【インタビュー】『聖地X』岡田将生「『入江監督の手のひらの上で踊らされていた』というぐらい、いい意味でだまされていた感じ」 川口春奈「想像より遥かにすごいものが出来上がった、と驚きました」オール韓国ロケの異色作に手応え

2021年11月18日 / 07:03

 亡き父が遺した韓国の別荘で、悠々自適に暮らす青年・輝夫の元へ突然、夫・滋(薬丸翔)の浮気で結婚生活に愛想を尽かした妹の要が転がり込んでくる。思わぬ形で始まった兄妹同居生活の中、要は日本にいるはずの滋と再会。ところが滋は、パスポートはなく、着の身着のままで、記憶も曖昧だった。しかも、東京でもいつも通りに滋が働いていた。2人の滋が現れた理由を探り始めた輝夫と要が辿り着く恐るべき真実とは? 劇団イキウメの人気舞台を『AI崩壊』(20)の入江悠監督がオール韓国ロケで映画化した『聖地X』が、11月19日から劇場/配信同時公開となる。主人公の兄妹、輝夫と要を演じた岡田将生と川口春奈が、日韓合作となった本作の舞台裏を語ってくれた。

川口春奈(左)と岡田将生

-ホラー映画でありながらコメディー的な要素もあるなど、不思議な味わいの作品ですが、演じる上ではその辺をどう意識しましたか。

岡田 お芝居については、テンポよくやることが大事だと思っていたので、なるべく止まらず、見る人が考える時間がないように、ということは意識していました。ただ、川口さんも多分同じだと思うんだけど、こんなにホラーになるとは思っていなかったよね。

川口 はい、そうですね。

岡田 現場でも、そういう空気を作ろう、ということは全くなくて。僕たちも巻き込まれていった感じがものすごくあります。そういう意味では、出来上がったものを見て、「僕たちはこういうジャンルの映画を撮っていたのか!」って、多分、皆思ったんじゃないかな。だから、そこについては「僕たちは入江さんの手のひらの上で踊らされていたんだな」というぐらい、いい意味でだまされていたような感じがあります。

川口 確かにそうかも。いろんな要素がてんこ盛りなんですよね。一つのジャンルにくくれないぐらいの要素がギュッと詰まっていて。CG処理の部分も多かったので、現場では想像し切れない部分もあり、出来上がったものを見て、「こんな感じになったんだ!」と驚きました。これを全部踏まえた上で、入江さんは当時、現場で演出してくださっていたのかな、と思うと、私が想像しているよりも遥かにものすごいものが出来上がっちゃったなと。

-入江監督の現場での演出は、どんな感じだったのでしょうか。

岡田 かなり自由でした。「この場所でこのシーンを撮ります。どうやりますか?」みたいな感じで。要が軸で物語が動き出すので、僕たちはそこに準じて作っていくと、ああいう感じになったというか。入江さんも、それを楽しんで見てくださっていた部分がありますし。

川口 岡田さんがおっしゃったように、お芝居に関して入江監督から細かく「こうしたい」と指示されることはなく、自由にやらせていただいた印象があります。そういう意味では、要は怒ったり、イライラしたり、感情の起伏が激しい人ですけど、カオスな出来事にたくさん遭遇するので、そこに純粋にリアクションしていけば、そういう波が自然と作れるようなキャラクターだったのかなと。

岡田 もちろん、枠から外れれば修正されるんですけど、役柄を理解してやっていけば大きく外れることもなかったので、「自由に演じさせてもらった」という感覚がすごく強いです。

-お芝居の点では、お二人は今回が初共演ですが、お互いの印象をお聞かせください。

岡田 川口さんのことはもちろん昔から知っていましたが、一緒に仕事をしてみると、どの仕事にも正直に向き合っていることがよく分かりました。要という役は本当に難しかったと思うし、悩むシーンもたくさんあったと思うんです。でも、そういう姿を一切見せず、さらっとやってしまう。そういう姿がとても頼もしかった。「気持ちよく一緒に仕事ができる方だな」という印象がすごく残っています。

