お互いをリスペクトし合う関係が映画ヒットの鍵? オールCG初挑戦の内野聖陽が、映画撮影中に山田涼介に感じた座長としての意識の高さ【インタビュー】『鋼の錬金術師』

2022年6月26日 / 12:00

 錬金術が存在する架空の世界を舞台とした大人気ダーク・ファンタジー作品『鋼の錬金術師』。2017年にHey!Say!JUMPの山田涼介が主人公のエドワード・エルリックを演じ、話題になった実写映画が5年ぶりにスクリーンに帰ってきた。エドワードたち国家錬金術師の抹殺を誓う男との対決を迫力たっぷりに描く『鋼の錬金術師 復讐者スカー』が5月20日に公開され、6月24日からは、次々と明らかになる国家を揺るがす陰謀に導かれていく完結編『鋼の錬金術師 最後の錬成』が公開された。今回は主人公のエドワードを演じた山田とエルリック兄弟の父親であるヴァン・ホーエンハイム役を演じた内野聖陽に話を聞いた。

(C)2022 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2022 映画「鋼の錬金術師2&3」製作委員会

-今回は、ほとんどグリーンバックでの撮影だったと思いますが、面白さや大変さはありましたか。

山田 グリーンでの面白さは特にないですよね?

内野 いや、俺はあったよ。

山田 えー!(笑)。楽しいかは置いておいて、想像力を豊かにしないといけないので、現場で、みんなで作り上げている感じや空気感はすごく好きですし、出来上がったときの感動はなかなか味わえないものがあるかなと思います。

-内野さんは、今回グリーンバックでの撮影はいかがでしたか。

内野 難しかったですね。自分の中の想像力や記憶を使ったりしなくちゃいけないので、いかに普段、美術だったりセットだったり、周りの環境に助けられていたかというのを感じました。今回は本当に何もなかったので、シナリオや原作、監督への理解を自分の中にたくさん持っていないと立っていられないんですよ。そういう意味では鍛えられるし、世界観にはまると面白い。それがすごく彼(山田)は分かっているんですよね。座長として立派にやっていたので、頼れる主役だったなと。

-山田さんは、前作でアクションやスタントを全てご自身で担当していましたが、本作も全てご自身でこなしたのでしょうか。

山田 そうですね。体力的に大変な部分もありましたが、難しい部分はそんなになかったので苦ではありませんでした。

-役や現場の向き合い方について、互いに思ったことを教えてください。

内野 空き時間に彼と話していて、CGを使ったSF的な映画って、海外だととても盛んじゃないですか。そういった動画を見せてくれて「こんな感じであっちではやっているんですよね」というのを熱く語ってくれて、「あっちはレベル高いなあ」って(笑)。「でも、日本のCGも、今や遜色ないところまで行っているから、俺たちも頑張れそうだな」って話をしてたときに、彼は共演者の中でも特に意識が高くて曽利(文彦)監督のCGのビジョンに確信を持っているんですよね。そこがすごく立派だなと思いました。

-山田さんはいかがですか。

山田 僕なんかが言うのは本当におこがましいんですけど、役への没入の仕方は、やっぱり全然違うなと思いました。(役への)アプローチの仕方というか、クランクインの前から親子の関係を出すためにコンタクトを取りたいって言ってくださって、うれしく思いました。あとは、現場で“お父様”でいるときと、ホーエンハイムでいるときとの身にまとう空気感の違いですね。“お父様”でいるときは話しかけにくい雰囲気でした(笑)。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

安田顕「水上くんの目に“本物”を感じた」水上恒司「安田さんのお芝居に強い影響を受けた」 世界が注目するサスペンスで初共演&ダブル主演「連続ドラマW 怪物」【インタビュー】

ドラマ2025年7月5日

 韓国の百想芸術大賞で作品賞、脚本賞、男性最優秀演技賞の3冠を達成した極上のサスペンス「怪物」。WOWOWが世界で初めてそのリメイクに挑んだ「連続ドラマW 怪物」(全10話)が、7月6日(日)午後10時から放送・配信スタート(第1話・第2話 … 続きを読む

TBS日曜劇場「19番目のカルテ」が7月13日スタート 新米医師・滝野みずき役の小芝風花が作品への思いを語った

ドラマ2025年7月5日

 7月13日(日)にスタートする、松本潤主演の日曜劇場「19番目のカルテ」(TBS 毎週日曜夜9時~9時54分)。原作は富士屋カツヒト氏による連載漫画「19番目のカルテ 徳重晃の問診」 (ゼノンコミックス/コアミックス)。脚本は、「コウノド … 続きを読む

南沙良「人間関係に悩む人たちに寄り添えたら」井樫彩監督「南さんは陽彩役にぴったり」期待の新鋭2人が挑んだ鮮烈な青春映画『愛されなくても別に』【インタビュー】

映画2025年7月4日

 第42 回吉川英治文学新人賞を受賞した武田綾乃の小説を原作にした鮮烈な青春映画『愛されなくても別に』が、7月4日公開となる。浪費家の母(河井青葉)に代わってアルバイトで生活を支えながら、奨学金で大学に通う主人公・宮田陽彩が、過酷な境遇を受 … 続きを読む

紅ゆずる、歌舞伎町の女王役に意欲「女王としてのたたずまいや圧倒的な存在感を作っていけたら」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年7月4日

 2019年に宝塚歌劇団を退団して以降、今も多方面で活躍を続ける紅ゆずる。7月13日から開幕する、ふぉ~ゆ~ meets 梅棒「Only 1,NOT No.1」では初めて全編ノン・バーバル(せりふなし)の作品に挑戦する。  物語の舞台は歌舞 … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】異領域を融合する舞台芸術、演出家イ・インボの挑戦

舞台・ミュージカル2025年7月3日

 グローバルな広がりを見せるKカルチャー。日韓国交正常化60周年を記念し、6月28日に大阪市内で上演された「職人の時間 光と風」は、数ある韓国公演の中でも異彩を放っていた。文化をただ“見せる”のではなく、伝統×現代、職人×芸人、工芸×舞台芸 … 続きを読む

Willfriends

page top