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役者の中には「悪役の方が楽しい」という方がたくさんいますが、僕も同意見です。なぜかというと、悪役の方が人間らしいからなんです。みんな普段は、理性や道徳心がありますので悪いことをしませんけど、「何でもあり」になったら、平気で悪いことをすると思うんです。人間の中にはもともと何かしらの「悪」が潜んでいますよね。それを解放できるのが悪役なのではないかと。いろいろな背景やいろいろなお役がありますので、一概には言えないところもありますが。ですが、そんなふうに人間が持つ「悪」を気にせず解放できるので、悪役は楽しいですし、やりがいがある。同時に、なぜそんなことをするのか考えてみると、実はいろいろな悩みを抱えていたりして、深みもある。ですので、悪役はとてもやりがいがあります。
そうですね。ミスター・ウルフは極悪人というほどではありませんが、その両面を持っていますので、とても魅力的な役だと思います。
ウルフが仲間のスネークに、「嫌われ者じゃない俺たち、想像したことある?」と聞くシーンが、とても切なかったです。普段は「俺たちはバッドガイズだぜ!」とカッコをつけていても、実はその裏には「好かれたい」「愛されたい」という気持ちがある。本当は違うのに、周りからレッテルを貼られたことに対して、自分のプライドや意地もあり、その通りに振る舞ってしまう。でも本当は「こうありたいんだ」と。そんな経験って、問題の大小を問わず、誰にでもあると思います。そういう、誰もが抱える悩みを描いているところは、とても切なくて印象的ですし、考えさせられますよね。
アクションシーンやテンポのよさ、華やかな演出が見どころなのは言うまでもありません。ですが、ドリームワークスのアニメーションは毎回、ふと立ち止まって考えさせるような深みがあるんです。それが大きな魅力でもあるので、『バッドガイズ』もぜひ、そういうところに注目していただきたいです。
(取材・文・写真/井上健一)
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