【インタビュー】音楽劇「海の上のピアニスト」主人公ノヴェチェント役の内博貴「ジャニーさんに“舞台が一番大切”と教えられた」

2021年9月10日 / 08:05

 映画にもなったアレッサンドロ・バリッコのイタリア文学を、音楽作品として描いた音楽劇「海の上のピアニスト」が9月16日から上演される。本作は、“豪華客船の中で生まれ、生涯一度も船を降りることのなかった”天才ピアニスト・ノヴェチェントの生涯を描く。ノヴェチェントを内博貴が演じ、親友トランペッターを藤本隆宏が演じる。本作で藤本との二人芝居に挑戦する内に、公演への意気込みを聞いた。

ノヴェチェント役の内博貴

-作品について抱いているイメージを教えてください。

 僕、映画(1998年公開)を見たことがなくて、その状態で台本を読んで、そこで初めてノヴェチェントの生涯を知りました。普通に考えたらあり得ない人生だと思います。船の中で生まれて、親に捨てられ、本当の両親も分からない。船員に育ててもらい、やがてピアニストになる。これはフィクションですが、純粋に外の世界を知らないわけですから、何かかわいそうだな…と思いました。

-役作りはどのようにしていますか。

 僕は、いつも特に役作りはしないんです。台本の“ト書き”に全て書かれていると思うので。こういう会話のときに、この人物はこういうせりふを言うんだ…。それがもうその人物の性格なので、それを押さえて演じれば、それがその人物になる。なので、稽古のときはいつもゼロの状態から入って、そこから徐々に作っていく感じです。

-歌稽古の感触はいかがですか。

 曲調で言うと、アップテンポな曲もありますし、バラードチックなのもあります。すごく幅広い楽曲がそろっているので、初めて聞いたときに「こんなにあるんだ」と驚きました。最初から、楽曲数もかなり多いと思っていたのですが、演出家の星田(良子)先生が「もう1曲増やしました」と言うので、「いや、増やさなくていいよ!」って思いました(笑)。

-今回の舞台で、自分にとっての一番の挑戦だと思うことは?

 (取材当時)僕がピアノを生で弾くシーンがあるのかまだ分からないのですが、もしやるとなったらそれは大きな挑戦です。それから、この作品は二人芝居なのに、せりふの掛け合いが少ないので、それは僕にとって初めてのことで、不思議な感覚があります。藤本(隆宏)さんは親友役であり、ストーリーテラーという役どころでもあるので、説明口調が多いのですが、僕は自分の心情を語るシーンが多い。例えば、外に出てみたいという欲求、妄想のせりふだったり…。せりふというよりは“ポエム”。2人でいるのに、会話のキャッチボールが少ないので、そこが難しいと感じています。

-初めての経験ですか。

 そうですね。僕、せりふを覚えるときも、まず相手のせりふから覚えるんです。会話だと、相手のせりふさえ覚えていれば、「こういう言葉を返すよね」って、自分のせりふも頭に入ってきやすいので。ですが、今回はその覚え方が通用しない。ひたすらポエムを覚えなきゃ、みたいな感じです(笑)。

-藤本さんの印象は?

 一度お会いしましたが、めちゃくちゃいい体つきをしてました(笑)。(競泳選手として)バルセロナオリンピックに出ていたと聞いて本当にびっくりしました。稽古でお会いしたら、ぜひそのお話を聞きたいと思います。なぜ“こっちの世界”に転職したのかも気になるので。

-内さんは、ピアノが弾けたらいいなと思ったことはありますか。

 それは昔からずっと思っています(笑)。ピアノをやっている方が耳は断然良くなりますよね。「何の楽器やっておけばよかった?」という質問をされると、「いや~、ギターじゃなくてピアノだったなあ」というのは常にあります。僕は子どもの頃、野球をやっていましたが、この仕事をしている以上は野球よりもピアノだったなと思います(笑)。

-舞台公演が続きますが、日頃から心掛けていることはありますか。

 どんなに忙しくても、ジムには行っています。あとは早寝早起きかな。おじいちゃんみたいな生活をします(笑)。何もないときは、夜は9時半までには寝るし、舞台の本番中は遅くても11時過ぎには布団の中に入っています。

-それが健康管理につながっているのですね。

 そうですね。ジムも健康のために行っています。体を動かして、筋肉を動かしていると、体調がいいんです。ジムに通い出してからまだ3カ月ぐらいなんですけど、自分言うのもなんですが、いい体になってきました(笑)。あと夜の寝付きもよくなりました。

-体を鍛えると、立ち姿などにも変化が現れますか。

 どうなんですかね。でも、楽屋で僕の裸を見たとっつー(戸塚祥太)は「仕上げってるね~。俺もジム行こうかな」と、言っていました(笑)。

-舞台での姿が大変魅力的ですが、内さんにとって舞台とは?

 何だろう…。もともと僕、舞台が好きじゃなかったんですよ、でもジャニー(喜多川)さんに「舞台が一番大切なんだよ」と教えられたんです。ジャニーさんが「舞台に立てる人間が、最後まで生き残るんだよ」って言ったのを、すごく覚えています。僕が20歳か21歳ぐらいのときかな。その頃から舞台に対する気持ちも、歌に対する気持ちも変わってきました。それまでも手を抜いていたわけではないですが、「やんなきゃいけないからやってる」みたいな感じだったんです。

 
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