【インタビュー】『アンダー・ユア・ベッド』高良健吾、30代で迎えた変化 「キツくて嫌だった」ハードな役が「ご褒美」に

2019年7月16日 / 18:56

 一定の距離をもって捉えた三井について、高良は「全ての行動は共感できないです。でも、純粋で真っすぐな彼が、幼少期からその存在を誰からも認めてもらえず、孤独やつらさ、寂しさを感じていたことは理解できるから、彼の行動についていくことができました」と述懐。「オムツをはくシーンは恥ずかしかった」とはにかみながらも、三井のひたむき故の行動や、ついドジをやらかすシーンを挙げ、「そういうところがかわいいですよね」と愛情ものぞかせた。

 また、R18指定を受けた本作は、激しい暴力や性的描写もあるが、「そういう悲惨な描写も覚悟してオファーを受けているので、特にプレッシャーなどはありませんでした」と明かすと、「遠慮なく、熱量があった現場は幸せでした」といとおしそうに振り返った。

 共演した、三井が執着する女性で、夫からDVを受けている佐々木千尋役の西川可奈子、三井が千尋を監視するために開業した観賞魚店の常連客・水島役の三河悠冴ら若手俳優の必死に食らいついてくる姿を見て、「この人たちとこれから、この世界で一緒に年を重ねていくのか…」と感慨に浸る瞬間もあったようだ。

 安里監督との初タッグも新鮮で、「とても丁寧な方で、現場に入るとその日撮影するシーンの方向性を話し合ったり、確認し合ったりする時間があり、こういうやり方は今までなかったですね」としみじみと語った

 以前は、そんな現場でやり切る芝居が「全て」だったそうだが、今は「欲が出てきて、結果もほしい」と目を輝かせる高良。無欲だったこれまでも、称賛の声、名誉ある賞、演じ切った充足感、次につながるテクニック…いろんな“結果”はついてきた。それでもあえて口に出す高良。欲を出しはじめた男は“ヤバい”…。

(取材・文・写真/錦怜那)

(C)2019 映画「アンダー・ユア・ベッド」製作委員会

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