちはバッドガイズだぜ!」とカッコをつけていても、実はその裏には「好かれたい」「愛されたい」という気持ちがある。本当は違うのに、周りからレッテルを貼られたことに対して、自分のプライドや意地もあり、その通りに振る舞ってしまう。でも本当は「こうありたいんだ」と。そんな経験って、問題の大小を問わず、誰にでもあると思います。そういう、誰もが抱える悩みを描いているところは、とても切なくて印象的ですし、考えさせられますよね。

-アクションやユーモアに注目が集まる本作で、そのシーンを選んだ理由は?

 アクションシーンやテンポのよさ、華やかな演出が見どころなのは言うまでもありません。ですが、ドリームワークスのアニメーションは毎回、ふと立ち止まって考えさせるような深みがあるんです。それが大きな魅力でもあるので、『バッドガイズ』もぜひ、そういうところに注目していただきたいです。

(取材・文・写真/井上健一)

(C)2021 DREAMWORKS ANIMATION LLC. ALL RIGHTS RESERVED.

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

尾上松也「金田一耕助を演じる喜びがふつふつと」奥智哉「今の時代にふさわしい作品に」名作ミステリー映画で共演『八つ墓村』【インタビュー】

映画2026年9月18日

-お二人は今回が初共演だそうですが、そういう金田一と辰弥の関係をどのように作っていったのでしょうか。 松也 僕のクランクインが、ロケ地の岡山でちょうど奥さんや堀田(真由/森美也子役)さんと3人のシーンでしたので、初日の撮影が終わった後にみん … 続きを読む

有村架純、石田ひかり、姫野花春「見終わった後ですごく幸せな気持ちになれる映画です」『さとこはいつも』【インタビュー】

映画2026年9月18日

有村 花春ちゃんは、その青さといい輝きといい、本当に今しかないものがしっかりと画面に映っていました。15歳の聡子ちゃんには、まだ名の知れぬ感情がいっぱいある。これからこの子はいろいろな感情を知って大人になっていく。今はそのスタートラインにい … 続きを読む

見上愛「樹里ちゃんは周りを安心させる空気感を持っている」上坂樹里「愛さんが私を直美にしてくれました」主演の2人が撮影を振り返る【連続テレビ小説「風、薫る」インタビュー】

ドラマ2026年9月17日

-看護師役を演じて、看護師に対する印象が変わった部分はありますか。 見上 最初の頃は、「技術職」という印象が強く、看護婦養成所のパートが始まったときは、包帯やシーツをきちんと扱えるようにしなければ…という意識が強かったんです。でも、イベント … 続きを読む

丸山隆平「きっと誰も見たことがないものになる」 舞台「water」で挑む半自伝的作品【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月14日

 丸山隆平と、演劇団体マームとジプシーの主宰を務め、劇作家・演出家として注目される藤田貴大が企画し、作り上げる舞台「water」が9月27日から上演される。本作は、丸山の記憶の断片を散りばめながら、藤田の視点で見つけた京都という土地、そして … 続きを読む

倉悠貴 豊臣兄弟を支える軍師・黒田官兵衛を好演中「最後までしっかり演じ切りたい」【大河ドラマ「豊臣兄弟!」インタビュー】

ドラマ2026年9月13日

-本作では戦国時代の過酷さが描かれる一方で、ユーモアのあるシーンも多いですが、その辺もお二人が空気感を作っているのでしょうか。  その点は、お二人と一緒に現場を引っ張ってくださる蜂須賀正勝役の高橋努さんの存在も大きいです。この作品は、戦国時 … 続きを読む

page top