エンターテインメント・ウェブマガジン
生瀬勝久、池田成志、古田新太が「今、一番やりたい芝居を、自分たちの企画で上演したい」という思いで結成された“ねずみの三銃士”による、「PARCO劇場オープニング・シリーズ“ねずみの三銃士”第4回企画公演『獣道一直線!!!』」が10月6日から開幕する。これまで同様、“ねずみの三銃士”発案のネタをベースに、宮藤官九郎が新作として書きおろし、河原雅彦の演出で上演する本シリーズ。今回は、面識のない独身男性3人が次々と殺害された事件を、ブラックな笑いを交えながら描く。本作の基ネタとなったアイデアを出したという古田に、本作への思いや見どころを聞いた。
やっぱり面白いです。稽古もストレスがなくできています。(山本)美月ちゃんは、舞台の経験があまりないので、河原くんが丁寧に演出をつけているところですが、ほかの人間に関しては、ほぼ野放しなんで(笑)。
そもそも、三銃士ではおいらが最初のアイデアを出すことが多いんです。「埼玉の保険金殺人やろうぜ」とか、「北九州の監禁事件をやろうぜ」とか。今まで凄惨(せいさん)な事件の話ばかりやっているから、今回、生瀬さんと成志さんは、いい話をやりたかったみたいですけど、おいらは「木嶋佳苗とか筧千佐子とかの事件をやらない?」って。周りから見たら、特別に美しいわけではない女性に、なぜほれてしまうんだろう、と疑問に思う事件だと思います。でも、きっとほれた人たちには、別人のように見えているんじゃないかと思って、それを舞台では女優が途中で入れ替わるという形でやりたかったんです。今回、(池谷)のぶえちゃんが出てくれることになったので、同じ年ぐらいの女優さんを探して、と思っていたんですが、宮藤くんから「いっそ、めちゃくちゃ若くてきれいな女優さんにした方が面白くないですか」ってアイデアが挙がって、それで美月ちゃんにお願いしました。
はい。『マーダー・ケースブック』を全部持っているぐらいですから(笑)。事件もののノンフィクションの本は必ず買っちゃうんです。自粛期間中は、仕事がないから、昼から飲んで、夕方から夜までは、ずっとニュースを見ていました。そのぐらい、事件には興味があるんです。でも、テレビのニュース番組だと、犯人が捕まると、それ以降の報道はほとんどされないんです。おいらは、その後の犯罪者がどうなったのか、彼らの心理は? 捕まって本当に後悔しているのか、そういうのが知りたい。おいらにとっては、そういう事件はものすごく不可解な出来事だから。どういう心理状態でそうなったんだろうっていうのに興味があるからやりたいんです。おいらのところの劇団(劇団☆新感線)は、チャンバラ劇団で、勧善懲悪の痛快劇をお客さんに見てもらって、「面白い」「格好良かった」って言ってもらいたいから、チャンバラをやっているんですけど、おいらとしては、本来、人を殺すというのはもっと大変なことだろうな、と考えているから、三銃士では人を殺す大変さというものもお伝えしたいな、と。
いや、それはない。だから、ギャグにしちゃうんです。当事者にとっては、そういった事件は本当に大変なことですが、はたから見たら、人の物を盗んだり、人をあやめることは、愚かしくて滑稽なことでもある。それをみんなでゲラゲラ笑って見ている状態というのは、面白いことでもあるし、同時に恐ろしいことでもあると思います。コメディー作品に仕上げているから、もちろん、おいらたちは笑わせにかかるんですけど、裏では「みんな、笑っているけど、これ実際に起こった事件だからね」って思いがある。それをフィクションと呼ぶのか、悪趣味と呼ぶのかは分からないですが。生瀬さんと成志さんは、悪趣味だって言っています(笑)。でも、別に、どのようにこの芝居を見てもらってもいいんです。問題提起をしようなんて気持ちはさらさらないですから。
はい。1回配信で芝居はしましたけど、お客さんに入ってもらうのは久しぶりです。やっぱり、おいらのような芝居をやっていると配信はきつい(笑)。笑わせにいっているのに、そこに誰もいないから笑いがないんです。泣ける芝居はいいんですよ。でも、おいらたちは基本的にふざけているから、誰もいないところでふざけることがどれほどむなしいか(笑)。でも、今回は、半分とはいえお客さんがいますし、今は、劇場の、演劇の灯を消さないようにしないといけないという思いもあります。「まだやろうとしてますぜ」って。今回は、くだらないアイデアはまだまだあるってことを発信できたら、それでいいかなと思っています。めったに行かない地方にも行くので、劇場でのお芝居を楽しんでもらえたらいいです。でも、今は、飲みに行くのもはばかられるからね…。稽古終わりにも、誰も飲みに付き合ってくれない(苦笑)。
ドラマ2025年7月5日
韓国の百想芸術大賞で作品賞、脚本賞、男性最優秀演技賞の3冠を達成した極上のサスペンス「怪物」。WOWOWが世界で初めてそのリメイクに挑んだ「連続ドラマW 怪物」(全10話)が、7月6日(日)午後10時から放送・配信スタート(第1話・第2話 … 続きを読む
ドラマ2025年7月5日
7月13日(日)にスタートする、松本潤主演の日曜劇場「19番目のカルテ」(TBS 毎週日曜夜9時~9時54分)。原作は富士屋カツヒト氏による連載漫画「19番目のカルテ 徳重晃の問診」 (ゼノンコミックス/コアミックス)。脚本は、「コウノド … 続きを読む
映画2025年7月4日
第42 回吉川英治文学新人賞を受賞した武田綾乃の小説を原作にした鮮烈な青春映画『愛されなくても別に』が、7月4日公開となる。浪費家の母(河井青葉)に代わってアルバイトで生活を支えながら、奨学金で大学に通う主人公・宮田陽彩が、過酷な境遇を受 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年7月4日
2019年に宝塚歌劇団を退団して以降、今も多方面で活躍を続ける紅ゆずる。7月13日から開幕する、ふぉ~ゆ~ meets 梅棒「Only 1,NOT No.1」では初めて全編ノン・バーバル(せりふなし)の作品に挑戦する。 物語の舞台は歌舞 … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年7月3日
グローバルな広がりを見せるKカルチャー。日韓国交正常化60周年を記念し、6月28日に大阪市内で上演された「職人の時間 光と風」は、数ある韓国公演の中でも異彩を放っていた。文化をただ“見せる”のではなく、伝統×現代、職人×芸人、工芸×舞台芸 … 続きを読む