【インタビュー】「WOWOWオリジナルドラマ 向こうの果て」松本まりか 「殴りたい衝動に襲われた」体当たりで挑んだDVシーンを語る

2021年5月14日 / 07:11

-本作では、三味線を弾くシーンにも挑戦しました。初めての三味線だったそうですね。

 弾いたことがなかったので、すごく練習しましたが、どんどんできるようになっていくので面白かったです。お稽古にもかなり通って、本当に頑張って練習しました。それで、いよいよ本番となった時、公平と一緒に弾くシーンを撮影したら、松下さんがとてもうまかったんです。それまで、お稽古では、皆さんからよくできてると言われていたので、「私、才能あるのかな」なんて思っていたんですが(笑)、松下さんはたった3回の稽古で私よりも全然上手に弾いていらして…。その瞬間、私、律子を演じることも忘れて驚いてしまいました。あまりにも松下さんがお上手だったので、ショックで(笑)。楽器のお話で言えば、松下さんが現場にあったピアノを弾いてくださったこともありました。その姿が尾崎豊さんみたいだったのでそう伝えたら、「I LOVE YOU」を歌ってくれたんですよ。私、松下さんが歌手でもあることを知らなかったので、歌もうまいし、ギターも三味線も弾けるし、なんなんだろうこの人ってびっくりしました(笑)。でも、私はそれを遠くからぼんやりと見ていて、そのときに、きっとこういう瞬間が律子と公平にもあったんだとも感じました。待ち時間の本当にたわいもない一瞬でしたが、初めて癒やされた瞬間でもありました。

-本作を通して視聴者にどんなメッセージを伝えたいですか。

 きれいごとではないということかな。昭和に比べたら今の時代は全てにおいて洗練されていると思います。人間的な欲求や本能は、実はみんなが変わらず持っているものですが、今はそれが分厚い皮で覆われているように隠されている気がします。そうして隠されている状態が、あたかも本来の自分であると錯覚していて、いいところだけを見ようとしていると感じます。でもこの作品では、きれいなだけではない世界を見せています。この作品を見ることで、今まで目をつぶっていたところまでまざまざと見せつけられると思います。同時に、生きている人間そのものの真の美しさも見てもらえると思います。ズタボロに生きて、何も持っていなくても、人間は美しくいられるということに気付かされます。恋人を殺す女性のどこに共感できるのかと思うかもしれませんが、ズタボロの中でもその美しさを見いだされたら、どんな人のことでも分かってあげられるのかもしれない。今の時代だからこそ、目をふさぎたくなるような作品を見ることにも意味があるんじゃないかなと思います。

(取材・文・撮影/嶋田真己)

「WOWOWオリジナルドラマ 向こうの果て」

 「WOWOWオリジナルドラマ 向こうの果て」は、5月14日から毎週金曜午後11時にWOWOWプライムで放送、WOWOWオンデマンドで配信。TELASAでは、各話放送終了後に配信。

公式サイト https://www.wowow.co.jp/drama/original/mukounohate/

 

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

山下リオ「それぞれの愛の形を、まざまざと見せつけられるような映画になっていると思います」『遺愛』【インタビュー】

映画2026年6月30日

-「愛か呪いか」が、この映画のキャッチコピーになっていますが、それについて、演じながらどのように感じましたか。  本当にその通りだと思います。愛とか呪いとか、一応名前は付いていますけど、それって、立体造形にしたら同じものができる可能性がある … 続きを読む

塩野瑛久「中島健人さんへのリスペクトがさらに増しました」ラブコメディで初共演『ラブ≠コメディ』【インタビュー】

映画2026年6月29日

-劇中では、麗司や颯真が人や作品との出会いを経て成長していく姿が描かれています。俳優として数々の出会いを経験してきた塩野さんにとって、最近ではNHKの大河ドラマ「光る君へ」(24)への出演も大きな出会いだったと思います。放送から2年がたち、 … 続きを読む

横山裕「人間ドラマが色濃く描かれていて、物語に一気に引き込まれる」 関水渚「横山さんが演じる磯貝さんとの掛け合いの面白さを楽しんで」 水ドラ★イレブン「今夜もシリアルキラーと待ち合わせ」【インタビュー】

ドラマ2026年6月29日

  -これからの暑い季節の撮影で大変なことも多いと思いますが、暑い中での撮影で心がけていることはありますか。 横山 10年前にも同じスタッフさんと一緒にドラマを作ったのですが、そのときはスーツで。それもめちゃくちゃ大変だったんですが、今回は … 続きを読む

藤井流星「コメディーがやりたい」 西田征史と6年ぶりのタッグで挑むROLL((CAKE))TIME【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年6月27日

 藤井流星が主演を務める舞台、ROLL⦅CAKE⦆TIMEが7月6日から上演される。本作は、藤井が脚本・演出の西田征史と2020年のドラマ&舞台「正しいロックバンドの作り方」以来6年ぶりにタッグを組む、完全オリジナルのハートフルサスペンスコ … 続きを読む

【映画コラム】『Michael/マイケル』から、マイケル・ジャクソンのMVを振り返る

映画2026年6月26日

 「スリラー」以降のマイケルのMVのキャリアは、「映画監督と組んで映像表現の限界を押し広げた歴史」そのものだった。  「今夜はビート・イット」(83)の監督はボブ・ジラルディ。本物のギャングたちが撮影に参加し、『ウエスト・サイド物語』(61 … 続きを読む

page top