【インタビュー】舞台「ジュリアス・シーザー」松井玲奈「お芝居はずっと続けていきたい」

2021年10月2日 / 08:02

 シェークスピアの「ジュリアス・シーザー」が、全ての役を女性キャストが演じ、演劇界の重鎮・森新太郎の演出で、10月10日から上演される。本作は、ローマ史に基づいて描かれた有名な「ローマ劇」の一つで、紀元前44年、シーザー暗殺とその後をめぐる物語。シーザーの腹心の部下アントニーを演じる松井玲奈に、シェークスピア劇に挑戦する意気込みや舞台に出演する思いを聞いた。

アントニー役の松井玲奈(ヘアメーク:白石久美子/スタイリスト:佐藤英恵(DRAGON FRUIT) (C)エンタメOVO

-本作に出演することが決まったときの気持ちを聞かせてください。

 いつかはシェークスピアの作品にも挑戦してみたいという気持ちがあったので、お話を頂いたときはとてもうれしかったです。ただ、せりふの量がすごく多くて大変なのは分かっていたので、プレッシャーもありました。

-シェークスピア作品に出演するのは憧れだったそうですね。

 はい、舞台を好きになったきっかけが蜷川幸雄さんのシェークスピアのシリーズだったので、すごく思い入れが強いんです。自分たちが生きている時代とは違う時代の話ですし、難しい言い回しも多いですが、その中でも確かに伝わってくる人間模様が面白いと感じました。

-今回の脚本を読んで、本作のどんなところに魅力や面白さを感じましたか。

 シェークスピアの魅力は、ある登場人物が話すせりふが、全ての登場人物に影響を及ぼすものになるというところです。どのせりふも、「今、これを誰に向かって言っているのか。誰に何か影響を与えたいのか」を考えながら読むのがすごく楽しい戯曲になっています。せりふ一つで対峙(たいじ)している相手の状況や心情がガラッと変わってしまうというところが脚本を読んでいてすごく面白いなと感じました。

-今回、松井さんが演じるアントニーという役についてはどのように捉えていますか。

 頭が良くて快活で、とてもしたたかな人だなという印象が強いですが、根底にはシーザーのことを愛して思っているすごく大きな気持ちがあると思います。ある意味、忠誠心の強い人物だなと感じています。

-アントニーに共感できるところはありましたか。

 共感はなかなか難しいかな(笑)。私はまだ、人を呪うぐらい憎しみに満ちたことはないので。ですが、アントニーは、舞台上に出てきた瞬間からすごく大きな感情を持っていないといけないと思うので、場を動かすほどのエネルギーをどうためていくのか、どう作っていくのかというところが、難しくも楽しい役なのかなと感じています。

-では、役作りではそこがポイントになってくる?

 そうですね。それから、大衆に向かって話をすることでその人たちの気持ちを動かしていく場面が多いので、自分が発するせりふ一つ一つに説得力を持たないといけないですし、(演じるための)パワーが必要だと思っています。

-ブルータス役の吉田羊さんの印象を教えてください。

 吉田さんは長いせりふの中であっても、言いたいことを明確にしっかりと伝えるお芝居をされていて、すごく勉強になります。現在(取材当時)、本読みがスタートしたところですが、ブルータスの真っすぐで誠実な人柄がすでに見えるなと感じています。

-演出の森さんからの言葉で印象に残っているものはありますか。

 森さんは、とにかく繰り返しやることで、演技を突き詰めていく演出家さんだと思います。(稽古では)同じ場面を30分、1時間と繰り返すこともあります。私自身、たくさんお芝居の勉強をしてきたわけではなかったのですが、その中で今回印象的だったのが、「息を吸った瞬間に感情が生まれるから、それを殺さずにちゃんと前に出せ」という教えでした。それを聞いたときに、すごく納得してふに落ちるものがあったので、今回アントニーを演じる上でもその感覚を大切にしていきたいと思います。

-松井さんは映像作品でも活躍していますが、舞台で演技をすることの魅力はどこにあると思いますか。

 舞台には立ち続けたいという気持ちがあります。舞台の現場のすごく好きなところは、何度も何度も繰り返し稽古をして、一つの作品をカンパニー皆でブラッシュアップしていけるということ。いろいろなことに挑戦できたり、その時々で違う感覚を覚えたり、そのときにならないと見えないものがあって、(稽古の時間が)私はとても好きな時間です。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

「豊臣兄弟!」第12回「小谷城の再会」豊臣兄弟の運命を左右する出会い【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年4月2日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(=藤吉郎/池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。3月29日に放送された第12回「小谷城の … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(13)道真公左遷の地、太宰府天満宮で

舞台・ミュージカル2026年4月2日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。   ▼太宰府天満宮で神道 … 続きを読む

南沙良 香港との合作映画で本格アクション初挑戦!「とても楽しかったです」『殺手#4(キラー・ナンバー4)』【インタビュー】

映画2026年4月2日

 NHKの大河ドラマ「光る君へ」(24)で注目を集め、今年も続々と出演作が公開されるなど、今最も勢いのある若手俳優の1人・南沙良。さまざまな作品に意欲的に取り組んできた彼女が新たに挑んだのは、アクションの本場・香港との合作映画。  それが、 … 続きを読む

森崎ウィン「ギンギラギンの金を見ているだけで元気になれます」『黄金泥棒』【インタビュー】

映画2026年4月2日

 人生に退屈していた平凡な主婦が金(きん)の魅力にとりつかれ、100億円相当の金の茶わんを盗み出そうとする姿を描いたクライムコメディー『黄金泥棒』が4月3日から全国公開される。実在の事件から着想を得た本作で、主人公の主婦・美香子(田中麗奈) … 続きを読む

片岡凜「花梨が持っている正義すら悪に見えるように演じることを心掛けていました」『鬼の花嫁』【インタビュー】

映画2026年3月28日

 コミック版も人気を博した和風恋愛ファンタジー小説を、永瀬廉と吉川愛のW主演で実写映画化した『鬼の花嫁』が3月27日(金)から全国公開された。鬼と人間との究極のラブストーリーを描いた本作で、ヒロイン柚子の妹の花梨を演じた片岡凜に話を聞いた。 … 続きを読む

page top