エンターテインメント・ウェブマガジン
殺し屋のコンビが、「AとBのどっちがいい?」という会話をずっとしていくというのは、昔書いた脚本の中にあったのですが、それは映画化していなかったので、今回使ってみようと。それで、リハーサルのときに「何でもいいから二者択一で聞いてみて。答えは自由だから」と。「黒澤と小津」は、健太郎が自分で考えたんだと思います。ほかも現場でやり取りをしていく中で出てきた言葉です。
そうなんです。『ゴッドファーザー』の世界観なんです。あの中のファミリーとしての部分の。法で定められた正義か悪かということではなくて。なので、今回は、原作に比べると警察側の描写を薄くしました。それは、やくざたちの濃密な関係を強く前面に出しかったからです。
そういうふうにして見てもらえるのが、一番の理想です。ある意味、やくざの中の倫理観があって、その線に沿ってのいいやつ、悪いやつということですから。
僕自身が一番好きなのはリングのシーンです。あれは見た時にかなりのインパクトがあると思うので、予告編などには出さないようにと言ってあります。実はそういう伏せ札みたいなところが見どころなので、あまり話すわけにはいきませんが(笑)。例えば、室岡はサイコパスですが、少しアングルを変えて見ると、普通の青年みたいなところもあります。でも、根底は違っていて、仲間とトランプをやりながら、一人一人を見るときに、「どうやって殺してやろうか」と考えているような目をしている。そういうものをまなざしに込めてくれと言ったら、健太郎がうまくやってくれました。そうした虚と実みたいな、際どい一線がこの映画の面白さだと思います。
(取材・文・写真/田中雄二)
ドラマ2025年8月17日
-主演の松本潤さんとお芝居で対峙(たいじ)してみての印象を教えてください。 松本さんは、演じられている徳重先生と共通して、とても包容力のある方だと感じます。現場でもオフでも、相手を受け止めて認めた上で、的確かつ愛を持ってアプローチされるの … 続きを読む
ドラマ2025年8月16日
-そんな魅力的な蔦重を演じる横浜流星さんの座長ぶりはいかがでしょうか。 横浜さんは、蔦重さんをどう演じるか、常に誠実に真面目に考えていらっしゃいます。そういう空気がスタッフやキャストにも伝播し、しっかり取り組もうという空気感が現場全体に生 … 続きを読む
映画2025年8月15日
-ネプトゥーヌス国王役の三宅さんはいかがでしょうか。人魚という設定の上に、娘と接するときと、それ以外では雰囲気がだいぶ違いますが。 三宅 ネプトゥーヌス国王は、「屈強で、威厳があり、でも娘に甘い」。最初にその3つのファクターを大事に、と伺い … 続きを読む
映画2025年8月14日
-リアム・ヘムズワースとラッセル・クロウを演出してみていかがでした。 2人とも自分が演じるキャラクターを見いだすための努力を惜しまず、そのキャラクターの中にある真実や誠実さを見つけてくれます。さらにそのキャラクターにエンタメ性や楽しさも持 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年8月14日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼みなさん、こんにちは 日本の伝 … 続きを読む