「4カ月で体重を20キロ落とすのは、ものすごく大変でした」皆川猿時(松澤一鶴)【「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」インタビュー】

2019年8月4日 / 20:50

-今回、改めて共演した阿部さんの印象は?

 田畑はせりふの量がものすごく多いので、阿部くんに「どうやって覚えるの?」って聞いてみたら、「黙読で覚える」と答えたので、びっくりしました。僕は、せりふを口になじませないと不安なので、何度も口に出して覚えるのですが、阿部くんは黙ったまま頭で覚えて、リハーサルのときに初めて口に出すんだと。肝が据わっているというか、なんというか…。初めて口にする時の雰囲気を楽しんでいるのかな…。いやいや、とても楽しめるようなせりふの量ではありませんよ(笑)。もうね、やっぱり天才だと思います。

-宮藤さんの脚本の魅力は?

 もうだいぶ長い付き合いですが、演出家としての宮藤さんに対して、昔は「怖い」というイメージしかなくて(笑)。笑いに対するこだわりがものすごく強く、稽古も厳しい。最近は丸くなりましたけどね(笑)。敗者に光を当てた「いだてん」を含め、最近の作品を見ていると、面白さだけでなく、とても優しい人なんだろうな…と感じるようになってきました(笑)。例えば、田畑は女性に対してもひどいものの言い方をしますが、愛嬌(あいきょう)があるから誰も傷つけない。主役だろうが脇役だろうが、どのキャラクターにも愛嬌があるっていうか、同じように愛情を持って寄り添っている感じがします。舞台でも映像でも、そういう点は一貫していると思うし、カッコいいですよね。

-今後の松澤の見どころは?

 泳ぐのは、もうね、とても苦労しました(笑)。練習した日本泳法は、普通の泳ぎ方とは足の使い方も違うし、頭を出したまま泳がなければいけない。しかも、撮影は4月頭の寒の戻りがあった時の夜間。気温も一桁台という状況だったので、温水プールにもかかわらず、ものすごく水が冷たくて…。撮影が終わったときは達成感よりも、「無事に終わった…」という安堵(あんど)感の方が大きかったですから。もうね、阿部くんと2人で「死ななくてよかった…!」って(笑)。ロサンゼルスオリンピックの最後に披露する場面がありますので、もうね、僕にとってもハイライトですので、ぜひ見ていただきたいです。よろしくお願いします(笑)。

(取材・文/井上健一)

松澤一鶴役の皆川猿時

 

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