【インタビュー】映画『決算!忠臣蔵』中村義洋監督「お金がなくて困る大石内蔵助と、自分のお金を勝手に使われてしまう瑤泉院という構図を思いついたとき、『コメディーになる!』と」

2019年11月20日 / 17:00

-中村監督はこの3作品以前はずっと現代劇を撮ってきましたが、時代劇に対する思いをお聞かせください。

 もともと、僕は時代劇も時代小説も好きだったんです。特に好きなのが、1970年代の「必殺」シリーズ。中でも、山崎努さんが“念仏の鉄”をやっていた「新・必殺仕置人」(77)が大好きで。リアルタイムのときはまだ子どもだったので、20代の頃、再放送やDVDで見て、「面白い!」とハマりました。だから、『奇跡のリンゴ』(13)や『殿、利息でござる!』で山崎さんとお仕事をさせてもらったときは、「好き放題にやったんだよ」とか、当時の裏話をいろいろ聞けて、楽しかったです。

-今回は初めて、「必殺」シリーズを撮った京都の松竹撮影所で撮影されたそうですね。

 ちょうど隣のスタジオで当時、山崎さんとも一緒にやっていたカメラマンの石原興さんが監督で「必殺」の新作を撮っていたので、ごあいさつに行ったら、いろいろな昔話を聞くことができました。ロケハンも、僕より年上の美術部や装飾部のスタッフと一緒に行くと、「ここは中村主水の奉行所の外で…」みたいなことを案内してくれるんです。でも、僕としてはそんな誰でも知っていることより、「そこの川は、『必殺仕業人』(76)で中村敦夫さんが死んだ場所」みたいなマニアックな話の方が面白くて(笑)。その「必殺仕業人」あたりは、今回の美術担当の師匠の方がやっていた作品なので、そんな話をきっかけに、コミュニケーションがスムーズにいくようになりました。

-3本目の時代劇ということで、今回は脚本もご自身で書かれていますが、手応えはいかがでしょうか。

 今までで一番大変でした。原作を物語に仕立てるところから始めて初稿まで半年ぐらいかかりきりで苦しみましたから。「忠臣蔵」ということで、プレッシャーも大きかったですし。ただその分、愛情もひとしおです。「あそこは失敗したな…」とか「時間が足りなかったな…」と思うこともなく終えられたので、充実していました。

(取材・文・写真/井上健一)

(C)2019「決算!忠臣蔵」製作委員会

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

唐沢寿明「原点回帰をした感じがしました」『トイ・ストーリー5』【インタビュー】

映画2026年7月3日

-唐沢さんがこのシリーズに感動するポイントはどこにありますか。  やっぱりおもちゃにも出会いと別れがあるという、人間の世界と同じようなストーリーを入れているところかな。愛されていたのに捨てられたとか、おもちゃの側に立つとそれは悲しいことだろ … 続きを読む

【映画コラム】6月の公開映画から

映画2026年7月3日

「シラート」(6月5日公開)★★★ スペイン産の異色ロードムービー  砂漠でのレイブパーティー(音楽イベント)に参加したまま行方が分からなくなった娘を捜すため、ルイスは息子のエステバンと共にモロッコの山岳地帯から砂漠の奥地へと車を走らせる。 … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第25回「変事の予兆」家臣を追放した信長の孤独【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年7月2日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。6月28日放送の第25回「変事の予兆」では、天下統 … 続きを読む

ケナ・ハリス共同監督&リンジー・コリンズプロデューサー「おもちゃたちがデバイスのことをどう思うのかという視点がとても面白い」『トイ・ストーリー5』【インタビュー】

映画2026年7月1日

-今回は、子どもたちにとって、友達という存在は何なのか、相手はデバイスでもいいのか、それともやっぱり人間がいいのかなど、いろいろと考えさせられるところがありました。 コリンズ 今回は、友情の形みたいなものが物語を開発していく上での鍵になりま … 続きを読む

山下リオ「それぞれの愛の形を、まざまざと見せつけられるような映画になっていると思います」『遺愛』【インタビュー】

映画2026年6月30日

-「愛か呪いか」が、この映画のキャッチコピーになっていますが、それについて、演じながらどのように感じましたか。  本当にその通りだと思います。愛とか呪いとか、一応名前は付いていますけど、それって、立体造形にしたら同じものができる可能性がある … 続きを読む

page top