【インタビュー】「ローズのジレンマ」村井良大 大地真央主演のコメディーで「笑える作品をお届けしたい」

2021年1月2日 / 08:00

 米国を代表する喜劇作家ニール・サイモンのハートフルコメディー「ローズのジレンマ」が、大地真央を主演に迎え、2021年2月6日から上演される。本作は、大物女流作家のローズが、最愛のパートナーだった作家ウォルシュの亡霊に提案され、助手のアーリーンや売れない作家クランシーと共に、彼の未完の遺作を仕上げる中で、残された人生と向かい合うさまをユーモラスに描いた作品。クランシー役を演じる村井良大に、役への思いを聞くとともに、2020年を振り返ってもらった。

クランシー役の村井良大 (スタイリスト:吉田ナオキ/ヘアメイク:山下由花)

-大地真央さん、神田沙也加さん、別所哲也さんとの4人芝居でつづられるコメディーです。出演が決まって、どんな気持ちでしたか。

 うれしかったです。ワンシチュエーションの4人芝居は、大抵の作品が面白いと僕は思っているので(笑)、この作品もきっと素晴らしいものになると思っています。それに、豪華な共演者の方々とご一緒できるので、濃厚な時間を過ごせそうだとワクワクしています。

-台本を読んだ感想は?

 読んでいるだけでも笑ってしまって、ギミックの面白さを存分に生かして作られている作品だと感じました。「ローズのジレンマ」というタイトルの通り、ローズの心の中で揺れ動く気持ちを感じるとより楽しんでいただける作品になると思うので、大地さんがどのように演じられるのか、僕も今から楽しみです。

-村井さんが演じるクランシーという役柄については、台本を読んだ時点ではどんな人物だと感じましたか。

 ボロボロの汚い格好をして、スニーカーで、いかにも「アメリカの田舎から来ました」という見た目の青年です。ひげを生やして、髪の毛もボサボサで、「ザ・駄目男」といった印象があります。台本の中にウォルシュの「汚い服を着て、芸術家っぽく見せている」というせりふがあるのですが、その言葉通りの分かりやすい人物だと思います。ただ、物語が進んでいくと、頭が良くて、本を愛していることが伝わってきて、作家としては才能があることが分かってきます。人を見た目で判断してはいけないということを体現しているかのような男性です(笑)。とはいえ、危険な香りがする人なので、正直、僕で大丈夫かなという不安はありますが。

-確かに、クランシーは村井さんのイメージとはかけ離れた役柄ですね。

 眉毛を全部そるぐらいの気持ちで臨まないと駄目かなと思ったりしています(笑)。今まであまり演じたことがないキャラクターなので、どうなるか僕自身も楽しみです。

-演出の小山ゆうなさんとはすでに何か話はしましたか。

 まだ深いお話はできていません。ですが、この作品は、台本も難しく、どう演出するかによっても印象が変わる作品だと思うので、いろいろとお話を聞かせていただければと思っています。今回、僕が台本を読んですごく興味を引かれたのは、「暗転」という言葉のほかに、「溶暗」という言葉がト書きに書いてあることでした。「溶暗」は、じょじょに暗くなっていくということだと思いますが、それをどのように演出されるのかと期待しています。

-共演の大地さん、別所さん、神田さんの印象を教えてください。

 皆さん、初めましてなので、お稽古をする中で印象も変わってくるかとは思いますが、大地さんはりんとして、気品が漂うすてきな方だと思っています。きっとコメディーがお好きな方なのではないかなと僕は思っています。別所さんは、男らしさがあふれ出ているダンディーな方。渋い役柄がとても似合う方ですが、今回は、一人で突っ走っているような役柄なので、どんなお姿が見られるのか楽しみです。あのダンディーな別所さんが、かわいく見えるんじゃないかなと思っています。神田さんは、アーリーンという役柄にぴったりだと思います。献身的に尽くして、ローズを支える姿が絵として浮かびます。アーリーンは女性としての芯の強さも持つキャラクターだと思いますが、そういう意味でも神田さんはアーリーンにはぴったりなのではないでしょうか。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

安田顕「水上くんの目に“本物”を感じた」水上恒司「安田さんのお芝居に強い影響を受けた」 世界が注目するサスペンスで初共演&ダブル主演「連続ドラマW 怪物」【インタビュー】

ドラマ2025年7月5日

 韓国の百想芸術大賞で作品賞、脚本賞、男性最優秀演技賞の3冠を達成した極上のサスペンス「怪物」。WOWOWが世界で初めてそのリメイクに挑んだ「連続ドラマW 怪物」(全10話)が、7月6日(日)午後10時から放送・配信スタート(第1話・第2話 … 続きを読む

TBS日曜劇場「19番目のカルテ」が7月13日スタート 新米医師・滝野みずき役の小芝風花が作品への思いを語った

ドラマ2025年7月5日

 7月13日(日)にスタートする、松本潤主演の日曜劇場「19番目のカルテ」(TBS 毎週日曜夜9時~9時54分)。原作は富士屋カツヒト氏による連載漫画「19番目のカルテ 徳重晃の問診」 (ゼノンコミックス/コアミックス)。脚本は、「コウノド … 続きを読む

南沙良「人間関係に悩む人たちに寄り添えたら」井樫彩監督「南さんは陽彩役にぴったり」期待の新鋭2人が挑んだ鮮烈な青春映画『愛されなくても別に』【インタビュー】

映画2025年7月4日

 第42 回吉川英治文学新人賞を受賞した武田綾乃の小説を原作にした鮮烈な青春映画『愛されなくても別に』が、7月4日公開となる。浪費家の母(河井青葉)に代わってアルバイトで生活を支えながら、奨学金で大学に通う主人公・宮田陽彩が、過酷な境遇を受 … 続きを読む

紅ゆずる、歌舞伎町の女王役に意欲「女王としてのたたずまいや圧倒的な存在感を作っていけたら」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2025年7月4日

 2019年に宝塚歌劇団を退団して以降、今も多方面で活躍を続ける紅ゆずる。7月13日から開幕する、ふぉ~ゆ~ meets 梅棒「Only 1,NOT No.1」では初めて全編ノン・バーバル(せりふなし)の作品に挑戦する。  物語の舞台は歌舞 … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】異領域を融合する舞台芸術、演出家イ・インボの挑戦

舞台・ミュージカル2025年7月3日

 グローバルな広がりを見せるKカルチャー。日韓国交正常化60周年を記念し、6月28日に大阪市内で上演された「職人の時間 光と風」は、数ある韓国公演の中でも異彩を放っていた。文化をただ“見せる”のではなく、伝統×現代、職人×芸人、工芸×舞台芸 … 続きを読む

Willfriends

page top