花總まり、神田沙也加さんの思いを受け継ぎ「銀河鉄道999 THE MUSICAL」でメーテル役 「彼女の思いが消えてしまうのがつらかった」【インタビュー】

2022年4月9日 / 07:11

 中川晃教が主演する舞台「銀河鉄道999 THE MUSICAL」が、4月8日に開幕した。松本零士の不朽の名作をミュージカル化した本作は、劇場版『銀河鉄道 999』(79)を原作に、作品のテーマである「限りある命(人間)・永遠の命(機械の体)」について描く。主人公の星野鉄郎役を中川が演じるほか、昨年12月に急逝した神田沙也加さんが演じる予定だったヒロイン・メーテル役を、花總まりが演じる。生前の神田さんと交流があった花總に、神田さんの代役として本作への出演を決めた思いや、作品の魅力、メーテルを演じる上で気を付けていることなどを聞いた。

花總まり (C)松本零士・東映アニメーション (C)『銀河鉄道999 THE MUSICAL』実行委員会

-今回のメーテル役は、急きょのオファーだったと思います。改めて、出演を決めた思いを聞かせてください。

 お話を頂いたときは、本当に突然のことだったので、すごく驚きましたし、一言では表すことができない複雑な思いでいっぱいでした。ここ1、2年は、コロナ禍で舞台が中止になってしまうつらさを私自身も経験してきましたし、一公演に関わっているスタッフの方を含めた大勢の方が仕事がなくなってしまったり、やりたくてもやれないつらさというのを経験してきたので、一つには公演がもしできなかったときに、きっとすごく大変だろうなということを考えました。そして、神田さんが、本当はすごくメーテル役を楽しみにしていたことも想像できていましたし、きっとやりたかっただろうなと…。もし公演がなくなってしまったら、彼女の思いというのも、そこで消えてなくなってしまいそうな気がして、私はそれがとてもつらかったので、その思いを考えてお引き受けすることに至りました。

-脚本を読んだときは、どのような印象を持ちましたか。

 『銀河鉄道999』は、子どもの頃からよく見て知っている作品ではあるのですが、原作でもいろいろなエピソードがあるので、脚本の中には、まだまだ知らないエピソードがあったり、今回ならではのエピソードが組み込まれていたりと、懐かしい部分と新たに受ける新鮮な部分があって面白いなと思いました。

-現在、稽古中ということですが、メーテルを演じる上で、どんなことを意識していますか。

 私の中にもメーテル像がありますが、『銀河鉄道999』ファンの方の中にもメーテル像がおありだと思うので、自分のイメージも、原作ファンの方々のイメージも崩したくないというのが最初にあって。でも、イメージばかりを追うと中身が伴わなくなるので、イメージを崩さずに、リアルに舞台に立つメーテルの中身を詰めていきたいなと思いながら、お稽古に励んでいます。

-中川さんが演じる鉄郎に対しては、どのような印象を持っていますか。鉄郎の魅力を教えてください。

 中川さんは、今までも何度も鉄郎という役を演じられてきているので、鉄郎が持っている根本的なものを理解し、鉄郎像を作り上げられているなという感覚はお稽古場で感じます。中川さんは、感情の微妙な揺れ動きをすごく大切にされていて、繊細にお芝居を作っていく方なので、鉄郎の心のひだが繊細に浮き上がってきている感じがして、彼らしい鉄郎像になっていると思います。

-稽古場の雰囲気はいかがでしょうか。

 マスク越しですが、皆さんとても仲良しで、雰囲気はとてもいいです。コロナ禍ということもあって、出演者全員が集まってのお稽古を最近やっと始められたので、今はパーツがハマって全体が見えてきている段階です。これから全体像が見えていくのが楽しみです。

-共演者の梅田彩佳さんや佐藤流司さんの印象は?

 お二人ともとても面白い方です。梅田さんは「私は人見知りなんです」と言うのですが、たくさんしゃべってくれますし、佐藤さんもボソボソッと話されるのですが、実はすごく面白いことを言っていたりするので、すごく楽しいです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

寺西拓人 声優初挑戦は「とても刺激的で楽しい経験でした」 「マクロス」、「アクエリオン」シリーズの河森正治監督の長編アニメーションに出演『迷宮のしおり』【インタビュー】

映画2025年12月30日

 2026年1月1日全国公開となる『迷宮のしおり』は、「マクロス」、「アクエリオン」シリーズなどで知られる河森正治監督初のオリジナル長編アニメーションだ。  引っ込み思案な女子高生・前澤栞(声:SUZUKA(新しい学校のリーダーズ))は、親 … 続きを読む

織山尚大、芸能活動10周年を迎え「今のこの年齢で演じる意味がある」 舞台「エクウス」で3年ぶりの主演【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月29日

 映画『うちの弟どもがすみません』やドラマ『リベンジ・スパイ』など、数々の映画やドラマ、舞台で活躍する織山尚大の3年ぶりの主演舞台となる「エクウス」が1月29日から上演される。本作は、実際に起きた事件を基に描かれた、ピーター・シェーファーに … 続きを読む

【映画コラム】「2025年映画ベストテン」

映画2025年12月28日

 今回は、筆者の独断と偏見による「2025年公開映画ベストテン」を発表し、今年を締めくくりたいと思う。 【外国映画】  2025年公開の外国映画を振り返った時に、今年の米アカデミー賞での受賞作は最近の映画界の傾向を象徴するようで興味深いもの … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】家族の情緒が国境を越える、俳優ムン・ソリが語る「おつかれさま」ヒットの理由

ドラマ2025年12月26日

 今年のヒットドラマ、Netflixシリーズ「おつかれさま」。子どもから親へと成長していく女性の人生とその家族を描き、幅広い世代から支持され大きな話題を呼んだ。IU(アイユー)との二人一役で主人公エスンを演じたムン・ソリに、ドラマの振り返り … 続きを読む

田中麗奈「こじらせ男の滑稽で切ない愛の行方を皆さんに見届けていただきたいと思います」『星と月は天の穴』【インタビュー】

映画2025年12月24日

 脚本家としても著名な荒井晴彦監督が、『花腐し』(23)に続いて綾野剛を主演に迎え、作家・吉行淳之介の同名小説を映画化した『星と月は天の穴』が12月19日から全国公開された。過去の恋愛経験から女性を愛することを恐れながらも愛されたい願望をこ … 続きを読む

Willfriends

page top