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土曜ドラマ「六畳間のピアノマン」が、2月6日午後9時から毎週土曜日にNHK総合で放送される(全4回、27日のみ9時10分開始)。本作は、安藤祐介の『六畳間のピアノマン(改題:逃げ出せなかった君へ)』が原作。ビリー・ジョエルの名曲「ピアノ・マン」を動画投稿サイトで歌う「六畳間のピアノマン」を名乗る青年と、彼と関わりを持った人々の人生模様を四つの物語で描く。第1回の主人公・村沢憲治を加藤シゲアキ(NEWS)が演じる。ピアノマンこと夏野誠(古舘佑太郎)の元同僚の村沢は、8年前に上司のパワハラで悩む夏野を救えなかった過去に苦しみながら、現在は派遣社員として職場を転々としている。今回は、加藤にドラマの見どころや、撮影を通して感じた思いなどを聞いた。
第1回の主役を演じるというのは、プレッシャーというか、重責でしたが、大阪での撮影ということもあって、笑いの絶えない現場でした。アットホームな空気感であるのと同時に、撮影が始まったら集中して作品を作り上げていく、とにかくドラマを良質なものにしたいという志が感じられる、非常にやりがいのある現場でした。個人的なことを言うと、僕は撮影期間中にコロナにかかってしまって、随分とご迷惑をお掛けしてしまったのですが、それでも温かく迎えてくださり、どうにか無事に全話オールアップすることができてホッとしております。
8年前と現在、そして1年後を行ったり来たりする物語なのですが、村沢に共感する部分がたくさんありました。理不尽な目に遭うというのは、誰しもいくらか経験があることだと思います。その中で、ときに勇気を振り絞って前に進んでいく…。村沢のせりふにもあるのですが、一見、誰かのためにアクションを起こしているようで、実は自分が変わるために大胆なアクションを起こすわけです。そういう村沢の大胆さにはすごく共鳴したし、感情移入しました。
難しかったです。僕自身は5歳から10歳ぐらいまでの間、大阪の豊中市で過ごしていたので、初めて覚えた言語は割と大阪でのものが多かったんです。でも、やはりこっちに引っ越ししてきてからは、子どもで順応も早く、東京の言葉に変わっていきました。多少大阪の言葉も自分の中に残ってはいるだろうという自負はあったのですが、関西弁でせりふを覚えて言う…。ある意味、自分の言葉でないものを自分のものにしていく作業というのは初めてだったので最初はすごく戸惑いました。
方言指導の方に音声を頂いてずっと聞いていました。ただ、聞いているうちに思い起こされていったものが多くて、音声も感情を入れずに棒読みで読んでくださっていたので、途中からはその音声をなぞるというよりは、お芝居するときに多少アレンジして、自分なりの言葉でしゃべることができるようになっていきました。場面ごとに緩急を付けるお芝居は難しかったですけど、新鮮で楽しく演じることができました。
これは僕自身、常々思っていることなのですが、組織というのは、作っているのは全員、個人、人間のはずなのに、組織という集合体になると全く別の顔をしてしまう。そしてその巨大なものの波、動きというものには、なかなか一個人があらがうことができないケースがあると思うんです。組織にあらがった場合、人生がどうなるかという不安はあるけれど、逃げてもいいだろう、逃げた方が勝ちというケースもあるんだろうなと今回は思いました。組織を変えようということが、まず大前提だと思いますが、村沢のように会社を去るというアクションが、その後の会社をよくしていくこともある。組織に属している人間たちが、人間らしさを失わないようにと意識し続けることができれば、よりよい会社になっていくのだと思います。
もっと個人的なことで言えば、何かを変えたければ行動することが大事なんだと思います。僕が作家になったきっかけは、このままではどうにもならないと思って、事務所の偉い方に直接電話を掛けたことでした。今考えたら怖いですが、そのとき思い切ってやってみたことが、今の作家の活動につながっていると思います。また、僕が小学6年生のときに中学受験を控えていて、その期間はジャニーズ事務所をお休みしていたのですが、戻るときに直接ジャニー(喜多川)さんに電話をかけたら、『ユー、来ちゃいなよ!』と言われて、改めて活動することになったんです。なので、自分の中でいろんなことを考えていても物事はあまり変わらないけれど、時には大胆なアクションを起こすことで、みんなの目も変わることもあるのかなと思います。
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