【インタビュー】舞台「熱海五郎一座」新橋演舞場シリーズ第7弾 横山由依「初めての挑戦となる喜劇」ジャズドラムも初披露

2021年5月13日 / 08:00

 熱海五郎一座「Jazzy(じゃじぃ)なさくらは裏切りのハーモニー ~日米爆笑保障条約~」が5月30日から、新橋演舞場で上演される。本作は、“東京の笑い”を継承すべく、2006年に三宅裕司を座長として旗揚げした「熱海五郎一座」の新橋演舞場シリーズ第7弾。20年6月に上演予定だったが、新型コロナウイルスの影響を受けて中止となった。今回は、三宅をはじめ、渡辺正行、ラサール石井、小倉久寛、春風亭昇太、東貴博、深沢邦之といった一座のメンバー、そしてゲストの紅ゆずる、横山由依ら、中止公演に参加予定だったキャストが再集結。太平洋戦争終盤のサンフランシスコを舞台に、連合国と日独の戦いに翻弄(ほんろう)される日系ミュージシャンの姿を、笑いと音楽と感動たっぷりの物語で描く。横山に、久しぶりの舞台公演への意気込みや本作の見どころを聞いた。

横山由依(ヘアメイク:大場聡美/スタイリング:林峻之)

-今回、改めて上演が決まったときの気持ちを教えてください。

 昨年、中止になってしまったときにすごく悲しかったので、今年上演できると決まってうれしかったです。この作品では、私はジャズバンド「ザ・ツインズ」のメンバーという役どころなのですが、昨年、中止が決まったときには、すでにバンドの練習もスタートしていたんです。なので、余計に絶対にもう一回という思いが強くあったので、公演が決まったときは心から喜びました。

-再び練習がスタートし、久しぶりの再会では、どんな話をしましたか。

 お互いに「元気でしたか?」って(笑)。やはり、こういったご時世なので、皆さんが健康で元気でいるかなというのは、私もすごく気になっていたんです。同じように三宅さんたちも気にしてくださっていたと聞き、うれしかったです。

-今回、横山さんが演じるアキバという役柄について教えてください。

 物語のキーとなる人物なので、明かせないところばかりで、こういう人物ですと説明するのが難しいんです(笑)。ただ、私にとって初めての挑戦となる役です。座長は「2倍大変な役」だとおっしゃっていました。いろいろと勉強しなくてはならないことも多く、大変だとは思いますが、楽しみでもあります。

-ジャズバンドではどのパートですか。

 ドラムをやります。昔、ドラムを習っていたことがあるのですが、そのときはロックやポップスだったので、今回のジャズドラムとはたたき方が違ったんです。なので、スティックの持ち方から三宅さんに教えていただきました。ジャズはすごく難しいですが、バンドも楽しく練習しています。

-2倍大変な役柄、そしてジャズバンドのドラムと、横山さんにとって挑戦の多い作品になると思いますが、どんなところを意識して演じたいと思っていますか。

 物語においても重要な役どころでもあるので、想像力を膨らませて演じていけたらと思っています。それから、私にとっては喜劇を舞台でやらせていただくのが初めてなので、そういう意味でも思い切って演じたいと思います。三宅さんが「本番をやりながらも、お客さんの反応を見て変えていく」とおっしゃっていたので、私も臨機応変に対応していけたらと思っています。きっといつもの自分とは違う一面も見せられると思います。

-普段はAKB48として活動されていますが、外部の舞台公演に出演することの魅力はどこに感じていますか。

 もちろん、どちらも大好きなのですが、AKB48に加入してから今年で12年目になるので、グループの中でのルールや、そこでの常識が無意識に染みついている部分はあると思います。なので、こうして舞台に出演して、さまざまな方と関わることで、自分の新しい可能性が見えてくるように思います。これまで自分で制限をかけてしまっていたんだなとか、もっと自由にやっていいんだとか、自分自身が楽しんでやることが大事なんだとか、自分に足りない部分がどんどん見えてくるんです。アイドル歴が長くなってくると、アイドル活動の中で悔しいと思う瞬間が、初めの頃より減ってくるんです。でも、舞台では学びばかりなので、たくさん貴重な経験をさせていただけます。今回の舞台はベテランの方ばかりなので、特に楽しみです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

高橋克典「これは吉良の物語でもあるのだと感じていただけるような芝居をしたい」 堤幸彦「『忠臣蔵』は、演劇的に言えば1丁目1番地的な作品」 舞台「忠臣蔵」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月10日

 元禄時代に実際に起こった仇(あだ)討ちを題材に歌舞伎などで取り上げられて以来、何度もドラマ化、映画化、舞台化されてきた屈指の名作「忠臣蔵」が、上川隆也主演、堤幸彦演出によって舞台化される。今回、吉良上野介を演じるのは、高橋克典。高橋はデビ … 続きを読む

生田斗真が驚きの一人二役!「最初から決まっていたわけではありません」制作統括・藤並英樹氏が明かす舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月8日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、まもなくクライマックスを迎える。謎の絵師“写楽”が、蔦重の下で歌麿(染谷将太)ら当 … 続きを読む

板垣李光人「最初から、戦争を考えて見るのではなく、実際に見て感じたことを広めていっていただければ、それが一番うれしいです」『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』【インタビュー】

映画2025年12月5日

 戦争がもたらす狂気を圧倒的なリアリティーで描き、第46回日本漫画家協会優秀賞を受賞した武田一義の戦争漫画をアニメーション映画化した『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』が12月5日から全国公開された。太平洋戦争末期、激戦が繰り広げられたペリリ … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(8)百年ぶりの復活へ 四代目が掲げた三つの大願

舞台・ミュージカル2025年12月4日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。    2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む

多部未華子「学びの多い現場でした」DV被害者役に挑んだヒューマンミステリー「連続ドラマW シャドウワーク」【インタビュー】

ドラマ2025年12月1日

 WOWOWで毎週(日)午後10時より放送・配信中の「連続ドラマW シャドウワーク」は、佐野広実の同名小説を原作にしたヒューマンミステリー。  主婦の紀子は、長年にわたる夫の暴力によって自己喪失し、すべて自分が悪いと考えるようになっていた。 … 続きを読む

Willfriends

page top