【インタビュー】新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」上演!尾上菊之助「劇場にお越しいただければ楽しんでいただく自信がある」

2019年10月1日 / 14:00

 12月6日から、東京・新橋演舞場で新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」が上演される。宮崎駿作の伝説の漫画が歌舞伎舞台化されるとあって、大きな話題となっている。本作で、主人公ナウシカ役を演じる尾上菊之助に話を聞いた。

ナウシカ役を演じる尾上菊之助

-この作品に携わることについて今の心境はいかがですか。

 クールジャパンを代表するアニメーションの中でも、またジブリ関連作品の中でも『風の谷のナウシカ』は日本を代表する作品ですので、日本の古典芸能である歌舞伎との融合に携われることとなり、本当に興奮しました。また、ジブリの世界観をジブリファンの一人として大事にしないといけない、という責任感も同時に感じています。

-今回の歌舞伎舞台化について、宮崎駿さんとはどのようなやりとりがあり、また、どんなリクエストがあったのでしょうか。

 宮崎監督は「『風の谷のナウシカ』というタイトルだけ変えなければ後はご自由にやっていただいて構いません」とおっしゃっていたと伺い、逆にプレッシャーを感じています(笑)。この作品が持つイメージを大事にしなければならない、という思いがさらに強くなりました。

-菊之助さんと「ナウシカ」との出会いは? ファンとして思う作品の魅力は?

 私が初めて本作を見たのはTVでのアニメ映画の再放送のときでしたでしょうか。アニメでは原作のうち1~2巻の内容でしたが、しばらくしてから宮崎監督はその後7巻まで描き続けていたと知り、そこで全巻を読んでみましたら、アニメでは描かれていないもっと深く複雑な世界観が描かれており、その難しさに強く心引かれました。
 この作品は文明が滅んで1000年後から現代を照らす物語であり、エネルギー資源問題、環境問題、核の問題や、遺伝子操作の問題などが織り込まれています。宮崎監督がこの作品を描かれた1980年代は、日本が経済的にどんどん成長をして浮き足立っている「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という時代でした。監督は「ナウシカ」を描きながら「このままでいいのか?」と思っていらしたそうです。その後バブルがはじけて、ある意味、宮崎監督が描いた世界に現実が追い付いてしまったように思います。

-『風の谷のナウシカ』を歌舞伎で演じる面白さはどこにあると思いますか。

 これはナウシカの成長物語だと思います。腐海の謎解きから始まり、やがて戦いに直面し、最後は地球という星と人間との関わりを考えるところまで成長していきます。これを、あくまでも歌舞伎の古典の手法を使って上演します。衣裳は「ナウシカだ」「クシャナだ」と、お客さまに分かるよう、原作に寄り添っていこうと思っています。歌舞伎にもキツネやイノシシなど多くの動物が登場しますので、その延長線上の表現技法で王蟲(オーム)や巨神兵も考えています。ただかなり大きなものになると思うので、はたして劇場に入るのかどうか(笑)。

-今回の歌舞伎は外国の人も注目していると思いますが、その点はいかがですか。 

 これまで自分は蜷川幸雄さんとシェークスピアの「十二夜」、そしてインドの「マハーバーラタ」と、海外の作品を日本の歌舞伎と融合してきました。今までは「日本×海外」でしたが、今回は「日本×日本」の融合で海外の方にアピールしたいと思っています。2020年の東京オリンピックもあり、海外の方も日本に興味を持ち、来日されるいい機会だと思います。

 
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