【インタビュー】Yellow/新感線「月影花之丞大逆転」いのうえひでのり&古田新太 劇団☆新感線が挑む「この時期ならではの」新作公演

2021年2月4日 / 08:00

 2021年劇団☆新感線 41周年春興行 Yellow/新感線「月影花之丞大逆転」が2月26日から上演される。劇団☆新感線(以下、新感線)は、出演者・スタッフを合わせると100人規模のカンパニーで作品を作り上げる大掛かりな公演が魅力だが、コロナ禍の今、同じ規模での公演を行うことは難しい。そこで、今回、「Yellow/新感線」と銘打ち、新たな形で作品が作られた。演目は「月影花之丞大逆転」。演出のいのうえひでのり、そして主演の古田新太に、公演の概要や、作品の見どころ、公演への意気込みを聞いた。

古田新太(左)と、いのうえひでのり

-今回、「Yellow/新感線」として公演に至った経緯を教えてください。

いのうえ 通常の新感線の公演では、関わるスタッフ・キャストも多く、公演も長期間にわたり、上演時間も長いので、それは今の状況にはそぐわないと思い、昨年の夏頃から企画を練り直していました。そこで、この時期ならではのものができないかと考え、少人数のカンパニーで、なおかつ笑える面白いものをと急きょ立ち上げたのがこの公演です。その時点で、すでに先々までのキャスティングは決まっていたので、メインの方にはそのまま出ていただけるようにということも踏まえた上で、木野(花)さんが演じた、(「ガラスの仮面」のオマージュとして1996年と2003年に上演した)「花の紅天狗」の月影花之丞というキャラクターを中心としたスピンオフにしよう、と。そこで、(座付き作家の)中島(かずき)くんと話し合った結果、今回の形になりました。

-古田さんは、今回の演目を聞いて、どう感じましたか。

古田 楽しみです。阿部(サダヲ)とは久しぶりの共演ですし、文ちゃん(浜中文一)とやっと共演できる。木野さんのことは守ってあげないといけないですし! ですが、最初に伝えておきたいのは、「花の紅天狗」とは違い、マヤ的な人や亜弓さん的な人は出てきません。今回は(木野が演じる)月影先生を第一に考えた作品です。「ガラスの仮面」は本来、マヤがいて、それに対抗する亜弓さんがいる。月影先生は最大のスパイスで、カレーにおけるクミンみたいな人なんですよ。でも、今回はクミンしか出ない(笑)。それを大前提に考えて見に来ていただければ、ある程度楽しめるんじゃないかなと思います(笑)。

-浜中さんとは、以前から共演したかったんですか。

古田 (浜中が)以前に出演していた舞台で、きれいな顔をして下品なことを平気でやっていたのを知って、興味が湧いたんです。関ジャニ∞の横山(裕)や大倉(忠義)にリサーチしたら、「あいつはいいやつだし、何でもやりますよ」って言っていたんで、楽しみにしてます(笑)。

-今回、月影先生をメインとしたストーリーになるということを聞いた、木野さんの反応は?

いのうえ  月影先生を演じるときは、木野さんはつねに死に物狂いです。やはり、大変な役だと思います。今は、初演から18年たっていますから、年齢もさらに進み、より大変だとは思いますが、体を鍛えているとおっしゃっていたので、すでに臨戦体勢でした。特にこういった時期なので、木野さんだけでなく僕たちも、余計に健康には気を使わないといけないと思っています。無事に終わることをまず第一に考えて、その上で楽しいお芝居ができればいいなと思います。

-浜中さんに加え、西野七瀬さんもゲスト出演します。若手のお二人には、どんな役割があるのですか。

いのうえ 七瀬さんは、この話のキーワードになっていると思います。そのキーワードたるためには、圧倒的にかわいいという、彼女が本来持っている輝きがあってこそ、説得力を持って伝わると思うので、その魅力が出せるように頑張りたいと思います。それから、文ちゃんは、切れ味のいい、変態ぶりを発揮してもらいたい。彼はきれいな顔をしているけど、微妙にズレているんですよ(笑)。そのズレがお客さんに伝われば、またそれも面白いなと思っています。

-古田さんからお二人にこの現場でどんなことを教えてあげたいですか。

古田 今のご時世、稽古終わりに食事にも行けません。打ち上げも、一杯飲みに行くのも駄目。飲みながらどうこう話すことはできない。だらか、稽古場で、「自分たちが輝くことを考えて」ということぐらいしかアドバイスできないだろうなと思います。なるべく、稽古場でガタガタ言おうかなとは思っています。

-ところで、新感線というと大掛かりな舞台セットも見どころですが、今回の公演では?

いのうえ セット的には、いつもと変わらないと感じてもらえると思います。いわゆる「ネタもの」「音もの」をやるときに出る、伝統的な形です。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

福本莉⼦「図書館で勉強を教え合うシーンが好き」 なにわ男⼦・⾼橋恭平「僕もあざとかわいいことをしてみたかった」 WOWOW連ドラ「ストロボ・エッジ」【インタビュー】

ドラマ2025年10月31日

 福本莉⼦と⾼橋恭平(なにわ男⼦)がW主演するドラマW-30「ストロボ・エッジ  Season1」が31日午後11時から、WOWOWで放送・配信がスタートする。本作は、咲坂伊緒氏の⼤ヒット⻘春恋愛漫画を初の連続ドラマ化。主人公の2人を軸に、 … 続きを読む

吉沢亮「英語のせりふに苦戦中です(笑)」主人公夫婦と関係を深める英語教師・錦織友一役で出演 連続テレビ小説「ばけばけ」【インタビュー】

ドラマ2025年10月31日

 NHKで好評放送中の連続テレビ小説「ばけばけ」。明治初期、松江の没落士族の娘・小泉セツと著書『怪談』で知られるラフカディオ・ハーン(=小泉八雲)夫妻をモデルに、怪談を愛する夫婦、松野トキ(髙石あかり)とレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ) … 続きを読む

阿部サダヲ&松たか子、「本気でののしり合って、バトルをしないといけない」離婚調停中の夫婦役で再び共演 大パルコ人⑤オカタイロックオペラ「雨の傍聴席、おんなは裸足・・・」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年10月31日

 宮藤官九郎が作・演出を手掛ける「大パルコ人」シリーズの第5弾となるオカタイロックオペラ「雨の傍聴席、おんなは裸足・・・」が11月6日から上演される。本作は、「親バカ」をテーマに、離婚を決意しているミュージカル俳優と演歌歌手の夫婦が、親権を … 続きを読む

高杉真宙「見どころは、何よりも坂口健太郎さんと渡辺謙さんの演技だと思います」『盤上の向日葵』【インタビュー】

映画2025年10月30日

 『孤狼の血』で知られる柚月裕子の同名小説を映画化。昭和から平成へと続く激動の時代を背景に、謎に包まれた天才棋士・上条桂介(坂口健太郎)の光と闇を描いたヒューマンミステリー『盤上の向日葵』(配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/松 … 続きを読む

恒松祐里、timelesz・橋本将生の印象は「さすがタイプロのオーディションを合格された方」【インタビュー】

ドラマ2025年10月30日

 timeleszの橋本将生が主演するドラマ「ひと夏の共犯者」(テレ東系)が毎週金曜24時12分から放送中だ。本作は“推しのアイドル”片桐澪と夢のような共同生活を送る主人公の大学生・岩井巧巳(橋本)が、澪の中にいるもう1つの人格・眞希に翻弄 … 続きを読む

Willfriends

page top