【インタビュー】舞台「日本の歴史」瀬戸康史 三谷幸喜作品で感じた「コメディーのやりがいや難しさ」

2021年6月25日 / 08:05

 三谷幸喜が作・演出を手掛ける、シス・カンパニー公演「日本の歴史」が、7月6日から新国立劇場 中劇場で上演される。本作は、卑弥呼の時代から太平洋戦争までの約1700年にわたる日本の歴史を、ある家族の歴史の物語と重ね合わせながら描く大河ミュージカルの再演。今回は、中井貴一、香取慎吾ら2018年の初演メンバーに加え、新たに瀬戸康史が出演する。三谷作品は2020年上演の「23階の笑い」についで2度目となる瀬戸に、公演への意気込みを聞いた。

瀬戸康史(ヘアメーク:須賀元子/スタイリスト:小林洋治郎)

-初演を見た感想と、今回、新メンバーに決まったときの気持ちを聞かせてください。

 初演は本当に新しいものを見たなと感じました。耳に残るメロディーが多く、帰り道で口ずさんでいたほど、本当に楽しい作品でした。そんな素晴らしい作品に、ミュージカルの経験がない僕が出演することになるとは思ってもいませんでしたが、三谷さんが声を掛けてくださったので、それならばぜひ出演しようと思いました。

-60以上の役柄を7人の俳優で演じ分けるというところも見どころですが、それについてはどう感じていますか。

 早替えだったり、物理的に大変なこともたくさんあると思いますが、それも含めて楽しめればいいなと思います。役者としては、一つの作品でいろいろな役を演じられるのは、とてもやりがいのあることですが、あまり気負わず、ラフな気持ちで臨めればと今は思っています。

-昨年の「23階の笑い」でも三谷さんと組んでいますが、三谷さんの印象は?

 役者のことがすごく好きな方なんだなと思いました。稽古では、多くは語らず、放置しておいて、役者たちがどう面白くなるのか見ている姿が印象に残っていますが、それもきっと役者を好きだからこそのやり方なのかなと思います。

-前回の舞台で三谷さんにどんなところを引き出してもらったと思いますか。

 三谷さんのコメディーは細部まで計算されている部分と、その場で生まれる笑いがうまく融合していると思います。「23階の笑い」でも、自由にやってくださいというシーンもあって、そのシーンでは毎公演違うものをお見せしていました。そういうやり方を経験したことで、コメディーのやりがいや難しさを感じられました。

-今回、コロナ禍での上演となりますが、コロナ禍におけるエンターテインメントや舞台についてどんなことを考えていますか。

 こういった状況の中でも、わざわざお金を払って見に来てくださる方がいらっしゃるということが、まず幸せなことだと思いますし、エンターテインメントはどんな状況でも求めている方がいることを実感することができます。皆さんから「楽しみにしています」とか「無事に公演できることを祈っています」という言葉を頂くたびに、稽古を頑張ろうと思いますし、支え合ってやっていくしかないと気持ちも新たにできます。もちろん、コロナ禍でできないこともありますが、今できることを見つけて、立ち止まらずにやっていけたらと思っています。

-映像作品でも活躍している瀬戸さんですが、舞台に出演することでどんなものを得られると考えていますか。

 僕にとっては「出会い」が一番大きいです。舞台に参加したことで出会った人たちは僕にとってかけがえのない人たちです。

-では、舞台と映像の違いや、それぞれの魅力は?

 一番大きな違いはもちろん、生(なま)かどうかだと思います。舞台は、お客さまが入って初めて完成するものです。その日によってお客さまの空気感も毎回、違うんですよ。「23階の笑い」でも、同じことをやっても笑いが起こったり、起こらなかったり、その日によってお客さまの反応が全く違いました。それは、面白いところでもあり、怖いところでもあります。それから、一つの作品や役に対して、携わっている時間が長いので、じっくりと向き合えるというのも舞台の魅力だと思います。映像には映像にしかできない見せ方や間(ま)の取り方があると思いますし、小さな動きだけでも表現できるという利点もありますが、僕自身は映像だから、舞台だからと芝居を変えているつもりはありません。

 
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