お互いをリスペクトし合う関係が映画ヒットの鍵? オールCG初挑戦の内野聖陽が、映画撮影中に山田涼介に感じた座長としての意識の高さ【インタビュー】『鋼の錬金術師』

2022年6月26日 / 12:00

-カメラが回ってなくても空気が違ったのでしょうか。

山田 そうですね。「何か怒っているのかな?」みたいな(笑)。でも、ホーエンハイムでいるときは、気軽に話し掛けられるので、役への没入感というところがとても勉強になりました。あと、フラスコの中の小人の声も内野さんが吹き替えをされていて、隣の楽屋だったときに、発声練習しているのが聞こえてきてすごいと思っていました。

内野 (発声練習で)すごく遊んでいましたね(笑)。

山田 (撮影を)楽しんでくださっているのかなって。もちろん難しいこともたくさんあったと思いますが、どうやったら面白くなるんだろうというのを考える姿勢に、役者として経験の差をすごく感じました。

内野 そういいながら自分の方もすごく没入していた気がするけど(笑)。俺から言わせてもらうと。

山田 本当ですか? 気付きませんでした(笑)。

-カメラが回っていなくても役になるというのは、普段の撮影でも重視しているのでしょうか。

内野 というより、“お父様”というキャラクターは非常に口数が少なく、感情を消してしまっているようなところがあるので、そういうキャラクターを演じるときに、収録直前まで普通に話していたら役に入れないんですよね。そんなに器用ではないので(笑)。そのキャラクターが持つ居住まいや呼吸というのを常にイメージしていないと、薄っぺらくなってしまうじゃないですか。なので、自然と人を寄せつけなくなってしまっているのではないかと思います。

-最後に、ファンへメッセージをお願いします。

山田 ものすごいクオリティーで再現されていますし、生身の人間が演じることで、人間が持つ温かい部分や冷たい部分というのがとても人に伝わりやすい映画になったと思っています。キャラクターのバックグラウンドも丁寧に描いていますし、それぞれが持つ強さというものを感じていただければと思っています。

内野 この映画はオールCGということで、いろいろなところでCGのことばかり取り上げられてしまっていますが、この作品で描かれているのは平和や戦争の問題、人種間の問題など、現実世界で起きている変わらない人間の愚かさであるとか、人を元気にさせるポジティブなメッセージがたくさん込められています。大人でも楽しめるファンタジー作品になっているのではないかなと思います。

(取材・文/丸山有咲)

(C)2022 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2022 映画「鋼の錬金術師2&3」製作委員会

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

前田旺志郎「世の中に関心を持つ大切さに気付いた」窪塚愛流「止まっていた時間が動き出した」初共演の2人が福島原発事故を題材にした映画で感じたこと『こんな事があった』【インタビュー】

映画2025年9月16日

-お芝居に悩んだり、難しさを感じたりすることはありませんでしたか。 前田 たくさんあります。でもその都度、松井監督と相談しながら進めていきました。迷ったときは、松井監督を信じればいい、という信頼関係が出来上がっていたので。 窪塚 松井監督は … 続きを読む

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

-ルンメイさん、夫・賢治役の西島秀俊さんの印象はいかがでしたか。 ルンメイ 今回西島さんと一緒にお仕事ができたことはとても光栄でした。西島さんは経験豊かな方なので、私は現場でとても安心して演技をすることができました。西島さんがいろんなエネル … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(3)無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力

舞台・ミュージカル2025年9月12日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼無鉄砲小僧、恐れを知らぬ行動力 … 続きを読む

北村匠海 連続テレビ小説「あんぱん」は「とても大きな財産になりました」【インタビュー】

ドラマ2025年9月12日

-小学生の頃、絵画教室に通われていたそうですが、演じる上で役立った部分はありますか。  僕は子どもの頃から、絵画教室に通ったり、自宅では粘土で架空のモンスターを作ったりしていました。そういう創作を楽しむ部分は、嵩に通じるものがありました。前 … 続きを読む

中山優馬「僕にとっての“希望”」 舞台「大誘拐」~四人で大スペクタクル~の再始動で見せるきらめき【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年9月11日

-なるほど。そうして前に進んだ先に、どんな未来をイメージしていますか。  先のことはあまり考えていないです。友達たちが家を建てたり、子どもが生まれたりしているのを見ると、そうした未来を自分が持ったらどうなるんだろうなと考えることはありますが … 続きを読む

Willfriends

page top