【インタビュー】「連続ドラマW 絶叫」尾野真千子「台本を読んで『私もこうなっていたかも…』と思い、ゾクッとしました」

2019年3月22日 / 15:48

-そういう部分でのお芝居の違いも見どころですね。ところで、陽子と関わる悪徳NPO法人の代表・神代武を演じる安田顕さんとは一緒にお芝居をするのは初めてだったそうですが、印象は?

 本物の悪徳業者にしか見えません(笑)。何を考えているか分からない目の奥を見ていると、引き込まれそうになります。陽子が神代から優しい言葉を掛けられる場面を撮影したときも、「この人に引き込まれたい」と、思わず心が動いてしまって…。そういう「ずるさ」を感じて、みんなが悪徳業者にだまされるのも分かるな…と。それぐらいリアルな役作りをされています。

-現在、撮影の真っ最中だと思いますが、現場の雰囲気はいかがですか。

 とてもいいチームで、毎日楽しく過ごしています。きちんと芝居を中心に撮ってくれるのもありがたいなと。おかげで、迷いなく演じることができますし。芝居に専念できる上に、スタッフも大好きな人たちが集まっています。こんなにストレスのない幸せな現場は、滅多にありません。これに慣れてしまうと、他の現場に行けなくなるのではないかと心配なぐらいです(笑)。

-この作品は社会派サスペンスであると同時に、陽子の壮絶な生きざまを描いた人間ドラマでもあります。劇中にも「生きるって、あがくことじゃないかな」という印象的なせりふがありますが、尾野さんにとって「生きる」とは?

 「生きる」は「生きる」です。命をもらったんだから、諦めちゃ駄目。生きなきゃいけない。その点は、陽子にも通じるものがあります。彼女も結局、生きるためにもがいているわけですから。ただ、選択を間違えただけ。だからこそ、私たちはそうならないようにしなければいけない。簡単に答えの見つかる問題ではありませんし、生きていればいろいろなことがありますけど、それは誰にとっても当たり前のこと。「生きる」って大変だけど、その当たり前のことのために頑張らなきゃいけないなと思っています。

(取材・写真・文/井上健一)

「連続ドラマW 絶叫」(C)WOWOW

  • 1
  • 2
 

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【Kカルチャーの視点】「ユミの細胞たち」の原作者、ウェブトゥーン作家イ・ドンゴン

インタビュー2025年11月17日

▽キム・ゴウンはユミ役にぴったり  –ドラマ化にはどのくらい関わっていますか。   事前にクリエーターと何回かミーティングをしました。物語の順序を入れ替えてみようとか、どこまで表現していいかなどを事前に話し合いました。ウェブトゥ … 続きを読む

尾上眞秀「お母さんやおばあちゃんが喜んでくれました」寺島しのぶの長男が舘ひろしとの共演で映画初出演『港のひかり』【インタビュー】

映画2025年11月14日

-撮影で特に印象に残った場面を教えて下さい。  近所の少年たちにいじめられた幸太が大雨の中、おじさんの家の前で黙って座り込んでいるシーンが、すごく印象に残っています。カメラに綺麗に映るように、大量の雨を降らせていたので、その水圧がものすごく … 続きを読む

『物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家の物語』(7)神々がすむ土地を語る

2025年11月14日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼玉田永教と神道講釈  銭湯の湯け … 続きを読む

ハリウッド・リメイク決定!インド発ノンストップ・アクション!「日本の皆さんにも楽しんでいただけるはず」ニキル・ナゲシュ・バート監督『KILL 超覚醒』【インタビュー】

映画2025年11月13日

-その結果、完成したこの映画では、強盗団が使う刀やナイフのほか、列車備え付けのシャッターや消火器、乗客の荷物など、一見武器になりそうにない身近なものを使った多彩なアクションが見所です。そういうアイデアはどこから生まれたのでしょうか。  私は … 続きを読む

上白石萌歌「小さなお子さまから大人の方まで幅広く届いてほしいと思います」『トリツカレ男』【インタビュー】

映画2025年11月11日

-ジュゼッペ役の佐野晶哉さんの印象はいかがでしたか。  ご一緒するのは今回が初めてでした。先に佐野さんの声が吹き込まれている状態でアフレコをさせていただきましたが、1日だけ一緒にお芝居ができた日がありました。その時に、第一声から本当に迷いな … 続きを読む

Willfriends

page top