エンターテインメント・ウェブマガジン
歌舞伎俳優として積極的に活動しながらも、NHK大河ドラマ「いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜」では主人公の一人・金栗四三を演じて話題を呼ぶなど、幅広い活動を見せる中村勘九郎。6月8日から上演されるスペクタクルリーディング「バイオーム」では、8歳の男の子と女の子という二役を演じる。本作は、宝塚歌劇団で数多くの名作を生み出してきた上田久美子が、退団後、初めて書き下ろした朗読劇で、勘九郎のほか、花總まり、古川雄大など豪華なキャストが一人二役を演じる。開幕に向け、日々、稽古に励む勘九郎に、本作への意気込みを聞いた。
僕が8歳の男の子と女の子を演じると伺ってから、脚本を読んだのですが、率直なところ、これをどうやって舞台にするのだろうと思いました(笑)。朗読劇の枠を超えた壮大な物語を、豪華なキャストの皆さんが演じることで、どう変化していくのかというワクワクももちろんありましたが、最初は不安が大きかったです。
日々、苦戦しております。ルイとケイが2人で話すシーンが多いので、稽古中は孤独を感じることもありますし、果たしてこれでいいのだろうかと不安にもなります。芝居は、相手とのキャッチボールで成り立っていますが、今回は、自分で球を投げて、自分で受け止めて、自分で組み立てていかなければいけないので、難しいですね。
自分の8歳の頃を思い出すというよりは、家にいる2人の息子たちを見て勉強しています。どんなことにも真剣な様子や、話を聞いてほしいときの目の輝きや声というのはとても参考になります。
やはり声を変えないと分かりづらいとは思うので、少しずつ変えてはいるのですが、実際には8歳ですと、男の子も女の子もそれほど声に違いはない気がするんです。なので、微妙なラインを模索しているところです。あとは、ステージングを付けてくださっている先生に、体の使い方を教えていただきながら役を作っていっています。
そうなんですよ。なので、どうなるか、見に来てください(笑)。
この作品は、ある大臣の、威厳のある裕福なお屋敷の庭で起こる物語ですが、人間界と植物界が二重構造になって描かれています。ルイはその庭で、植物たちの声を聞きますが、お客さまには、ルイと同じように「植物たちの声を聞く」という体感を味わっていただけると思います。それから、舞台にはストリングカーテンという、糸状のカーテンがかかっていて、そこにプロジェクションマッピングが投影されるので、とても幻想的な空間が広がっています。一方で、人間界ではとても生々しく、崩壊していく一族の姿が描かれていくので、その対比も味わえるのではないかと思います。バンドの生演奏も入るので、壮大な作品に仕上がるのではないかと感じています。
8歳というと、初めて歌舞伎座の広い空間で1人で踊りを踊らせてもらった頃です。そのときが、自覚を持って演じ、踊る最初のステージだったので、役者として目覚めた瞬間だったと思います。普段は、授業中もずっと寝ているような、本当に不真面目な子でした(笑)。
ドラマ2025年7月1日
ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。30代の夫婦(蓮佛美沙子、溝端淳平)、20代の大学生カップ … 続きを読む
ドラマ2025年6月29日
NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、快調に進行中。6月29日放送の第25回「灰の雨降る日本橋」では、浅間山の噴火によっ … 続きを読む
映画2025年6月27日
あのルパン三世が、約30年ぶりに2Dの劇場アニメーションとして帰ってくる。舞台は地図に載っていない謎の島。お宝を狙って乗り込んだルパン一行を待ち受けていたのは正体不明の存在だった。前代未聞のスケールで描かれ、全ての「ルパン三世」につながる … 続きを読む
映画2025年6月27日
日本で初めて教師による児童へのいじめが認定された体罰事件を題材にした福田ますみのルポルタージュを三池崇史が映画化した『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』が6月27日から全国公開された 。本作の主人公・薮下誠一(綾野剛)が勤める小学校の校 … 続きを読む
映画2025年6月27日
『F1(R)/エフワン』(6月27日公開) かつてF1ドライバーとして活躍したソニー・ヘイズ(ブラッド・ピット)は、今は身を持ち崩し、フリーのレーサーとしてさまざまなレースに出場していた。だが、最下位に沈むF1チーム「エイペックス」の代表 … 続きを読む