【インタビュー】舞台「ネバー・ザ・シナー -魅かれ合う狂気-」恋人同士役の辰巳雄大&林翔太「恋人としてめちゃくちゃ相性がいいと思う」 演出・君塚良一「2人がいれば勝ったも同然」

2021年6月27日 / 10:05

 辰巳雄大が主演する、舞台「ネバー・ザ・シナー-魅かれ合う狂気-」が、9月2日から上演される。本作は、天才と呼ばれた、恋人同士の大学生が、実業家の息子を誘拐して殺害し、終身刑プラス99年の懲役刑を受けた「ローブとレオポルド事件」を原作とした作品。リチャード・ローブ役の辰巳雄大、ネイサン・レオポルド役の林翔太、そして演出の君塚良一に、本作に懸ける意気込みを聞いた。

舞台「ネバー・ザ・シナー-魅かれ合う狂気-」

-まずは、辰巳さんと林さんにお聞きします。お二人は、この事件をご存じでしたか。

辰巳 この事件は、ミュージカル「スリル・ミー」という作品の原案にもなった事件なのですが、僕はその作品を通して知りました。天才で頭の切れる2人が、突発的な殺し方をしているというのが興味深かったです。「完璧な犯罪を起こしてやろうぜ」と言っているのに、殺し方はすごく子どもっぽい。それに、2人は「僕たちは完璧だ」と思っているから、「僕らはバレない」ってなぜか自信を持っている。そのバランスの悪さに興味を持ちました。

 僕は、今回、台本を読ませてもらった後で、実話だったと教えていただくまで知りませんでした。本当にこんな2人がいたというのが衝撃的でしたし、どうしてそんな事件を起こしたのか、どうしてこんな人間が出来上がったのか、すごく興味が湧きました。これから事件のことについても、いろいろと調べて、しっかりと自分の中に落とし込んで演じたいと思っています。

-恋人同士という役柄を演じることについては、率直にどんな気持ちですか。

辰巳 僕たちは、若い頃、同じグループだったんですよ。当時は、振り覚えが早い翔ちゃん(林)に教えてもらったり、練習に付き合ってもらったりしたので、そのときのことを思い出して、一緒にお芝居できるのが今、すごく楽しみなんです。今日(取材当日)、ビジュアル撮影をして、翔ちゃんが僕の動きにすぐに反応してくれたり、逆に翔ちゃんから動いてくれたりしたので、すでにワクワクしています。僕は、演劇をやるに当たっては、決められたお芝居を見せるよりも、稽古を通してその役の生き方を決めて、舞台上でその役として生きることが大切だと思っています。翔ちゃんとはそれが完璧にできると思います。

-では、恋人としてありですか。

辰巳 もちろんありです(笑)。きっと、恋人としても相性がめちゃくちゃいいと思います。僕が自由にやっていても、翔ちゃんは全て受け止めてくれると思う。

-林さんは、恋人として辰巳さんのことはいかがですか。

 安心感しかないですし、付いていこうという感じです。僕も恋人としてめちゃくちゃありですよ(笑)。

辰巳 見てくれるお客さまをドキドキさせるためには、まずは僕たちがドキドキし合わないといけないと思うので、僕はローブとして、毎日、レオポルドを誘惑していきたいと思っています。

 僕もお芝居をするのが楽しみです。レオポルドとして、どうしたらもっとローブが輝くのかを考えて、どんどんぶつけていきたいなと思います。

-昔から知っている仲だけに、照れくささはないですか。

辰巳 実は、ビジュアル撮影をするまでは、どうなるか分からないと思っていたんです。でも、実際に撮影したら、全然恥ずかしくなかった。僕、(カメラマンから要望されれば)キスできましたよ。むしろ、しそうだった(笑)。

 全然いけちゃいますよね(笑)。すでに距離感がかなり近かったと思います。

-先ほど、お話にもあったミュージカル「スリル・ミー」も同じ事件を原案にしていますが、この作品ならではの魅力はどこにありますか。

辰巳 「ネバー・ザ・シナー」は、ローブとレオポルドという役名が実名であることからも分かるように、いい意味で美化していない、人間のリアルな“あら”も描かれています。だからこそ、よりリアリティーが必要だと思いますし、見ている方には、犯罪者となってしまった2人の魅力的な部分も感じていただけるように演じられたらと思います。それから、ローブとレオポルドの事件をメインとしていますが、彼らを取り巻く登場人物たちにもスポットを当てていて、彼らの正義がぶつかり合う人間模様がしっかりと描かれている作品でもあると思います。

 ストレートプレーなので、重い作品だと思われがちですが、台本を読み終えたとき、重たい後味が残るわけではありませんでした。作品としてすごく面白いし、何かを感じ取っていただけると思います。お客さまが、ローブとレオポルドのファンになるぐらい、リアルに演じられたらと思います。

 
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