【インタビュー】『笑顔の向こうに』高杉真宙、初の医療作品で体験した「濃厚な時間」 新しい自分も発見

2019年2月14日 / 12:52

 日本歯科医師会の全面協力のもと、歯科医療の現場を舞台に、歯科技工士・大地ら若者たちの成長を描いた青春映画『笑顔の向こうに』(15日公開)。主演として初の医療作品に携わった高杉真宙が、作品に込めた思いや撮影時の様子、同作を通して見つけた新しい自分を語ってくれた。

歯科技工士を演じた高杉真宙

 

-医療関係の作品は初めてで、しかも、あまりなじみのない歯科技工士の役でしたが、どのような役作りをされましたか。

 「歯科技工士」というものを初めて知ったので、まずはどういう職業なのか調べるところから始まりました。

-歯科技工士は、入れ歯や差し歯などの製作を行う技術者ですが、作業中のシーンは手元がアップになることも多いので練習は大変だったのではないですか。

 動画を見たり、ネットで調べたり、現場では歯科技工士の方に指導していただいたり、かなり濃厚な時間を過ごさせてもらいました。“慣れ”は絶対にスクリーンに映るので、時間があれば器具に触れていました。でも、黙々とする作業は嫌いではないので楽しかったです。

-漫画を基にしたアウトローな役から、ヒロインが憧れる王道のイケメン役など、さまざまな役を演じていますが、リアルな世界での、いわゆる“普通”の青年を演じることは難しいのでしょうか。

 普通の役はすごく好きなので、難しいというより楽しいです。もちろん、特殊な役も面白いですけど、最初から変わっている人よりも、周りの影響を受けて徐々に変わっていく過程を演じるところにやりがいを感じます。今回は、若さゆえの独りよがりなところが目立つ大地が、幼なじみで歯科衛生士の真夏(安田聖愛)をはじめとした仕事関係の人や、おばあちゃん(松原智恵子)たち家族と接する中で変わっていくので、その心の機微を意識して演じました。

-前回のインタビューでは「どの役も悩んで作るもの」とおっしゃっていましたが、今回は何に悩まれましたか。

 大地に共感する部分があまりなく、彼自身を理解できないところがあったので、お互いの気持ちを繋ぐことが大変でした。だから、「大地はこういう子だからこういうことをする」と台本にはない部分も想像して、納得して、大地に寄り添っていきました。

-劇中、大地は「自分に足りないもの」に気付きますが、高杉さんは同作を通して、自身に対する新しい発見はありましたか。

 安田さんとは高校の同級生ですが、同級生と共演するとこんなに気恥ずかしいんだ…と思い知らされました(笑)。真夏と大地の間には恋愛の要素も入ってくるので余計に恥ずかしかったです。

-松原さんをはじめ、藤田朋子さん、秋吉久美子さん、池田鉄洋さんなど、ベテラン役者勢とご一緒の撮影はいかがでしたか。

 初めてご一緒する方々ばかりでずっと緊張していましたが、先輩方の存在だけでも心強く、寄りかかってもいいんだ…という安心感もありました。特に共演シーンが多かった松原さんは温和ですてきな方で、そんな松原さん演じるおばあちゃんの孫だから、大地はあんな風に変われたんだな…と思えました。松原さんとおばあちゃんがリンクして、僕も大地もそれに導かれたような気がしました。

-同作は、第16回モナコ国際映画祭で最優秀作品賞(エンジェルピースアワード)を受賞したほか、大地が義歯を提供する患者役の丹古母鬼馬二さんも助演男優賞を受賞されましたが、報告を受けた時の感想は?

 映画祭には出席できなかったので、日本でマネジャーさんから電話連絡を受けましたが、その時は舞台の公演終わりで燃え尽きていたので、「あ、そうですか」とあっさり返してしまいました(笑)。でも後日、トロフィーを持たせてもらうと、重さと共に喜びを実感しました。公開前にいいスタートを切れてよかったです。

-高杉さん自身は海外進出の夢を持たれていますか。

 英語が話せるようになればな…というくらいの夢なら持っています(笑)。以前、関西弁を話す役を演じた時に、方言というだけで感情移入することが難しくて、とても不自由だったので、外国語になるとより厳しいと思います。なので、まずは日本でちゃんと役者としてのスキルを身に付けたいです。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

舞台「キングダムII ―継承―」三浦宏規・高野洸・山本千尋・山口祐一郎、「死力を尽くさなければいけない」作品に再び挑む【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年6月12日

 累計発行部数1億2000万部を突破した、原泰久による大ヒット漫画を原作とした舞台の第2弾となる「キングダムII ―継承―」が、8月9日から上演される。本作は、苛烈な戦乱の中にある中国・春秋戦国時代を舞台に、戦災孤児の少年・信と、のちの始皇 … 続きを読む

「豊臣兄弟!」第22回「播磨大誤算」戦国の世の難しさを印象付けた播磨攻略戦【大河ドラマコラム】

ドラマ2026年6月11日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。小一郎と秀吉が播磨攻略に難渋する様子を描いた6月7 … 続きを読む

山本耕史、「RENT」に続き全編英語上演に挑む「ゼロからのスタートだけどやるしかない」 日米合作ブロードウェイミュージカル「フル・モンティ」【インタビュー】

舞台・ミュージカル2026年6月11日

 山本耕史が、ゆりやんレトリィバァとブロードウェイで活躍するキャストとともに挑む、日米合作ブロードウェイミュージカル「フル・モンティ」が、8月19日から上演される。本作は、1997年に映画をもとに誕生し、トニー賞作品賞を含む9部門にノミネー … 続きを読む

吹越満 俳優になった理由は「映画に出たかったから」昭和の文豪・谷崎潤一郎原作の『鍵』で主演【インタビュー】

映画2026年6月10日

 数々の映画やテレビドラマ、舞台まで幅広く活躍し、その顔を見ない日はないと言っても過言ではない名優・吹越満。その主演作『鍵』が、6月12日から公開となる。  吹越演じる主人公・剣持耕三は、医師から余命半年の宣告を受け、その恐怖を忘れるため、 … 続きを読む

【映画コラム】5月の公開映画から

映画2026年6月5日

『サンキュー、チャック』 (5月1日公開)★★★ チャックとは一体何者なのか  大規模な自然災害と人災が次々と地球を襲い、世界は終わりを迎えつつあった。すると、街頭やテレビ、ラジオに突如として、「チャールズ・クランツに感謝します。素晴らしい … 続きを読む

page top