【インタビュー】NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」上白石萌音「私は現代劇よりも、昭和以前の役の方がしっくりくるんです(笑)」

2021年11月1日 / 08:20

 11月1日から放送がスタートするNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」。本作は、昭和・平成・令和の時代を、ラジオ英語講座とともに歩んだ家族のストーリー。初代ヒロイン・橘安子を演じる上白石萌音が、インタビューに応じ、現在の心境を語った。

橘安子を演じる上白石萌音

-以前、「“朝ドラ”にずっと憧れていた」というコメントを発表していましたが、具体的に印象に残っている“朝ドラ”はありますか。

 私が中学1年でデビューした年に放送していたのが、井上真央さんの「おひさま」(11)でした。毎日録画して、学校から帰って正座して見ていました。日々の楽しみでした。

-そんな思いを抱いていたのですね。

 毎朝15分でみんなに元気を与えて、それを見たみんなが仕事に行って頑張るって本当にすてきなことだなって感じました。いつか私もこういうことができる女優さんになりたいなとひそかに思っていました。

-いよいよ「毎朝みんなに元気を与える人」になるわけですが、心境は?

 元気になってもらえたらうれしいですね(笑)。12歳からの夢がかなったうれしさもありますし、それとは違った責任感や不安もありますが、出来上がったものを見たら、本当に温かくて素晴らしいドラマになっていたので、自分のことはいったん置いておいて、今は祈っています。

-安子の兄役の濱田岳さんとのエピソードがあれば、教えてください。

 岳さんとは、私が初めて主演した『舞妓はレディ』(14)という映画でご一緒して、それ以来です。大好きな方なので、兄妹役を演じられてうれしかったです。岳さんは、ことあるごとに、私をご飯に連れて行こうとしてくださったのですが、ご時世的なこともあってかなわなくて。でも、それは何年掛かっても実現させたいなと思います(笑)。

-昭和の時代を生きた安子を演じるに当たり、何か事前に学んだことはありますか。

 私は、現代劇よりも昭和以前の役の方が、しっくりくるんです(笑)。「昭和っぽいね」と言われることもあります。なので、一生懸命その時代になじむようにとは、あまり意識はしなかったです。とはいえ、今とは、社会の雰囲気とか、年齢の捉えられ方も全然違って、劇中の安子は16歳で『ちょうどいい見合いの頃合いだ』と言われたりもします。現代とのギャップはとても大きいので、そこは時代背景をしっかりくみながら演じたいなと思って臨みました。

-戦争のシーンも挟まりますね。

 その頃のこともしっかりと勉強したくて、事前に岡山にある空襲展示室に行きました。あとは、祖父母に戦争体験を聞いたりして、物語ではなくて、本当にあった現実のこととして捉えるためにいろいろ調べたりもしました。

-第1週では、安子と松村北斗さんが演じる稔との関係がとても初々しく描かれていました。演じる上で、意識したことを教えてください。

 安子にとって稔さんは、本当に憧れの年上のお兄さん。誰しもそういう経験が一度はあると思います。でも安子にとって、それが恋愛感情なのか、憧れなのかはあまり分からないところがまだあって。初めて安子が、ほんのり淡い夢みたいなものを持ったときの気持ちとか、“うぶさ”みたいな部分は、監督ともすごく相談しながら演じました。2人はとても純粋だし、英語という共通の興味があって話が弾んだりするので、とてもアカデミックな仲でもあると思います。

-安子が14歳で英語に熱中したように、上白石さんが小中学生のときに熱中していたことがあれば教えてください。

 私もその頃から英語が大好きでした。小学3年生から5年生までメキシコに住んでいた時期があり。私は帰国してから英語に目覚めたのですが、そこから塾に通って英語を頑張ったり、中学の英語の授業でも、クラスメートと競って勉強したりもしていました。なんであんなにモチベーションがあったのか分かりませんが、いまだに英語は大好きなので、火はあの頃についたなって思います(笑)。

-安子の娘である2代目のヒロイン・るいを深津絵里さんが演じますが、上白石さんは芝居中に深津さんの顔が浮かんだりすることはありましたか。

 そこは、あまり意識はしなかったです。ただただ目の前にいる幼い(子役の)るいを見て、「この子のために…」という思いでやってきました。でも、ふとわれに返ったときに、「この子が(いずれ)深津さんになるんだな」とたまに思ったりはしました(笑)。あと、あるとき、深津さんが贈り物をプロデューサーさんに預けてくださったことがあって。撮影中はそれを心の支えとしてずっとそばに置いていました。

-地方での撮影中、上白石さんの気分のリフレッシュ法は何でしたか。

 ずっとウイークリーマンションに泊まっていたのですが、自分でちゃんと家事や自炊をすることが気持ちの切り替えになっていました。私は、もともと野菜切ったりするのが好きで、料理も全然手間のかからないものを作っていたので、それは苦になりませんでした(笑)。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

蓮佛美沙子&溝端淳平「カップルや夫婦が“愛の形”を見直すきっかけになれたら」 グアムで撮影した新ドラマ「私があなたといる理由」【インタビュー】

ドラマ2025年7月1日

 ドラマ「私があなたといる理由~グアムを訪れた3組の男女の1週間~」が、7月1日からテレ東系で放送がスタートする。本作は、グアムを訪れた世代が違う男女3組のとある1週間を描いた物語。30代の夫婦(蓮佛美沙子、溝端淳平)、20代の大学生カップ … 続きを読む

風間俊介「横浜流星くんと談笑する機会が増えてきたことがうれしい」蔦重と和解した鶴屋喜右衛門役への思い【大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」インタビュー】

ドラマ2025年6月29日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、快調に進行中。6月29日放送の第25回「灰の雨降る日本橋」では、浅間山の噴火によっ … 続きを読む

栗田貫一「今回はルパンたちが謎の世界に迷い込んで謎の敵と戦って、しかも前に倒した連中もよみがえってくるみたいな感じです」『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』【インタビュー】

映画2025年6月27日

 あのルパン三世が、約30年ぶりに2Dの劇場アニメーションとして帰ってくる。舞台は地図に載っていない謎の島。お宝を狙って乗り込んだルパン一行を待ち受けていたのは正体不明の存在だった。前代未聞のスケールで描かれ、全ての「ルパン三世」につながる … 続きを読む

光石研、大倉孝二「ちょっと重いけれどちゃんとエンターテインメントになっていると思います」『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』【インタビュー】

映画2025年6月27日

 日本で初めて教師による児童へのいじめが認定された体罰事件を題材にした福田ますみのルポルタージュを三池崇史が映画化した『でっちあげ ~殺人教師と呼ばれた男』が6月27日から全国公開された 。本作の主人公・薮下誠一(綾野剛)が勤める小学校の校 … 続きを読む

【週末映画コラム】『トップガン マーヴェリック』と兄弟のような『F1(R)/エフワン』/過酷な救急医療現場にリアルに迫った『アスファルト・シティ』

映画2025年6月27日

『F1(R)/エフワン』(6月27日公開)  かつてF1ドライバーとして活躍したソニー・ヘイズ(ブラッド・ピット)は、今は身を持ち崩し、フリーのレーサーとしてさまざまなレースに出場していた。だが、最下位に沈むF1チーム「エイペックス」の代表 … 続きを読む

Willfriends

page top