エンターテインメント・ウェブマガジン
コロナ禍やオリンピックの延期などにより、時代が予想を超えて変わっていきました。そういう状況の中で渋沢さんについて調べていくにつれ、逆境にぶち当たってもくじけずに立ち上がっていく人だということが分かってきました。そこから、「生き抜く」ということが、だんだんこの物語のテーマとして前面に浮かび上がってきた感じです。ただ、「逆境の中でも立ち上がる」ということは企画の段階からありましたが、当然、コロナ禍なんて予想もしていませんし、僕らは「とにかく楽しんでもらえるものを」と考えながらドラマを作っていただけです。そういう中で、必然的に物語が今の時代とリンクしていったような感覚です。
僕たちも、このドラマを作っている中で、苦しい時期がたくさんありました。でも、作り手でありながら、登場人物たちの行動やせりふに励まされ、「生き抜く」、「前を向いて進む」という力を得るような不思議な体験をしました。
大河にはいろいろな作り方があり、大胆な仮説に基づく物語もあり得ますが、大森さんはうそをつきたくないということで、徹底的に史料を調べ、史実に寄り添って作られる方です。だから、こちらも大量の史料を用意し、読み解いていきました。渋沢さんは生きていた時代が近いので、史料もたくさん残っているんです。その史料を調べていくうちに、だんだん渋沢さんの人物像が立体的になってくる。そこに吉沢さんが血肉を与えることで、生涯青春で力強く駆け抜けていく渋沢像が生まれました。僕らも一緒に作っているのに、吉沢さんの渋沢に励まされるような不思議な実感がありました。
始まる前は、「渋沢って誰?」「地味」「次の大河は1年休むか」みたいなことも言われていましたね(笑)。大半の方が渋沢栄一さんをちゃんと知らないし、「新1万円札の人」ぐらいのイメージしかなかったはずなので、仕方ないなとは思っていました。でも、どんどん逆転していくダイナミックな渋沢さんの人生は、ご覧になれば楽しんでいただけるはずだと信じていました。最終的に皆さんから応援していただけるようになったのは、脚本の力ももちろんありますが、役者の方々のおかげだと思っています。皆さんが、それぞれ演じる役を愛して育ててくれたことで、キャラクターがより魅力的になり、応援してくださる方も増えたのではないかと。それに尽きると思います。
(取材・文/井上健一)
ドラマ2025年7月1日
ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。30代の夫婦(蓮佛美沙子、溝端淳平)、20代の大学生カップ … 続きを読む
ドラマ2025年6月29日
-それが変わってきたということでしょうか。 物事は、ある程度加速がつき、歯車がスムーズに回り始めれば、少ないエネルギーで進んでいくようになりますが、スタートするときは膨大なエネルギーが必要です。この作品もそういう過程を経て、ようやく彼が笑 … 続きを読む
映画2025年6月27日
-30年間やってきて、栗田さんなりのルパンに対する思いや魅力について。また栗田さんにとってルパンとはどういう存在でしょうか。 やっぱりルパン三世の声は、パート2や『ルパン三世 カリオストロの城』(79)の頃の、山田さんが一番元気だった頃の … 続きを読む
映画2025年6月27日
-三池崇史監督の演出や映画に対する姿勢についてはどう感じましたか。 大倉 あまり無駄なことはおっしゃらないです。すごく明確な演出をなさいます。僕の場合は、校長と薮下先生との間に挟まれているという、スタンスにちょっとよどみがあったのかもしれな … 続きを読む
映画2025年6月27日
『アスファルト・シティ』(6月27日公開) 犯罪と暴力が横行するニューヨークのハーレム。クロス(タイ・シェリダン)は医学部への入学を目指し勉学に励む一方で救急救命隊員として働き始める。 ベテラン隊員のラット(ショーン・ペン)とバディを組 … 続きを読む