【インタビュー】舞台「甘くない話~ノン・ドサージュ~」村井良大&高崎翔太&馬場良馬 黒木瞳の初演出舞台で感じた「役者としてのマインド」

2021年11月2日 / 08:05

 黒木瞳が企画・演出する舞台「甘くない話~ノン・ドサージュ~」が、11月3日から上演される。本作は、キッチンスタジオでアナフィラキシーショックを起こして亡くなった料理家・蘭子の死の真相に迫る、謎解きヒューマンエンターテインメント。出演者全員が容疑者の疑いを掛けられ、人に知られたくない秘密を抱えているという状況の中、果たして犯人を見つけ出すことはできるのか。本作に出演する、村井良大、高崎翔太、馬場良馬に、黒木の演出についてや、久々の共演への思いを聞いた。

(左から)高崎翔太、村井良大、馬場良馬

-出演が決まったときの率直な気持ちは?

村井 黒木さんが監督をされた映画にも出演させていただいたので、お声を掛けていただきうれしかったです。特に、今回は、黒木さんの舞台初演出という貴重な機会なので、黒木さんの作る世界観を体感したいと思っています。

高崎 僕も全く同じです。個人的には、良大くんとは久しぶりの共演ですし、歌舞伎で活躍されている市川九團次さんや、元宝塚の蘭乃はなさんというバックボーンの違う方がたくさん集まる作品ということもすごく楽しみでした。

馬場 僕もテレビや映画などで拝見していた黒木さんが演出する作品にまさか自分が携われるとは思ってもいなかったので、すごくうれしかったです。これまで自分が役者として培ってきたものを全力で出して、この作品の1ピースになれるよう頑張りたいと思います。

-“全員が蘭子を殺した容疑者”ということですが、それぞれの役どころを教えてください。

村井 蘭子先生が亡くなった1年後に、同じ招待状をもらった6人の登場人物が集まります。この6人は全員が秘密を抱えているのですが、その中で、みんなで探りあって、犯人を探すという物語です。僕は、招待状をもらった6人のうちの1人で、蘭子先生の料理教室に通っていた生徒役になります。行動派というよりは観察タイプで、みんなのことを見て、観察しながら、居場所を作っていくキャラクターです。

高崎 僕も招待状をもらった1人で、蘭子先生が生前、料理家として出演していた番組のアシスタントをしていた料理研究家です。蘭子先生が亡くなってから、すごく売れ出して、調子に乗っているので、一見すると嫌なやつに見えますが、話が進んでいくうちに印象が変わっていけばいいなと思っています。

馬場 僕は蘭子さんが料理家としてレシピ本を出していた出版社の編集者の役です。ドジでおっちょこちょいで、何も考えていないような行動をするので、ピリピリした空気の中での息抜きになる存在だと思います。事件のこともあまり分かっていないので、そういう意味ではお客さんと一番近い立場なのかもしれません。

-黒木さんの演出はいかがですか。

村井 “甘くない”です(笑)。ただ厳しいというわけでもないんです。黒木さんは、ご自身も俳優なので、1人の役者としてのマインドを持っていらっしゃるので、役の捉え方やせりふの言い回し、ステージでの居方というものを、適切に教えてくださいます。それは、演出をしながら役者もする方、特有の演出の仕方なのかもしれません。

高崎 やはり俳優をされているからこその、独特な演出の仕方はあると思います。全てのキャラクターに対して、しっかりとしたイメージを持たれているので、こちらも逃げずにしっかりと向き合わないといけないなと改めて感じています。それから、とにかく集中力がすごい。朝7時から別の作品の撮影をされて、10時からこの作品のお稽古を始めて、夜の7時までやっても、まだまだいける。僕たちは稽古だけなのに、僕たちの方がヘトヘトになっています(笑)。

馬場 本当にすごいバイタリティーですよね。先輩の黒木さんよりも、僕たちの方が頑張らなければいけないのに、すごい集中力だと思います。

-3人は久しぶりの共演ですか。

村井 この3人で共演したのはテニス(ミュージカル『テニスの王子様』)だけだから、10年以上たっているよね。

高崎 僕と良大くんはそれ以来、共演はしてないけど、実は僕、良大くんが出演していた、ブロードウェーミュージカル「アダムス・ファミリー」を見に行ったんだよ。そのときも良大くんがすごかったから、今回、久しぶりに共演できてすごくうれしかった。同い年なんだけど、テニスのときからお兄ちゃんみたいな存在だったから(笑)。

村井 でも、みんな当時から印象も性格も全然変わらないよね。

馬場 そういう意味では、良大くんのイメージが変わらないのはある意味すごい。20歳の頃から今と同じぐらい大人びて見えていたってことだから。

村井 馬場ちゃんは、いつまでも太陽みたいな人だよね。明るい。

馬場 良大くんとの共演では、そういう役柄を演じることが多かったというのもあると思うけど(笑)。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

堤真一、三宅唱監督「実はこういうことも奇跡なんじゃないのということを感じさせてくれる映画だと思います」『旅と日々』【インタビュー】

映画2025年11月6日

 三宅唱監督が脚本も手掛け、つげ義春の短編漫画『海辺の叙景』と『ほんやら洞のべんさん』を原作に撮り上げた『旅と日々』が11月7日(金)から全国公開される。創作に行き詰まった脚本家の李(シム・ウンギョン)が旅先での出会いをきっかけに人生と向き … 続きを読む

【映画コラム】俳優同士の演技合戦が見ものの3作『爆弾』『盤上の向日葵』『てっぺんの向こうにあなたがいる』

映画2025年11月1日

『爆弾』(10月31日公開)  酔った勢いで自販機を壊し店員にも暴行を働き、警察に連行された正体不明の中年男(佐藤二朗)。自らを「スズキタゴサク」と名乗る彼は、霊感が働くとうそぶいて都内に仕掛けられた爆弾の存在を予告する。  やがてその言葉 … 続きを読む

福本莉⼦「図書館で勉強を教え合うシーンが好き」 なにわ男⼦・⾼橋恭平「僕もあざとかわいいことをしてみたかった」 WOWOW連ドラ「ストロボ・エッジ」【インタビュー】

ドラマ2025年10月31日

 福本莉⼦と⾼橋恭平(なにわ男⼦)がW主演するドラマW-30「ストロボ・エッジ  Season1」が31日午後11時から、WOWOWで放送・配信がスタートする。本作は、咲坂伊緒氏の⼤ヒット⻘春恋愛漫画を初の連続ドラマ化。主人公の2人を軸に、 … 続きを読む

吉沢亮「英語のせりふに苦戦中です(笑)」主人公夫婦と関係を深める英語教師・錦織友一役で出演 連続テレビ小説「ばけばけ」【インタビュー】

ドラマ2025年10月31日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「ばけばけ」。明治初期、松江の没落士族の娘・小泉セツと著書『怪談』で知られるラフカディオ・ハーン(=小泉八雲)夫妻をモデルに、怪談を愛する夫婦、松野トキ(髙石あかり)とレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ) … 続きを読む

阿部サダヲ&松たか子、「本気でののしり合って、バトルをしないといけない」離婚調停中の夫婦役で再び共演 大パルコ人⑤オカタイロックオペラ「雨の傍聴席、おんなは裸足・・・」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年10月31日

 宮藤官九郎が作・演出を手掛ける「大パルコ人」シリーズの第5弾となるオカタイロックオペラ「雨の傍聴席、おんなは裸足・・・」が11月6日から上演される。本作は、「親バカ」をテーマに、離婚を決意しているミュージカル俳優と演歌歌手の夫婦が、親権を … 続きを読む

Willfriends

page top