「人見絹枝さんの思いを、次の世代の子どもたちに伝えたい」菅原小春(人見絹枝)【「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」インタビュー】

2019年7月7日 / 20:50

-金栗さんやシマさんと出会う前の絹枝に似ていますね。

 人見さんも、みんなと温かく触れ合いたかったんだと思います。私は、共作をするようになってから「誰かに頼ってもいいんだ」ということに気付いたんです。そうしたら、仲間がいる温かさや楽しさみたいなものを感じるようになって…。今回演じている中で、人見さんの人生にもそういうことがあったんだろうな…と思いましたし、私自身も現場の皆さんに対して同じことを感じることができました。だから、この現場に私の居場所を見つけたような気がして、すごく居心地がよかったです。

-人見絹枝という役を演じてみて感じたことは?

 シマさんと出会っていなかったら、人見さんは自分の魂を生かすことができたかどうか、分かりません。あの出会いによって、金栗さんやトクヨさんとも出会うことができ、皆さんが一つ一つ扉を開いて、「外に飛び出していきなさい」と背中を押してくれた。あの銀メダルは、そういういろいろな出会いがあって、仲間がいたからこそ手にすることができたものなんだ…と。そんなことを改めて感じました。

-菅原さんが感じたこの作品の魅力は?

 人見さんは、自分の体と魂を張って、日本を背負って海外に出ていきました。私も、そういう人見さんのような思いを次の世代の子どもたちに伝えるため、魂を燃やしてやっていきたいと思っています。この作品を見ていたら、私と同じことを皆さんが考え、一生懸命やり遂げようとしていたことに気付き、とてもシンパシーを感じました。

-ところで、今回がお芝居初挑戦だそうですが、今後の女優業に対する意欲は?

 今回は、とてもいい経験をさせていただきました。ただ、世の中には素晴らしいお芝居をされるプロフェッショナルな女優さんがたくさんいらっしゃいます。だから私は、自分が共鳴でき、私の魂を燃やす意味があり、自分の体と心を通して何かを伝えられると感じる役と出会えたとき、また挑戦してみたいです。今回の人見絹枝さんは、まさにそういう役でした。

(取材・文/井上健一)

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

川口春奈、高杉真宙「自分や家族、周りの人たちを大事にしようと思うきっかけになったらうれしいです」『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』【インタビュー】

映画2026年10月1日

-実在の人物を演じる難しさは感じましたか。 川口 彼女が残した日記や言葉、映像も少なからずありましたが、自分なりの解釈はせず、監督を信じて飛び込んでみるという感じでした。本当に一つずつ模索しながら作っていったという感覚でした。 高杉 こうい … 続きを読む

木戸大聖「悲しいと思っていてもそれを表情に出せないのが難しかったです」『沖晴くんの涙を殺して』【インタビュー】

映画2026年10月1日

-今回は広瀬アリスさんとの共演でしたが、『ゆきてかへらぬ』では、妹のすずさんとも共演しましたね。  シンプルに、男と女として対峙(たいじ)する役ができたことはすごくうれしかったですし、すずちゃんもアリスさんも、自分の実年齢とは関係なく、僕が … 続きを読む

小瀧望「ファンの皆さまの声に応え続けたい」 舞台「ロックンロール」では「僕たちの芝居とともに、当時のロックミュージックも楽しんで」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年9月30日

-そうした難しい役どころゆえ、共感はなかなか難しいのでは?  それはあまり心配していないです。先日、トム・ストッパードの「ハード・プロブレム」という作品を観劇したんですよ。その作品も、日本人とは違う感情の変化が描かれた作品でした。楽しく会話 … 続きを読む

佐津川愛美「酒井監督に惚れました(笑)」念願だった酒井麻衣監督との初タッグ『時給三〇〇円の死神』【インタビュー】

映画2026年9月30日

 10月2日から全国公開となる『時給三〇〇円の死神』は、累計発行部数36万部を突破した藤まるの同名小説を原作にしたファンタジーだ。生きる希望を失った大学生・佐倉真司(西畑大吾)が、謎めいた同級生・花森雪希(福本莉子)に誘われ、この世に未練を … 続きを読む

【K-POPもKドラマも深読みしたら韓国が見えた】#受験競争だけではない韓国の教育問題、「鉄槌教師」が問う教師の役割

2026年9月29日

 K-POPや韓国ドラマは、エンターテインメントであると同時に、韓国社会を映す鏡でもある。何気ない言葉やしぐさ、習慣の背景をたどると、その国ならではの価値観や歴史、人との関わり方が見えてくる。この連載では、韓国カルチャーを入り口に、知ってい … 続きを読む

page top