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好調な滑り出しを見せた大河ドラマ「麒麟がくる」。本格的な合戦シーンや、続々と登場する戦国武将たちなど、毎週見どころが満載だ。2月9日に放送された第四回では、織田家が支配する敵国・尾張に潜入する光秀(長谷川博己)の活躍を中心に、岡村隆史や堺正章といった個性派の俳優たちが、持ち味を発揮して視聴者を楽しませてくれた。そこで、第四回の演出を担当した藤並英樹と制作統括を務める落合将に、撮影の舞台裏を聞いた。
落合 第四回でようやくこのドラマの最初のパートを描き切った、というところです。第一回は京都に旅をする光秀、第二回では美濃の道三、第三回で道三や光秀を取り巻く美濃の人々を描いてきました。そうやって迎えた第四回では、敵であり、信長がいるであろう尾張の国を描く。普通なら第一回に詰め込んでもおかしくないところを、今回は時間を掛けて、ものすごく広く描いています。そういう意味では、尾張がどう見えたかというところが、第四回のポイントになるかと思います。
藤並 演出では、これまであまり掘り下げられなかった織田信秀(高橋克典)や医師の望月東庵(堺正章)、農民の菊丸(岡村隆史)といった人たちを重点的に描きながら、「尾張を見に行く」という光秀のミッションを面白くすることを心掛けました。
落合 池端(俊策/脚本家)さんは当然、「本能寺の変」を意識して書いたんだと思います。細部に関しては、時代考証の小和田(哲男)先生と相談しつつ、「史実半分、創作半分」といったところではないでしょうか。
藤並 最初は、すごく緊張されていました。台本の読み方がとても真摯(しんし)な方で、大河ということで深刻になり過ぎていたところもあったので、チーフ演出の大原(拓)とも相談しながら、少し軽めのタッチも加えつつ、岡村さんがもともと持っていらっしゃる“明るさ”みたいなものを重点的に出していただくようにしました。岡村さんも面白がってやってくれたので、楽しいお芝居になったんじゃないかと思います。
藤並 橋を渡って尾張に入る場面をロケで撮影したのは9月頃ですが、そのときは既にスタジオで3カ月ほど撮影が進んでいました。おかげで、光秀と菊丸の関係性が出来上がっていたので、「兄者」と言われて偉そうにしていた菊丸が、だんだん深刻な話になってショックを受ける…というくだりは、長谷川さんと2人で話し合いながら、台本よりもさらに面白くしてくれました。撮影はワンカットで行いましたが、一発本番的な緊張感もありつつ、楽しんでやっていました。
落合 その辺りは、見てのお楽しみということで…。もう少しで分かると思います(笑)。
藤並 非常に真面目な方で、台本をきちんと読み込んで、菊丸という役に真摯に向き合ってくださっています。竹千代と出会った後、深刻な顔をして身につまされる自分の立場をとつとつと話していたかと思うと、駒と会う場面ではとても無邪気に接している。そういうふうに状況によってうまく変化させてくれるところは、すごく面白いですよね。引き出しが多く、とても頭のいい方だと思います。
藤並 東庵と道三、東庵と信秀がそれぞれ腹の探り合いをする場面は面白かったです。現場で見ていても、堺さんや本木さん、高橋さんといった熟練の役者さんたちが、本当に化かし合いをしているようで。やはり、皆さん達者な方たちだな…と。皆さんが、面白がっていろいろお芝居をしてくれたおかげで、いいシーンになったと思います。
落合 映像加工は一切変えていません。ただ、そういう感想が出るのもよく分かります。これまではロケが多かったので、植物の緑など、自然の色が目立ちました。ただし、大河ドラマでロケはそれほど多くないので、これからはスタジオのセットでの撮影が中心になってきます。そういうセットは昔の建物なので、色合いとしては茶色や黒など地味なものになります。4Kで撮ったからと言って、そういうものまで派手に映るわけではありませんから。
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