「この先、義時は毎回シビアな決断を迫られる状況になっていきます」小栗旬(北条義時)【「鎌倉殿の13人」インタビュー】

2022年5月7日 / 08:00

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。上総広常(佐藤浩市)が衝撃的な最期を迎えた第15回「足固めの儀式」を境に物語のムードがグッと変わり、このところシビアな展開が続いている。5月8日放送の第18回「壇ノ浦で舞った男」では、いよいよ源平合戦のクライマックス、壇ノ浦の合戦を迎えるが、そんな物語の中で主人公・北条義時はどうなっていくのか。義時役の小栗旬が今後の展望について語ってくれた。

北条義時役の小栗旬 (C)NHK

-ここまでの物語を見ていると、北条義時は与えられた仕事を一生懸命にこなす「仕事のできる普通の人」といった印象です。大河ドラマの主人公というと、「自らが何かを成し遂げる」という志や熱意を持って行動するイメージがありますが、義時はそうではありません。そういう一風変わった主人公の義時を描く三谷幸喜さんの脚本の魅力と、小栗さんが演じる上で心掛けていることを教えてください。

 そう感じていただけるのであれば、それも三谷さんの脚本の魅力ではないかと思います。確かに、義時は自ら前に出て、こうする、ああする、という人間ではないんですよね。心の奥底には常に「早く伊豆に帰って米の勘定をしたい」という思いがあり、それが一番の楽しみのような人ですから(笑)。でも、そんな人間が、周囲から「どうする?」「おまえどうする?」と言われ続けた結果、自分が動かなければいけなくなり、いろんな人をつなぎ、その間で右往左往することになっている。僕としては、そこが一番面白いところだと思っています。その点、演じる上では、基本的に自分の意見はそれほど持ち込まず、周りの皆さんのお芝居をしっかり受けることを心掛けています。その蓄積の中から、義時のキャラクターが立ってくると思うので。

-そういう意味では今後、義時の姿勢も変わってくるのでしょうか。

 大きく変わっていくと思います。壇ノ浦の合戦が終わると源氏内部の話になり、頼朝が鎌倉幕府を作り上げていく過程で、義時は今までとは違った仕事を任されるようになっていきます。その中で、義時自身が考え、行動していく瞬間が次第に増えていきますから。そのとき、第15回で三浦義村(山本耕史)から言われた「おまえは少しずつ、頼朝に似てきているぜ」という言葉が、改めて立ってくるような気がします。

-この先、義時は年齢的にも上がっていくと思いますが、その変化はいかがでしょうか。

 現在の義時はまだ20代前半なので、頭で考えるより感情が先走ってしまう部分があります。ただ、もう少したつと年齢が一気に上がって30代中盤になります。そこからはもともと持っていた“青年らしさ”みたいなものは消え、より大人になっていきます。自分ではその辺を丁寧に演じているつもりなので、きちんと段階を追ってそこにたどり着けている手応えはありますね。その頃になると息子の金剛も成長してくるので、「親として」という言い方も出てきたりして、今までとはだいぶ違った感じになっていくのかなと思っています。

-放送が始まった頃、「義時は次第にダークになっていく」とも言っていましたが、その点について教えてください。

 当初、北条義時は「ダークヒーロー」がキャッチフレーズのようになっていましたが、現在撮影が進んでいるあたりでは、ダークというより、毎回シビアな決断を迫られる状況になっています。つまり、「北条が生き抜くためにはどうすべきか」という選択を重ねた結果、厳しい決断をせざるを得なかった、ということで。その中で、果たして義時はどこまで迷い、どこから迷うことをやめたのか。現在はそういう部分を皆さんと一緒に丁寧に描いているところです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】5月の公開映画から

映画2026年6月5日

「サンキュー、チャック」 (5月1日公開)★★★ チャックとは一体何者なのか  大規模な自然災害と人災が次々と地球を襲い、世界は終わりを迎えつつあった。すると、街頭やテレビ、ラジオに突如として、「チャールズ・クランツに感謝します。素晴らしい … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第21回「風雲!竹田城」小一郎を際立たせる2人の軍師の知恵比べ【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年6月4日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=羽柴秀吉/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。5月31日に放送された第21回「風雲! … 続きを読む

穂志もえか「かなりユニークな、今までに見たことがないような映画になっていると思います」『Never After Dark/ネバーアフターダーク』【インタビュー】

映画2026年6月4日

 俳優・プロデューサーの賀来賢人と監督のデイヴ・ボイルが共同で設立した映像製作会社「SIGNAL181」の長編映画第1作となるホラー『Never After Dark/ネバーアフターダーク』が6月5日から全国公開される。死者の姉と生者の妹に … 続きを読む

伊藤健太郎&GACKTの人生を変えた出会いを語る 「連続ドラマW コンサルタント―死を執筆する男―」で初共演【インタビュー】

ドラマ2026年6月3日

 韓国発のダーク・サスペンス小説を実写化したドラマ「連続ドラマW コンサルタント―死を執筆する男―」が、6月7日からWOWOWプライム・WOWOWオンデマンドで放送・配信される。本作は、ミステリー小説家志望の冴えない男・伊崎耀が謎の組織“カ … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第20回「本物の平蜘蛛」不思議な印象を残した松永久秀の最期【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年5月28日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=羽柴秀吉/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。5月24日に放送された第20回「本物の … 続きを読む

page top