【インタビュー】Huluオリジナル「息をひそめて」村上虹郎「僕はコンプレックスだらけ」“2世”としての思いを吐露

2021年4月23日 / 10:00

-劇中には、心平が学歴や育ちにコンプレックスを抱いていることが分かるシーンも登場しますが、村上さん自身はコンプレックスはありますか。

 僕、コンプレックスだらけですよ。例えば、顔が小さいこともコンプレックスです。やっぱり、スクリーンではがたいが良くて、顔も大きい方が映えるんです。もちろん、自分の持ち得ている中性的な部分などは、僕の良さでもあるとは思いますが、物理的に男っぽいものに憧れます。

-そうしたコンプレックスは、自分の中でどう消化しているんですか。

 前世や来世があるのかは分かりませんが、とりあえず、今世はこれなんだなって。自分は憧れるものが多過ぎるんだと思います。僕は、親が好きですし、親の表現も好きですし、親の子どもであることを誇らしく思ってはいますが、それと同時に名無し草からやりたかったなと思うんですよ。役者だけじゃなく、音楽もそうですし、さまざまな職業で世襲はありますし、ある意味、人は全員何かの世襲ではあると思うんですが、芸人さんには世襲がほとんどないんです。それが一つの答えなのかなと思います。映画『ソワレ』で共演した芋生悠さんという女優さんは、熊本の畳屋さんの娘で、あるきっかけがあって映画を愛して、演劇を愛して、その思いを抱えて東京に出てきて女優になったそうです。そういう話を聞くと、やっぱり憧れます。そういう話を聞きたい、って。普段、結果的に2世で集ってしまうことが多いんです。だからこそ、僕とは違う環境の人の話を聞きたいんです。

-最後に作品を楽しみにしている人たちにメッセージを。

 中川龍太郎氏をご存知ない方は、これを機にぜひ知っていただけたらと思います。そして、今回の企画は、とても新しいものだとも思います。映画とエンターテインメントは二極化している部分があったので、こうした動画配信サービスでそういった垣根をなくして、一つの作品として作られるのは面白い。どこの出身だとか、どこでやっていたとかは関係ない。Huluをはじめとした動画配信サービスが、そういうフィールドになっていると思います。そういうフィールドがやっと日本にも現れたので、これからはきっと楽しい世界になると思います。それをぜひ目撃してください。

(取材・文・写真/嶋田真己)

Huluオリジナル「息をひそめて」

 Huluオリジナル「息をひそめて」は4月23日からHuluで一挙独占配信スタート。

公式サイト https://www.hulu.jp/static/ikiwohisomete/

 

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(9)浅間神社で語る「厄よけの桃」

舞台・ミュージカル2025年12月18日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。  前回は、玉田家再興にあたり「三つ … 続きを読む

石井杏奈「人肌恋しい冬の季節にすごく見たくなる映画になっています」『楓』【インタビュー】

映画2025年12月17日

-実際に福士さんと共演してみていかがでしたか。  とてもすてきな方で、待ち時間にちょっとお話できたんですけど、すごく温厚な方でした。お芝居に関してはすごく真面目でストイックで、「このせりふはこうやって言ってみるのもありかも」というような優し … 続きを読む

染谷将太 天才絵師・歌麿役は「今までにない感情が湧きあがってきた」 1年間を振り返る【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月15日

-ご自宅でも絵の練習をされたそうですね。  台本が来るたびに絵を担当するチームとの打ち合わせがあり、練習用の絵が並んだ計算ドリルのようなプリントを数十枚いただくので、それを自宅に持ち帰り、宿題のように繰り返し描いて練習していました。 -歌麿 … 続きを読む

「べらぼう」ついに完結! 蔦重、治済の最期はいかに生まれたか?「横浜流星さんは、肉体的にも作り込んで」演出家が明かす最終回の舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月14日

-治済役が大きな話題となった生田さんについて、撮影を通じて感じた俳優としての魅力を教えてください。  生田さんで印象に残っているのが、何事にも動じないことです。常に泰然自若として、変なクセを出さない。ある意味、視聴者に想像させるようなキャラ … 続きを読む

稲垣吾郎「想像がつかないことだらけだった」ハリー・ポッターの次は大人気ない俳優役で傑作ラブコメディーに挑む【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年12月13日

 稲垣吾郎が、2026年2月7日から開幕するPARCO PRODUCE 2026「プレゼント・ラフター」で傑作ラブコメディーに挑む。本作は、劇作、俳優、作詞、作曲、映画監督と多彩な才能を発揮したマルチアーティスト、ノエル・カワードによるラブ … 続きを読む

Willfriends

page top