「べらぼう」ついに完結! 蔦重、治済の最期はいかに生まれたか?「横浜流星さんは、肉体的にも作り込んで」演出家が明かす最終回の舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

2025年12月14日 / 21:38

 NHKの大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、12月14日放送の最終回「蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)」を持ってついに完結した。人を食ったような蔦重や一橋治済(生田斗真)の最期をはじめ、さまざまなサプライズがあった最終回の舞台裏を、本作のチーフ演出で、最終回の演出を担当した大原拓氏が明かしてくれた。

(C)NHK

-蔦重の最期をみんなで屁踊りしながらみとるという、まさに“べらぼう”な結末でした。脚本家の森下佳子さんのお話では、最終回の脚本は、宿屋飯盛が書き残した蔦重の臨終の様子を基に執筆されたそうですが、どのようにしてあのラストシーンが誕生したのでしょうか。

 弱った蔦重の枕元でみんなが屁踊りするのは創作です。最期は蔦重にかかわる人を集められるだけ集め、屁踊りで蔦重を送ろうということで、ああいうシーンになりました。劇中、これまで何度か屁踊りがあったので、今回は屁踊りのベテラン組と初参戦組がいて、「やりたかった」という風間(俊介/鶴屋喜右衛門役)さんたち初参戦組と、「何でも聞いて」という桐谷(健太/大田南畝役)さんたちベテラン組が、一丸となって取り組んでくれました。飯島(直子/ふじ役)さんなどは「どうやるの?」と心配されていましたが、特に振り付けを合わせることもなく、ベテラン組を参考に、皆さんに勢いで踊っていただきました。

-今まで見たことのないにぎやかな主人公の最期になりました。

 一つだけ気を付けたのは、「楽しまない」ということです。今までの屁踊りは楽しく踊っていましたが、この場面では蔦重を思いながらの踊りになるので、「楽しむのではなく、本気で蔦重を呼び戻すつもりで踊ってください」とお願いしました。

-蔦重の最期は、弱っていく姿を短期間で表現する難しさもあったのではないでしょうか。

 かっけがどんな病気で、どう弱っていくのかは、医師に取材したメモを横浜さんと共有し、表現の仕方を話し合いました。精神的な部分では、寝たきりにするのかどうかなど、体勢についても医師の方と相談しながら作っています。撮影では、1~2週間程度で弱っていく姿を表現する必要がありましたが、横浜さんは限られた時間の中、肉体的にも作り込んでくださって。最終的には、食事と水を絶ち、ボクサーのように体重を落としていました。だからよく見ると、あごのラインや胸元の様子がだいぶ変わっているはずです。逆に元気な蔦重を演じる際は、食事量を増やしていましたから。

-冒頭では、前回、流刑になった一橋治済が落雷で命を落とす展開にも驚かされました。

 治済は決して諦めない男なので、最終的に天罰が下る形になりました。あのシーンでは、視界を奪われ、猿ぐつわをして、手足も縛られているという身動きが一切取れない状況で、いかに逃げるのか、生田さんや殺陣師の方と相談しながら作っていきました。治済は、追い込まれるほどその状況を楽しんでしまう人間ですし、史実ではその後も生き続けるので、「ここから復讐(ふくしゅう)が始まるのかな?」と視聴者に思わせた上で、最終的にどうカタルシスを感じてもらおうかと。

(C)NHK

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

舞台「キングダムII ―継承―」三浦宏規・高野洸・山本千尋・山口祐一郎、「死力を尽くさなければいけない」作品に再び挑む【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年6月12日

 累計発行部数1億2000万部を突破した、原泰久による大ヒット漫画を原作とした舞台の第2弾となる「キングダムII ―継承―」が、8月9日から上演される。本作は、苛烈な戦乱の中にある中国・春秋戦国時代を舞台に、戦災孤児の少年・信と、のちの始皇 … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第22回「播磨大誤算」戦国の世の難しさを印象付けた播磨攻略戦【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年6月11日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。小一郎と秀吉が播磨攻略に難渋する様子を描いた6月7 … 続きを読む

山本耕史、「RENT」に続き全編英語上演に挑む「ゼロからのスタートだけどやるしかない」 日米合作ブロードウェイミュージカル「フル・モンティ」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年6月11日

 山本耕史が、ゆりやんレトリィバァとブロードウェイで活躍するキャストとともに挑む、日米合作ブロードウェイミュージカル「フル・モンティ」が、8月19日から上演される。本作は、1997年に映画をもとに誕生し、トニー賞作品賞を含む9部門にノミネー … 続きを読む

吹越満 俳優になった理由は「映画に出たかったから」昭和の文豪・谷崎潤一郎原作の『鍵』で主演【インタビュー】

映画2026年6月10日

 数々の映画やテレビドラマ、舞台まで幅広く活躍し、その顔を見ない日はないと言っても過言ではない名優・吹越満。その主演作『鍵』が、6月12日から公開となる。  吹越演じる主人公・剣持耕三は、医師から余命半年の宣告を受け、その恐怖を忘れるため、 … 続きを読む

【映画コラム】5月の公開映画から

映画2026年6月5日

『サンキュー、チャック』 (5月1日公開)★★★ チャックとは一体何者なのか  大規模な自然災害と人災が次々と地球を襲い、世界は終わりを迎えつつあった。すると、街頭やテレビ、ラジオに突如として、「チャールズ・クランツに感謝します。素晴らしい … 続きを読む

page top