【インタビュー】Yellow/新感線「月影花之丞大逆転」いのうえひでのり&古田新太 劇団☆新感線が挑む「この時期ならではの」新作公演

2021年2月4日 / 08:00

-演出面では、どのようなことを考えていますか。

いのうえ この作品は、ある劇団がお芝居の稽古をしていく中でドラマが進行していくので、いろいろなお芝居のパロディーを入れやすいんですよ。全体的にそういったネタ芝居が入っているという構造です。

古田 気をつけないといけないなと、今、思っているのは、中島さん、いのうえさんを筆頭として、うちの劇団はみんな60代50代なんですよ。だから、パロディーが古い(笑)。20代には分からないパロディーの目白押しです。

いのうえ なので、公演が始まる直前にはなんとなくうっすらと、こういうものをやりますよっていうものを出そうかな、と(笑)。これを勉強しておいたら、より楽しめますよ、とお知らせする予定です(笑)。

-古田さんは、新感線の“おポンチ”ものに出演するのは久々になりますが、それについてはいかがですか。

古田 劇団員は、そもそも歌のある“おポンチ”しかやりたくないんです。「いのうえ歌舞伎」に出たいと思っている劇団員は一人もいない(笑)。なので、今回もみんな、“面白”に向かって全力でぶつかっていくと思います。それに今回は、文ちゃんと七瀬ちゃんというすてきなゲストが来て、阿部という恐ろしい助っ人が来ます。このご時世に、勇気を出して劇場に来てくださったお客さまに残念な気持ちを与えないように頑張ろうと思います。

-改めて、公演への意気込みを。

いのうえ 新感線らしい“面白”芝居になると思います。このところ、明るく楽しい芝居が少なかったので、そういう意味では、ポップで楽しい新感線が帰ってきたと思って、楽しんでいただけると思います。

古田 2020年は、たくさんの劇団が公演中止になってしまったこともあり、今、演劇界は、少しでも明るい気持ちになっていただきたいという気持ちで動いています。ただし、ちょっといい話で面白いではなく、全然良くない話だけど楽しかったといえるのが新感線。40周年の昨年はそれができなかったので、今年こそ、そういった作品を作れたらと思っています。

(取材・文・写真/嶋田真己)

2021年劇団☆新感線 41周年春興行 Yellow/新感線「月影花之丞大逆転」

 2021年劇団☆新感線 41周年春興行 Yellow/新感線「月影花之丞大逆転」は、2月26日~4月4日、都内・東京建物 BrilliaHALL、4月14日〜5月10日、大阪・オリックス劇場で上演。
公式サイト http://www.vi-shinkansen.co.jp/yellow/

 

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

水上恒司、池田千尋監督「人間の心が一番の謎。その謎を一緒に楽しんでもらえたらと思います」『九龍ジェネリックロマンス』【インタビュー】

映画2025年8月29日

-今回は、実年齢より年上の役で年上の吉岡里帆さんの先輩役でもありましたが難しかったですか。 水上 難しかったです。30代の工藤は単純に今の自分を老けさせればいいという話でもなく、精神的な部分で年上の人間として、令子がほれるような人間像を作っ … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(2)大阪下町に生まれて

舞台・ミュージカル2025年8月28日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼講談は落ちない  「今日の話はオ … 続きを読む

原田琥之佑「この映画は、何でもあるけど、何にもないみたいなところが一番の魅力だと思います」『海辺へ行く道』【インタビュー】

映画2025年8月26日

-同年代の共演者とはアドリブでやり取りをしたこともありましたか。  奏介がテルオたちと大きなオブジェを作るシーンがあって、映画のスピードはずっとゆっくりなのに、あのシーンだけ会話のスピードが速くなるんです。そこで結構アドリブを入れたんですけ … 続きを読む

上田竜也&橋本良亮、舞台初共演を通して「絆はより強固になる」 音楽劇「謎解きはディナーのあとで」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年8月26日

-皆さんの歌唱シーンもあるのですか。 橋本 それはもちろん、ちょくちょくあります(笑)。歌います。アンサンブルの方と一緒に歌うシーンもありますが、ミュージカルではないんです。バックに流れていて、それに合わせて芝居していくという形だと思います … 続きを読む

青山貴洋監督「問診シーンが最大の課題に」日曜劇場『19番目のカルテ』【インタビュー】

ドラマ2025年8月25日

 また、原作から得た気付きも大きいという。「原作には、読者の感情を揺さぶる瞬間が描かれています。それがどこにあるのかを探りながら、ドラマにもそのエッセンスを取り入れるようにしています」。  原作の短編では、百々がさまざまな医療機関を受診して … 続きを読む

Willfriends

page top