山本耕史、困っている人を見たら「率先して話し掛ける行動派」 『ピノキオ』で“良心”を教えるジミニー・クリケット役【インタビュー】

2022年9月13日 / 17:00

 ディズニーの名作アニメーションを実写映画化した『ピノキオ』が、ディズニー公式動画配信サービス「Disney +(ディズニープラス)」で配信中だ。ピノキオの声を担当するのは、ドラマ「未来への10カウント」や『劇場版ラジエーションハウス』などに出演する子役の川原瑛都、ジミニー・クリケット役を山本耕史が務める。山本といえば、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の三浦義村やドラマ「競争の番人」の天沢雲海など、存在感のある演技が話題だが、今回はピノキオに善悪を教える良心となる役どころだ。山本に、本作の吹き替えについてやディズニー作品への思い、さらには“良心”について聞いた。

ジミニー・クリケット役の山本耕史 (C)エンタメOVO

-今回はジミニー・クリケットという非常に人気のあるキャラクターの声を担当しています。実際に吹き替えをしてみていかがでしたか。

 小さい体をした役なので、高いトーンの声で、とにかく早口なんですよ。英語で話している絵に合わせて、日本語で話すので、日本語がなかなか入らない。やりながら「この1文字切りましょうか」と調整していましたが、それでもギリギリの尺にギュッと詰め込むので、そこが苦労した点でした。

-ディズニー作品は普段から見ますか。

 子どもがちょうどそんな年頃なので、家ではずっとディズニープラスがついています。最近は『アナと雪の女王』や、『塔の上のラプンツェル』、『ファインディング・ニモ』、『ズートピア』とか、とにかくたくさん見ています。

-特に印象に残っている作品は?

 『ライオンキング2 シンバズ・プライド』でも吹き替えを担当しているので印象に残っていますし、「美女と野獣」のクラシックコンサートでガストン役を務めたこともありますし、自分が携わった作品はやはり特に思い入れは深いですね。そういう意味では、今回の『ピノキオ』はまさにディズニーの代表作になると思うので、自分にとっては間違いなくこの作品が一番印象深いディズニー作品になるのだろうと思います。

-今回、実写化された『ピノキオ』は、アニメで見て感じていたよりも迫力があるシーンの連続で、壮大な映像に圧倒されました。

 僕も、実写化に向いている作品なんだと思いました。今作は実写化とはいっても、ピノキオは木の人形ですし、ジミニー・クリケットもアニメのままの姿です。ゼペットなどの人間は、あくまでも助演です。まさに絵本やアニメのまま実写化されている作品だと思います。物語の舞台もアニメのまま、世界の中のどこかの国で、どこの時代でもないという、完璧に表現されています。なので、人間の欲や愛情深さ、それから良心といったものがより浮き彫りになって描かれていると思います。『ピノキオ』は奇跡の作品なんだと感じました。

-それにしても、山本さんは、「鎌倉殿の13人」の三浦義村やドラマ「競争の番人」の天沢雲海など個性豊かな役から、本作のジミニー・クリケットまで、演じる役の幅が非常に広いですね。

 僕自身は、この間はこんな役をやったから次はこっちということもないですし、頂いたお仕事を一生懸命にやっているというだけです。もちろん、敵役が重なることもあったり、一癖ある役が続いたりすることもありますが、たまたまです。今回は、良心という役だといっても、俳優はジミニー・クリケットですから。もちろん、こうした大役にお声掛けしていただいて本当に光栄だと思っていますが、声だけのお仕事は自分では判断がつかないんです。今回も、ディレクターさんに「これぐらいの声の高さでいきますか?」と確認しながら、チューニングを合わせていただき、進めていきました。声だけだと、いいのか悪いのか分からないんですよ、自分では。良かったんじゃないかと自分で思っても、後で確認すると絵と全く合っていないということもありました。

 
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