【インタビュー】映画『彼女は夢で踊る』加藤雅也「低予算の地方の映画に出るときは、普段とは違うキャラクターが演じられることに意義がある」

2020年10月19日 / 06:03

-音楽の効用という点ではいかがですか。

 最近、音楽の持っている力の強さを感じます。それは先ほど話した呼吸やリズムを読み取ることにもつながります。例えば、去年大河ドラマの「いだてん」で、語学に堪能な役をやらせてもらったけれど、外国語と日本語ではリズムが違います。ただ、それを捉えてやれば、割とそれっぽく聞こえる。大事なのはリズムなんです。歌手の人が演技をすると上手なのはリズムを捉えているから。その点、ショーケン(萩原健一)さんや緒形拳さんはリズムを捉えるのがうまかったんだと思いますね。

-いよいよ東京での上映が始まります。改めてこの映画の見どころを。

 ストリップと言えば、どうしても、裸や、公序良俗に反するもの、女性が見るものではない、というイメージや先入観があると思いますが、この映画は、監督がストリップ劇場を舞台にしたラブストーリーとして仕上げました。もちろん、多少裸は出てきますが、映倫がPG12(12歳未満(小学生以下)の鑑賞には、成人保護者の助言や指導が適当とされる)にしたことが、これはラブストーリーであり、アートであると認めてくれた何よりの証拠です。だから、女性が見てもいいものになっていると思うし、ストリップが日本の文化の一つであることも感じてもらえると思います。今は新型コロナウイルスの影響があるので、「こういう映画があることを知っておいてください」としか言えないのが残念なのですが、とてもすてきな映画になっていると思います。

(取材・文・写真/田中雄二)

(C)2019 映画「彼女は夢で踊る」製作委員会

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