【インタビュー】舞台「怖い絵」尾上松也、鈴木おさむとの初タッグで作り出す「“演劇美術館”のような、新しいお芝居」

2022年2月22日 / 08:00

 尾上松也が主演する舞台「怖い絵」が3月4日から上演される。本作は、名画に隠された恐怖の背景を解説した、中野京子の美術書『怖い絵』を基に、鈴木おさむが手掛ける「絵画×舞台」の新感覚エンターテインメント。絵画コレクターの男が復讐(ふくしゅう)の執行人となって罰を与えていく姿を、本当に存在する絵画とそこに隠されたメッセージとともに描いていく。主人公の絵田光を演じる松也に、自身の演じる役柄について、公演への意気込みなどを聞いた。

絵田光役の尾上松也 (ヘアメーク:岡田泰宜(PATIONN)/スタイリスト:椎名宣光) (C)エンタメOVO

-鈴木おさむさんが企画し、作・演出を担当する本作ですが、松也さんは鈴木さんとは本作が初タッグになりますね。

 そうなんです。以前から何かご一緒できたらというお話はさせていただいていたのですが、今回、それがやっとかないました。ようやく一緒にお芝居が作れるということで、喜びが大きいです。

-鈴木さんのどんなところに引かれて、一緒にやりたいと思っていたのですか。

 単純に面白い方だなと。僕も自分のことを“変”だと思っていますが、鈴木さんもどう考えても“変”だと思いますし、メーンの職業が何だか分からなくなっていますよね(笑)。放送作家なのか、プロデューサーなのか、演出家なのか、タレントなのか、ただの(お笑い芸人・森三中の)大島(美幸)さんの旦那さまなのか。多才過ぎて職業不定ですが、楽しいことや面白いことを常に探り出そうとしている姿勢を持っておられるということだと思いますので、そこに僕は引かれます。尊敬していますし、どういう発想が生まれてくるのか近くで見たい。ご一緒できるのはとても楽しみです。

-松也さんが演じる、絵田光という人物は投資家の絵画コレクターで、復讐の執行人という三つの顔を持つ人物です。松也さんは、最近ではドラマなどでコミカルな人物を演じることが多い印象がありますが、今回は、一転してダークヒーローを演じることになります。どのようにして役を立ち上げていこうと考えていますか。

 ダークヒーローと聞くと、クールなイメージがあると思いますが、脚本を読む限り、その固定概念に捉われなくてもいいのかなと思います。あくまでも、おさむさんがイメージするダークヒーローですので、おさむさんのイメージに近づけたら、と。ただ、三つの顔を持っているという点では、どう考えても“変”だと思うんですよ。僕も、コレクションしているものがあったりと、その気持ちはすごくよく分かるので、そのオタク的な要素はリアルに出せたらいいなとは思います。

-ちなみに、松也さんは何をコレクションしているのですか。

 スニーカーとキャンドルです。スニーカーは自宅に200足ぐらいありますし、キャンドルも常に100個以上ストックしています。それから、マーベルのヒーロー物も好きですね。スニーカーに関していえば、子どもの頃に憧れていたものを大人になって爆買いできるという喜びで集めているのだと思います。自分がかっこいいと思えればいい。休みの日は大抵、スニーカーショップを巡って、どんなものがあるのかを見て、気に入ったものがあれば買っています。

-では、原作の『怖い絵』を読んでどんな感想を持ちましたか。

 淡々とした説明文ではあるのですが、非常に鳥肌が立つ内容だなと思いました。すごく興味をそそられましたし、面白い。(本作のポスタービジュアルにも登場する)「レディ・ジェーン・グレイの処刑」もそうですが、「切り裂きジャックの寝室」という有名な絵画もインパクトが強かったです。「切り裂きジャックの部屋」は、シッカートという画家が、かつてジャックが住んでいたといううわさを聞いてそこに引っ越して、その場所を絵にしたという作品なのですが、近年、ジャックから送られてきた手紙のDNAとシッカートのDNAが一致したという鑑定が出たそうです。とてもミステリアスで、独特の恐怖があるお話ですよね。そこに着目した中野さんの発想も素晴らしいなと思います。

-本作は、松也さんと比嘉愛美さん、佐藤寛太さん、崎山つばささん、寺脇康文さんによる5人芝居です。全員初共演ということですが、主演としてどのようにカンパニーを作っていきたいと考えていますか。

 今回に限らず、ドラマや映画、歌舞伎でもそうなのですが、僕が主演をさせていただけるときは、それがシリアスなストーリーでも、コメディーでも、とにかく楽しいと思える雰囲気作りをしようと意識しています。その雰囲気を作るのは、主演である僕の務めだと思っていますので。

 
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