眞島秀和&吉高由里子、作品作りは「出産と似たような感覚。痛みよりも喜びや感動の方が勝る」【インタビュー】

2022年10月6日 / 08:00

-そのナーバスになっている時間をどうやって乗り越えているのですか。

吉高 乗り越えられていないですよ。ただただ押し出されるような日々です(笑)。

-舞台の初日前も同じですか。

眞島 僕は同じです。初日というよりは、ゲネプロ(公開稽古)が初日のような感覚なので、ゲネプロが嫌です。

吉高 私もゲネプロの方が嫌だな、関係者しかいないから。でも、じゃあ、何でやっているんだよって言われそうですね(笑)。きっと、出産と似たような感覚なのかなと思います。痛い思いをして「もう2度と産むか!」とそのときは思うけれども、少したつとその痛みを忘れてまた産むことができるというのと同じなのかなと。その痛みよりも喜びや感動の方が勝るから、もう1回できるんだと思います。痛いとか苦しいとか忘れてしまうんでしょうね。

眞島 (笑)。ただ、もちろん、そうした苦しみやつらさもみんなで乗り越えていくから、それも楽しめるというのもあると思いますよ。

吉高 大人なフォローありがとうございます(笑)。

-そうした中で、演じることの楽しさや俳優業の面白さはどんなときに感じますか。

吉高 撮影が終わる頃には何かしらの達成感だったり、やりがいだったり、自分の何かを満たしてくれるものがあったりするので、それが面白さや楽しさにつながっていると思います。それから、その現場がキツければキツいほど、ご一緒したスタッフさんたちともう1回仕事ができたらいいなという気持ちが湧きますし、そうした方と再会したいという思いで続けているというのもあります。

眞島 確かに。僕は、すごく若い俳優さんやスタッフの方と一緒になったときに、この仕事は楽しいなと思える経験を一つでもできるような助けになれたらと最近は思うようになりました。もちろん、すてきな先輩方にたくさん出会い、才能のある方と触れ合うことができることも、この仕事のやりがいだったり、喜びだったりもします。

(取材・文・写真/嶋田真己)

M&Oplaysプロデュース「クランク・イン!」

 M&Oplaysプロデュース「クランク・イン!」は、10月7日〜30日に都内・本多劇場ほか、静岡、大阪、名古屋で上演。
公式サイト http://mo-plays.com/crank-in/

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

DAIGO「クリスマス気分を盛り上げてくれる作品なので、『パーシーのクリスマス急行』にぜひ乗車してください」『映画 きかんしゃトーマス サンタをさがせ!パーシーのクリスマス急行』【インタビュー】

映画2025年12月12日

-パーシーのように、与えられた仕事を楽しくやるコツがあれば教えください。  仕事があることが幸せ。シンプルにそういう意識を持ってやっています。僕もミュージシャンを目指していろいろとやっていましたが、思うように行かなくて。でも、音楽に対する情 … 続きを読む

高橋克典「これは吉良の物語でもあるのだと感じていただけるような芝居をしたい」 堤幸彦「『忠臣蔵』は、演劇的に言えば1丁目1番地的な作品」 舞台「忠臣蔵」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月10日

-堤さんと高橋さんは高橋さんのドラマデビュー作以来のタッグと聞いています。堤さんは高橋さんの吉良上野介にどのような期待を寄せていますか。 堤 ぴったりだと思いますよ。生き馬の目を抜く芸能界で酸いも甘いも知り尽くしていますから。デビューの瞬間 … 続きを読む

生田斗真が驚きの一人二役!「最初から決まっていたわけではありません」制作統括・藤並英樹氏が明かす舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月8日

-治済に対する仇討ちのため、対立関係にあった蔦重と松平定信(井上祐貴)がタッグを組む展開にも驚かされると同時に、思わず胸が熱くなりました。 藤並 白河藩に戻った後の定信は、それまでとは打って変わって、大田南畝や山東京伝に本を書かせているんで … 続きを読む

板垣李光人「最初から、戦争を考えて見るのではなく、実際に見て感じたことを広めていっていただければ、それが一番うれしいです」『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』【インタビュー】

映画2025年12月5日

-戦場で、田丸が絵や漫画を描くことにどのような意味があったと思いますか。  功績係に任命された田丸には、もちろん何かを書き記すという使命感もあったでしょうが、いつ自分や仲間が命を落とすか分からない状況の中で、自分の世界の中で向き合えるものが … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(8)百年ぶりの復活へ 四代目が掲げた三つの大願

舞台・ミュージカル2025年12月4日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。    2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む

Willfriends

page top