【インタビュー】東映ムビ×ステ『死神遣いの事件帖』鈴木拡樹「映画は舞台に近いワクワクを感じる瞬間があります」

2020年6月11日 / 07:11

 東映が送る映画と舞台の連動企画「東映ムビ×ステ」の第2弾、『死神遣いの事件帖』の映画『死神遣いの事件帖―傀儡夜曲―』が、6月12日から公開される。本作は“死神”との契約によって、不思議な力を使うことができる“死神遣い”の末裔(まつえい)が、江戸で発生した連続殺人事件の謎に探偵として挑む新時代エンターテインメント。主人公の“死神遣い”久坂幻士郎を演じる鈴木拡樹に作品の見どころや、役作りへの思いを聞いた。

久坂幻士郎役の鈴木拡樹

-江戸時代を舞台にしながらも、ポップな色遣いに華やかな映像、そしてサスペンスあり、時代劇ありのとても不思議な世界観がある作品でした。

 時代劇と特撮を足して、そこにサスペンス要素が入っているので、どんなジャンルと説明するのは難しい作品になりましたね(笑)。

-鈴木さんが演じる幻士郎は“死神遣い”をなりわいにした青年ですが、幻士郎という役をどのように捉えていましたか。

 幻士郎は、珍しいタイプの主人公だと思います。適当で、お金に執着している割には散財するし、自分に不都合なことからはすぐに逃げようとする。あまり主人公らしくはないですが、死神遣いとしての仕事は全うしています。そのギャップが魅力かなと思います。

-鈴木さんのイメージとはかけ離れたタイプの役ですね。そういう意味でも面白い配役だと感じました。

 そうですね。幻士郎はあまり僕に回ってくるような役ではないので、それも楽しかったです。僕にとっては、こういう役は挑戦にもなりますが、だからこそ彼はどういう人物なんだろうと考える時間もよい経験でした。

-役作りはどのようにしたのですか。

 「死神遣い」という生業は特殊ではありますが、今は漫画でも映画でも小説でもたくさんの作品があるので、その存在のイメージは付きます。なので、そのイメージから、「自分の寿命が減るってどういう感覚なんだろう。体に支障は出ないのかな? それとも体力的な衰えを感じたりするのかな?」と(台本を読んで気になるところを)一つ一つ考えていく。多くの人が抱くイメージから肉付けしていくのですが、僕にとってはそれが楽しい作業でした。

-なるほど。鈴木さんは、いわゆる2.5次元と呼ばれる作品にも数多く出演されていますが、原作がある作品の場合はどのように役作りをするのですか。

 原作にはルールが書いてあるので、まず原作を読みます。特に変わった設定の役どころであればルールはしっかり知っておくべきなので、それが書いてある原作は大切なんです。そうすると、映画化やドラマ化、舞台化したことでオリジナルのシーンが出てきた場合にも、原作から呼び起こして変換しやすい。原作の雰囲気を損なわないように、原作者さんの意図を壊さないようにという心配りが必要なのかなと思います。

 今回はオリジナル作品ではありますが、世界観が出来上がっているので、原作がある作品に近いと思います。原作がある作品の場合には、僕はその世界に飛び込んでいくという感覚があるのですが、今回もこの作品の世界に飛び込んでいった感じでした。

-劇中では華麗な殺陣も披露していましたが、今回の殺陣はいかがでしたか。

 本作のアクション監督の栗田政明さんとは舞台「刀剣乱舞」などいろいろな作品でご一緒していたこともあって楽しくアクションさせていただきました。栗田さんのアクションは、毎回、細かさの中に明確な理由があるんです。なので、複雑に見えるところも多いと思いますが、実は覚えやすいんですよ。僕は、どうしてそう動くのかという理由を重視して殺陣をつけてもらう方が動きやすいので、栗田さんの殺陣は楽しいですね。

-死神の十蘭役の安井謙太郎さん、舞台版で主演する庄司新之助役の崎山つばささんの印象は?

 安井くんは、すごく丁寧で細かい心遣いができる人だなと感じました。なので、初日からすごくやりやすかったです。場の空気をしっかり作れる人ですし、さらっとこなしているように見えて実はすごく努力しているんだと思います。

 崎山くんとは、最近は1年に1度は共演する機会があるのですが、今回も共演できてうれしかったです。僕は、彼が持っている独特の色気のある芝居が大好きなんですが、本作ではまさにそれが出ていると思います。やんちゃに見えてちょっとセクシーで…そういう僕の好きな崎山くんを詰め込んだ役だと思います。

-舞台作品に数多く出演している鈴木さんですが、映画に出演することの楽しさはどこに感じていますか。

 同じ映像でもドラマは生活に寄り添っていて、日常の一部になるような魅力があるのだと思うのですが、映画の場合は特別感や非日常の時間を与えているのかなと感じます。だからこそ、映画は舞台に近いワクワクを感じる瞬間があります。映画は映画館に足を運んでもらうという点でも舞台と共通するものがあると思いますし、お客さんをおもてなししたいと思っています。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

戸田菜穂「スッとあの時代に入っていけるような空気がありました」名作漫画の実写映画化で、昭和の母を好演『遥かな町へ』【インタビュー】

映画2026年10月9日

 10月9日から全国公開となる『遥かな町へ』は、「孤独のグルメ」「神々の山嶺」で知られる漫画家・谷口ジローの名作を実写映画化した作品だ。  建築デザイナーとして活躍する48歳の中原博史(大谷亮平)が、故郷・鳥取県の倉吉で母親の墓参りを済ませ … 続きを読む

【映画コラム】9月の公開映画から

映画2026年10月8日

「バックルームズ」(9月4日公開)★★★ 出口のない迷宮が生む恐怖  “あるはずのない隙間”から、黄色い壁に囲まれ蛍光灯に照らされた迷宮のような空間へ迷い込んだ男(キウェテル・イジョフォー)が、出口を求めてさまよう。インターネット発の都市伝 … 続きを読む

伊原六花「七五三掛さんが一緒で心強い」七五三掛龍也「伊原さんはオールマイティーな方」痛快リベンジ・エンターテインメントで共演「小麦とバターと復讐と」【インタビュー】

ドラマ2026年10月7日

 10月7日(水)よる11時からカンテレ・フジテレビ系全国ネット「水ドラ★イレブン」枠で、新ドラマ「小麦とバターと復讐と」がスタートする。  夫と助手に裏切られ、命を落としたパン職人の野崎ミチルが、2年前にタイムリープし、過去をやり直しなが … 続きを読む

川口春奈、高杉真宙「自分や家族、周りの人たちを大事にしようと思うきっかけになったらうれしいです」『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』【インタビュー】

映画2026年10月1日

 大腸がんによって24歳で他界した遠藤和(のどか)さんが亡くなる10日前までつづり続けた手記を映画化した『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』が、10月2日から全国公開される。本作で、主人公の和と夫の将一を演じた、川口春奈と高杉真 … 続きを読む

木戸大聖「悲しいと思っていてもそれを表情に出せないのが難しかったです」『沖晴くんの涙を殺して』【インタビュー】

映画2026年10月1日

 余命1年の音楽教師・京香(広瀬アリス)と、喜び以外の感情を失った高校生・沖晴が織りなす、切なくも温かい感動の人生賛歌『沖晴くんの涙を殺して』が10月2日から全国公開される。本作で、訳あり高校生の沖晴を演じた木戸大聖に話を聞いた。 -沖晴の … 続きを読む

page top