川口 岡田さんは本当にお兄ちゃんのようで、心の支えになりました。全て海外で撮影する経験もなかなかありませんし、コミュニケーションも難しい中、堂々としていてくださったので、すごく安心できましたし、信頼もしていました。仕事以外の相談にもいろいろ乗っていただいて、すごくありがたかったです。

-劇中では駄目な兄の輝夫としっかり者の妹・要という関係ですが、実際はそんなことはなかったわけですね。ところで、オール韓国ロケで撮影したことで韓国映画らしい空気感が加わり、それが本作独特のムードにもつながっているように感じます。韓国での撮影はいかがでしたか。

岡田 僕は『パラサイト 半地下の家族』(19)や『殺人の追憶』(03)といった韓国映画が大好きなので、日本の映画とは違う韓国映画の空気感を感じられたのは、すごく面白かったです。いつか機会があったら、韓国映画にも出てみたいと思うようになりました。

川口 現場は、日本のスタッフさんと韓国のスタッフさんが半々ぐらいでしたが、言葉の壁や文化の違いもあって、一つの作品を作るのはすごく大変な作業だったと思うんです。でも、お互いをリスペクトしながら、撮影が円滑に進むように心遣いをしていて、作品に対する愛情がひしひしと伝わってきました。助監督の方も、日本語の分かる方が親身になって仕事をしてくださって。だから、何の不自由もなくお芝居に集中できました。そういう恵まれた環境でお芝居ができたことは、すごくありがたかったです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

山下美月が“かつてなく最高の主人公”に 「自分も成瀬あかりのような人間に近づきたい」舞台「成瀬は天下を取りにいく」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年6月16日

 舞台「成瀬は天下を取りにいく」が7月4日(土)から上演される。本屋大賞をはじめ数多くの文学賞を受賞し、主人公・成瀬あかりが全力で我が道を突き進む姿が読者を魅了した、シリーズ累計発行部数210万部を突破する大人気小説『成瀬あかりシリーズ』。 … 続きを読む

片山友希、MEGUMI「間違えても失敗しても、とにかく前に進み続けるということはお伝えできたかなと思います」『FUJIKO』【インタビュー】

映画2026年6月15日

 1970~80年代の静岡を舞台に、激動の時代を生きるシングルマザーが自らの生き方を模索しながら力強く歩んでいく姿を描いた、木村太一監督の『FUJIKO』が全国公開中だ。本作で主人公の富士子を演じた片山友希と、企画・プロデュースを担当し、出 … 続きを読む

舞台「キングダムII ―継承―」三浦宏規・高野洸・山本千尋・山口祐一郎、「死力を尽くさなければいけない」作品に再び挑む【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年6月12日

 累計発行部数1億2000万部を突破した、原泰久による大ヒット漫画を原作とした舞台の第2弾となる「キングダムII ―継承―」が、8月9日から上演される。本作は、苛烈な戦乱の中にある中国・春秋戦国時代を舞台に、戦災孤児の少年・信と、のちの始皇 … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第22回「播磨大誤算」戦国の世の難しさを印象付けた播磨攻略戦【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年6月11日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。小一郎と秀吉が播磨攻略に難渋する様子を描いた6月7 … 続きを読む

山本耕史、「RENT」に続き全編英語上演に挑む「ゼロからのスタートだけどやるしかない」 日米合作ブロードウェイミュージカル「フル・モンティ」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年6月11日

 山本耕史が、ゆりやんレトリィバァとブロードウェイで活躍するキャストとともに挑む、日米合作ブロードウェイミュージカル「フル・モンティ」が、8月19日から上演される。本作は、1997年に映画をもとに誕生し、トニー賞作品賞を含む9部門にノミネー … 続きを読む

page top