エンターテインメント・ウェブマガジン
もともと、僕は時代劇も時代小説も好きだったんです。特に好きなのが、1970年代の「必殺」シリーズ。中でも、山崎努さんが“念仏の鉄”をやっていた「新・必殺仕置人」(77)が大好きで。リアルタイムのときはまだ子どもだったので、20代の頃、再放送やDVDで見て、「面白い!」とハマりました。だから、『奇跡のリンゴ』(13)や『殿、利息でござる!』で山崎さんとお仕事をさせてもらったときは、「好き放題にやったんだよ」とか、当時の裏話をいろいろ聞けて、楽しかったです。
ちょうど隣のスタジオで当時、山崎さんとも一緒にやっていたカメラマンの石原興さんが監督で「必殺」の新作を撮っていたので、ごあいさつに行ったら、いろいろな昔話を聞くことができました。ロケハンも、僕より年上の美術部や装飾部のスタッフと一緒に行くと、「ここは中村主水の奉行所の外で…」みたいなことを案内してくれるんです。でも、僕としてはそんな誰でも知っていることより、「そこの川は、『必殺仕業人』(76)で中村敦夫さんが死んだ場所」みたいなマニアックな話の方が面白くて(笑)。その「必殺仕業人」あたりは、今回の美術担当の師匠の方がやっていた作品なので、そんな話をきっかけに、コミュニケーションがスムーズにいくようになりました。
今までで一番大変でした。原作を物語に仕立てるところから始めて初稿まで半年ぐらいかかりきりで苦しみましたから。「忠臣蔵」ということで、プレッシャーも大きかったですし。ただその分、愛情もひとしおです。「あそこは失敗したな…」とか「時間が足りなかったな…」と思うこともなく終えられたので、充実していました。
(取材・文・写真/井上健一)
舞台・ミュージカル2025年12月10日
-堤さんと高橋さんは高橋さんのドラマデビュー作以来のタッグと聞いています。堤さんは高橋さんの吉良上野介にどのような期待を寄せていますか。 堤 ぴったりだと思いますよ。生き馬の目を抜く芸能界で酸いも甘いも知り尽くしていますから。デビューの瞬間 … 続きを読む
ドラマ2025年12月8日
-治済に対する仇討ちのため、対立関係にあった蔦重と松平定信(井上祐貴)がタッグを組む展開にも驚かされると同時に、思わず胸が熱くなりました。 藤並 白河藩に戻った後の定信は、それまでとは打って変わって、大田南畝や山東京伝に本を書かせているんで … 続きを読む
映画2025年12月5日
-戦場で、田丸が絵や漫画を描くことにどのような意味があったと思いますか。 功績係に任命された田丸には、もちろん何かを書き記すという使命感もあったでしょうが、いつ自分や仲間が命を落とすか分からない状況の中で、自分の世界の中で向き合えるものが … 続きを読む
舞台・ミュージカル2025年12月4日
YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 2016年に四代目・玉田玉秀 … 続きを読む
ドラマ2025年12月1日
-雰囲気のいい現場だったようですね。 中でもしのぶさんは、「これはこういうことなのかな?」といった感じで、積極的に質問をされるんです。その上、「私、緊張しちゃう」などと、ご自身の気持ちを織り交ぜながら現場にいてくださるので、私も質問が … 続きを読む