【インタビュー】「連続ドラマW だから殺せなかった」玉木宏 「記者として、現場で動けるようなスタイルを意識しました」

2021年12月24日 / 12:06

 2022年1月9日から放送される「連続ドラマW だから殺せなかった」で連続殺人犯と新聞紙上で討論を繰り広げる新聞記者・一本木透を演じる玉木宏。まず共感から始まる役作りや、一本木と重なる部分もあるという自身の素顔について語ってもらった。

玉木宏(ヘアメーク:渡部幸也(riLLa)/スタイリスト:上野健太郎)写真:大槻志穂

-一本木は正体不明の連続殺人犯から指名を受け、言葉で対峙(たいじ)することになりますが、ご自身の考える一本木像とは?

 新聞記者はメモ帳を持って取材をしているイメージだったのですが、監督と相談して、メモを取らずに、聞いた話をインプットするタイプの記者に。シャツの袖をまくっていたり、カバンを肩掛けにしていたりと、現場で動けるようなスタイルを意識しました。特に参考にした人はいませんが、46歳の設定なので、白髪を生かしてくたびれた感じにして。劇中では20年前も描かれるのですが、物語の核となる部分ということもあり、僕が演じました。20年前はなかなかキツイな…と不安でしたが、結果的には演じてよかったと思っています。少しは若返ったかな(笑)。

-役作りをする際に、大切にしていることは?

 僕は、役を演じるときは、気持ちを理解することを一番大切にしていて。役に共感するところを探して、自分が近づいていくような感覚です。だから、過去に新聞記者を辞めてもいいような出来事が起こっていたのに、なぜ辞めなかったのかはしっかり追求しました。悲しみを前面に見せてしまうと、視聴者の方にも一本木に対してブレーキがかかってしまうので、見せない悲しさ、苦しさを交えつつ、逆算しながら演じました。

-俳優としての転機はありましたか。

 20歳、俳優3年目のときに受けた『ウォーターボーイズ』のオーディションです。アルバイトをしながら活動していたのですが、周りは就職して収入も安定した人たちがいっぱいいて。辞めるなら早いうちの方が余力もあるし、最後だと思って全力で臨んだのがこのオーディションでした。結果、それまでで一番大きな役を頂いて、映画もヒットして。でも、23歳のときにまた不安になる時期があって、もう一度立ち止まったとき、今度は朝ドラで大きな役を頂いて。東京にしがみ付いていたかったし、負けず嫌いで、何かしら爪痕を残したいという思いが強かったのがよかったのかもしれないです。

-一本木は“言葉”で連続殺人犯と対峙していきますが、玉木さんが大切にしている言葉は、何かありますか。

 「現状維持は退歩なり」という言葉です。ある企業の社長さんがテレビでおっしゃっていたのを聞いただけですが(笑)。でも、それが頭の中に残っています。現状維持はそのときはいいかもしれないけど、時代が進めば古いものになってしまう。だから、置いていかれないようにちゃんと知識や経験を増やして、常に自分を更新していかなければと、この言葉を心に刻んでいます。そのために、僕は人と話をして刺激を得るようにしています。刺激が得られれば、次はそれで何をしようかという欲も生まれると思うので。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

門脇麦、「芝居に対してすごく熱い」田中圭と夫婦役で5度目の共演 舞台「陽気な幽霊」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年4月2日

 田中圭を主演に迎え、若村麻由美、門脇麦、高畑淳子ら豪華共演者で贈る舞台「陽気な幽霊」が5月3日から開幕する。本作は、20世紀を代表する劇作家ノエル・カワードによるウェルメイド・コメディー。1945年にはデヴィッド・リーン監督により映画化も … 続きを読む

今田美桜「『アンパンマン』のように、幅広い世代に愛される作品に」連続テレビ小説「あんぱん」いよいよスタート!【インタビュー】

ドラマ2025年4月1日

 3月31日から放送スタートしたNHKの連続テレビ小説「あんぱん」。『アンパンマン』を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルに、何者でもなかった朝田のぶと柳井嵩(北村匠海)の2人が、数々の荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『 … 続きを読む

坂本昌行&増田貴久がミュージカルで初共演「笑顔になって、幸せになって帰っていただけたら」 ミュージカル「ホリデイ・イン」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年4月1日

 坂本昌行と増田貴久をはじめとした豪華キャストが出演するミュージカル「ホリデイ・イン」が4月1日から開幕する。本作は、1942年に公開された映画『Holiday Inn』(邦題『スウィング・ホテル』)をもとに舞台化されたミュージカル作品。「 … 続きを読む

藤原竜也が挑む「マクベス」 「1日1日、壁を突破することが目標」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月29日

 2024年5月にスタートした、吉田鋼太郎が芸術監督を務める【彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd】。待望の二作目となる「マクベス」が、藤原竜也を主演に迎え、5月8日から上演される。藤原に初めて挑む「マクベス」への思いや吉田とのクリエイトに … 続きを読む

竈門炭治郎を演じる阪本奨悟が語る、舞台「鬼滅の刃」の魅力 「生身の人間が演じているからこそ、リアルに共感できる」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年3月28日

 「週刊少年ジャンプ」で2020年5月まで連載していた吾峠呼世晴による大ヒット漫画『鬼滅の刃』。2020年に初めて舞台化されて以降、シリーズを重ね、4月11日からはシリーズ5作目となる、舞台「鬼滅の刃」其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里が上演される。 … 続きを読む

Willfriends

page top