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草なぎさんには、ものすごく独特の緊張感があります。現場にいる姿が自然で、作られたものではなく、慶喜としてそこに存在している。まさに「慶喜として生きている」という表現がぴったり。だから、待ち時間にお話しすることもなく、お芝居で会話しているような感じです。人柄やお芝居を含めて、そういう空気感を「すてきだな…」と思いながら見ています。
所作に関しては何も知らなかったので、クランクイン前、所作指導の先生から将軍としての姿勢や歩き方、手の置き方などをご指導いただきました。現場では、分からないことがあれば、その都度、先生に聞きながら、一緒に家茂を作り上げていっています。ただやっぱり、難しいです。所作イコール制限、と考えがちで、日常的な動きができなくなり、やりづらさを感じる部分もありますから。とはいえ、所作をこなすために一番大事なのは、そのときの家茂の感情。そういう意味では、気持ちがきちんとできていれば、所作も問題なくできるのかな、と。難しいですが、新しい発見もあって楽しいです。
いつの時代も大事なのは、将来のある人がどんな人と出会い、どんな言葉をもらって大人になっていくのかということ。そういう出会いが、「青天を衝け」の大きな魅力ではないでしょうか。その点で言えば、渋沢栄一がどんな人と出会っていくのかに注目してほしいですね。ただ、僕(=家茂)は会う機会がなかったのがやや残念です。もう一つ後の将軍だったら会えたのかも…なんて思ったりしています(笑)。
(取材・文/井上健一)
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