【インタビュー】映画『カツベン!』周防正行監督、成田凌 「これが映画の始まりなんだ、ということを、意識して見てほしいです」

2019年12月11日 / 10:00

-今回は、オリジナルも含めて、『金色夜叉』『不如帰』『椿姫』『ノートルダムのせむし男』など、サイレント映画の名作の再現も見どころですね。

周防 僕には大正時代を実感することはできません。だから、いろいろなものを参考にして作っても、結局は僕のファンタジーの中での大正時代に過ぎません。そこに、当時作られた本物の映画を入れることに違和感がありました。そこだけがドキュメンタリーになってしまうからです。ならば全部僕が作った方がいいと思いました。ただ、そこでの約束事として、当時作られて、今も残っている映画に関しては、なるべく似せて作ろうとしました。なので『椿姫』や『ノートルダム~』はオリジナルと比べて見ても、「結構頑張っている」と思っていただけると。残っていないものは、当時の撮影技術で作るという工夫をしました。

-では、最後にこの映画の見どころを。

周防 成田さんが、活動弁士のしゃべりをプロのレベルでやってくれて、主人公の俊太郎の持つ魅力あふれる語りのカツベンを表現してくれたので、これは聴きどころです。ライバル役の高良健吾さんのしゃべりも含めて、「カツベンってどんなものだったんだろう」ということがよく分かると思います。
 もう一つは、サイレント映画の魅力って一体何だったのかと考えると、それはアクション=動きなんです。今回は初期の映画のアクションをとても意識して作ったので、今のハリウッド映画のような、派手なアクションとは違った、活動写真のアクションの面白さが見どころになると思います。また、これが映画の始まりなんだ、ということを、意識して見てほしいです。今の人が見ても、面白いと思えるものがたくさんあると思います。

成田 監督が全部話してくれました! 知らなくても懐かしい記憶のような感じがして、視覚的に楽しいと思います。それに、出てくる全てが美しく描かれていて、本当にみんながとてもキラキラしていた時代の話なので、見ていて心地がいいです。人の出入りのアクションなど、動きの一つ一つも心地がいいリズムになっていて、ずっと動いている作品なので、これ自体が無声で流れていても大丈夫なんじゃないかなと思います。

(取材・文・写真/田中雄二)

(C)2019「カツベン!」製作委員会

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】世界が揺らぐとき、人間は何をするのか…『DIGGER/ディガー』『ディスクロージャー・デイ』

映画2026年10月20日

『ディスクロージャー・デイ』(10月1日公開)  サイバーセキュリティーの専門家ダニエル(ジョシュ・オコナー)は、謎の組織ワーデックスから機密情報を盗み出す。一方、ローカル局で気象予報士を務めるマーガレット(エミリー・ブラント)は、突如とし … 続きを読む

堂本光一演出「百鬼夜鏡」、「期待を超える作品を作っていけたら」川﨑皇輝×内村颯太×元木湧×北川拓実×安嶋秀生×松尾龍【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年10月20日

-本作の注目してもらいたいところは? 松尾 たくさんのキャラクターが登場しますが、全員に感情移入できる作品なのではないかなと思います。光一くんは、「陽」だけのものは作らないと思うので、「陰」があったり、考えさせられる物語になると思います。お … 続きを読む

芦田愛菜、努力を続けるコツは「一度に大きく飛躍しようと頑張り過ぎない」【インタビュー】

ドラマ2026年10月19日

-南の初恋の相手・船井湊人を演じる高橋文哉さんとは初共演ですが、印象を教えてください。  初日はドラマの鍵になる出会いのシーンを撮影しました。大事なシーンだったので、どうするかを話し合いながら臨みましたし、すてきなシーンになっていると思いま … 続きを読む

ドラマ「LOST10」脚本・奥寺佐渡子×監督・塚原あゆ子 横浜流星と小栗旬が演じるバディの魅力と制作の舞台裏を語る【インタビュー】

ドラマ2026年10月16日

-横浜さんと小栗さんが演じたことで、キャラクターの印象は変わりましたか。 塚原 小駒は田舎の刑事で出世したいという設定があって、うだつが上がらない感じに近いのかなと思っていたのですが、横浜さんは身体能力に長けていて山をぐんぐん登るので、その … 続きを読む

磯村勇斗「吉田監督の世界に入れることが楽しみでした」吉田恵輔監督「磯村くんは思考が自分に近い」初顔合わせの舞台裏『mentor』【インタビュー】

映画2026年10月15日

-そして、子どもの頃、一緒に事件を起こして以来、疎遠になっていた拓海との再会は、アーチェリーに打ち込む龍之介の人生を次第に狂わせていきます。 磯村 末澤くんとは初共演で、龍之介と拓海が再会する場面は僕たちにとっても初めて一緒にお芝居するシー … 続きを読む

page top