エンターテインメント・ウェブマガジン
映画監督・黒澤明の代表作『生きる』(52)を世界で初めてミュージカル化した、「黒澤明 生誕110年記念作品『ミュージカル 生きる』」の再演が、10月9日から上演される。本作は、市村正親と鹿賀丈史がWキャストで主人公の渡辺勘治を演じ、余命半年を告げられた男の人生を通して、「人生をどう生きるか」という普遍的なテーマを問いかける物語。勘治の息子・光男を演じる村井良大に、本作の魅力や公演に懸ける意気込みを聞いた。
ちょうどこの作品への参加が決まる前に、僕は「デスノート THE MUSICAL」という作品に出演させていただいていたんです。「デスノート 」は、東京、静岡、大阪、福岡公演を予定していたのですが、新型コロナウイルスの影響で、大阪と福岡公演が中止になってしまい、大千秋楽を迎えることなく終わってしまいました。予想もしていなかった終わり方で、僕自身、さまざまな思いがめぐっていたのですが、そのときに、「デスノート」のプロデューサーさんから、「生きる」への出演のお話を頂きました。「デスノート」ではきちんとした形で終わることができなかったけれども、そのときの思いを受け継いで、この舞台に立たせていただくことに感謝をしながら、今回はしっかりと大千秋楽を迎えたい。それができるということが、僕にとっては一番の喜びでした。
はい、映像で拝見しましたが、1幕が終わるときには、完全に物語の中に引き込まれていて、心をわしづかみにされました。この作品は、2018年に初めてミュージカル化された作品ですが、長い間、上演され続けてきたようななじみ深さがあって、スッと入っていけるのが不思議でもあり、魅力でもあると感じました。まるで、みんなが知っているお話であるかのように、スムーズに観客の心をとらえて進んでいくのが素晴らしいと思います。
日本人だからこそ作ることができた作品だとは僕も感じました。日本人独特の節回しがあるんです。それは、僕たち日本人の役者にとっては、とてもやりやすいことですし、作品の面白さにもつながるものだと思います。特にこの作品は、昭和の時代の話なので、「古き良き日本」が描かれています。
父親の勘治とはうまくコミュニケーションが取れず、それをずっと引きずっていますが、彼自身は、非常に素直に生活している人物だと思います。そして、彼の目の前には、奥さんとのこれからの未来という明るい世界が広がっています。そんなとき、勘治が死を宣告されてしまう。勘治はそれを息子に打ち明けられず、歯車が少しずつずれていってしまいます。すごく古典的で、分かりやすい物語で、観客の皆さまは歯がゆい思いをするシーンも多いかと思います。昔の演劇のようなストーリー展開で、それが僕は面白いなと感じました。
そうなんです。しかも、作曲しているのはジェイソン・ハウランドさんなんです。外国の方なのに、日本人の心を的確に捉える曲を作ってくださっています。憂いのある、心にしみる曲ばかりなので、僕も初演を見て感動し、音楽が与える感動や、感情の動きは万国共通なものなんだなと改めて感じました。ジェイソンさんなくしてこのミュージカルは完成しなかったと思います。
市村さんの「生涯現役でいる」という思いや、エネルギーの強さに圧倒されています。今でも踊りのトレーニングをされていたり、稽古に入る前には入念にアップされてから入る姿を拝見していて、そのプロフェッショナル感が素晴らしいと感じています。自分を鍛錬し、ずっと第一線でいることはそうそうできることではないと思います。本当にすてきな役者さんで、尊敬しています。
鹿賀さんはどこかミステリアスな部分をお持ちで、舞台に立ったときに、強い輝きを放つ希有な役者さんだと思います。舞台上に「鹿賀丈史」として立っていながら、「渡辺勘治」としても存在している。その共存が素晴らしいですし、どうしたら、あれほどきれいに共存できるんだろうと不思議で、僕も少しでも近づけたらと思います。
ドラマ2026年10月30日
横浜流星が主演するドラマ「LOST10」が、毎週金曜午後10時からTBS系で放送中だ。本作は、横浜と映画『国宝』以来の再タッグとなる奥寺佐渡子氏が脚本を担当し、「Nのために」「最愛」などを手掛けた塚原あゆ子監督らのチームが制作するヒューマ … 続きを読む
舞台・ミュージカル2026年10月30日
桐谷健太が主演する舞台、PARCO PRODUCE 2026「聖地X」が、11月5日から上演される。本作は、SFやホラー、怪談など“目に見えないもの”との関わりから人間の本質を描いてきた劇作家・演出家で、劇団イキウメ主宰の前川知大の代表作 … 続きを読む
映画2026年10月29日
乾物屋の女将として家族を支えながら、48歳にして演歌歌手の道を歩み始めた女性の奮闘を描く『演歌の坂道』が、10月16日から全国公開された。本作のジャッキー・ウー監督と、ヒロインの高橋良子を演じ、映画初主演を務めた演歌歌手の丘みどりに話を聞 … 続きを読む
映画2026年10月29日
長年にわたり、テレビ界で活躍してきた錦信次監督が63歳にして長編映画監督デビューを果たし、新宿ゴールデン街を舞台に描いた人間ドラマ『月影のゴールデン街』が、10月30日から全国順次公開される。本作の主人公でスナックのマスター青木を演じた渡 … 続きを読む
映画2026年10月28日
犯罪と腐敗がはびこるゴッサム・シティ。新進ハリウッドスターのマット・ヘーゲンは事故で美しい顔を失う。再起への執念から禁断の治療に手を出した彼は、元の顔を取り戻すが、その副作用で体に恐ろしい異変が起こり、心身ともに狂気にむしばまれていく。D … 続きを読む