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松本まりかが連続ドラマに初主演する「WOWOWオリジナルドラマ 向こうの果て」が5月14日から放送される。本作は、ドラマ・舞台・小説の三つのコンテンツで展開されるオリジナルシナリオの連動プロジェクト。昭和60年の東京を舞台に、放火殺人を犯したとされる池松律子(松本)の数奇な人生と、彼女を取り巻く男たちの姿を描く。松本に、律子を演じて感じたことや役作りについて聞いた。
監督の初長編作品が私の映画デビュー作で、監督が初ドラマを撮ったときに私は初ヒロインをやらせていただいて、監督が『ミッドナイトスワン』で日本アカデミー賞を受賞されたタイミングで私の初主演連ドラも撮っていただいた…と、すごく巡り合わせを感じています。私は仕事がない時期もあったので、映画や連ドラの主演には、口にも出せないぐらいの憧れがありました。ですので、まるで夢のような話で、しかも(自分の)環境が激変していく中で、駆け上がっていく内田監督とご一緒できるのは、運命的なものを感じます。
律子についてどんな女性なのか考えてはみたのですが、この人の奥深さは私には到底分かり得るものではないと思いました。なので、私の中だけの想像よりも、自分の外にあるものを信じようと思いました。私自身は無でいること、考えないこと、ゼロでいること、白でいること。そして、現場で本能的に感じた芝居や、その時に心から湧き出た感情などの衝動的な表現で演じました。 私がやったことといえば、自分が平成や令和という時代を生きてきたことで染み付いた「楽さ」や「生ぬるさ」を排除したことです。今の時代は、物質的に豊かです。でも、劇中ではもっと厳しい環境にさらされて、本能的に生きる姿が描かれています。なので、地をはいつくばって、生きることに必死な状態を作ることが重要だと思いました。いかに深度を深くして、人間そのものを表すかを大切にしました。
DVシーンは、台本を読んでも、なぜ律子は公平を殴るのか分からなかったんです。でも、実際に公平と初めて対峙(たいじ)したときに、不思議と殴りたい衝動に襲われました。彼はものすごく愛情深い目で見てくれるのですが、その視線に拒絶反応が出るんです。見ないでほしい。だから、手が出てしまうんです。それは、きっと松下さんとの演技だったから生まれたんだと思います。松下さんとは、今回初共演で、現場でもほとんどお話をしていませんが、つねに隣にいてくれました。それが、すごく安心できる反面、こんな私の近くにいないでという気持ちにもさせてくれました。彼がそういう気持ちを引き出してくれた。現場で感じたことを表現できたすごく貴重な現場になりました。
いや、私はまだ律子のことは分かっていないと思います。ただ、(演じたことで)その時々に律子がどういう感情になったのかは分かりました。なので、「律子はこれです」と思って演じてはいません。その時々で感じたことを表現したものを撮ってくださった。その場で感じたままを演じました。それは、これまでの作品とは違う表現の仕方だったと思います。ですが、不安で不安で仕方ないというような状態は撮影を終えても長らく続きました。律子の不安なのか、私自身の不安なのかは分からないのですが…。
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