【インタビュー】「ひよっこ2」有村架純「みね子たちと一緒に小さい幸せを感じてください」

2019年3月18日 / 12:00

 高度成長期の中、集団就職で茨城から上京したヒロイン谷田部みね子の波瀾(はらん)万丈の青春を描いて大好評を博した連続テレビ小説「ひよっこ」。その続編となる「ひよっこ2」は、最終話から2年後、1970年の東京・赤坂と奥茨城村を舞台に、おなじみの面々が心温まる物語を繰り広げる。1年以上ぶりにみね子役を演じた有村架純が、素直な心境を語ってくれた。

1年以上ぶりにみね子役を演じた有村架純

-大反響を呼んだドラマで、終了時には“ひよっこロス”に陥る視聴者が続出しましたが、有村さんはいかがでしたか。

 「終わった」と実感するのが遅くて、ロスというか、体がついていかないというか…。映画の撮影があったので、早く気持ちを切り替えなければいけなかったのですが、1年という撮影期間は本当に長くて、すぐには忘れられなかったです。茨城弁も抜けないし、次の作品に切り替えることが難しかったです。

-久しぶりに岡田惠和さんの脚本を読まれたときの印象を教えてください。

 「ひよっこ」が終わってから1年以上たちましたが、「あぁ、これこれ!」という世界のままだったので、あまり時間がたっていないような感覚になりました。

-撮影では、すぐにみね子に戻れましたか。

 昨年の9月末に茨城ロケに行ったときは、ドラマ「中学聖日記」の撮影もしていたので、自分の中で完全にみね子になっちゃいけないという考えがありました。だから、みね子だけどなんだか違う人かもしれない…という感じでした。12月にスタジオでの撮影が始まったときには、「中学聖日記」の撮影は終わっていましたが、黒崎(博)監督から「声が違う。早く戻ってきて」って怒られました(笑)。みね子とは全然違う役柄(教え子と恋に落ちる中学校教師)を4カ月間もやっていたので、「すぐには戻れないものだなぁ」と思いました。

-共演者の様子はどうでしたか。

 撮影前のリハーサルでは、みんなちょっと何かが違うんですよ。「誰ですか?」みたいな(笑)。時の流れや、それぞれがいろんな現場を経験されてきたんだなぁと感じられて面白かったです。

-成長したみね子を演じる上で意識したところはどこでしょうか。

 年齢を重ねて、結婚もしているけど、変に大人になり過ぎなくていいのかな…と思って、ありのままのみね子として落ち着き過ぎないようにしていました。

-前作の最終話で結婚した前田秀俊(磯村勇斗)との夫婦生活が見どころの一つですね。

 クランクインのときに、「前田みね子役」と紹介されて、「そっか、谷田部じゃないんだ」とハッとしました。結婚指輪もしているし、ヒデさんと一緒に住んでいるので、夫婦の時間もあります。ヒデとみね子は恋人としての時間がほとんどなかったので、結婚してからがすごく楽しくて、みね子のワクワク度は上がっているし、ヒデさんもデートに誘ってくれたりしているので、それなりに楽しんでいるんじゃないかな。そんな2人が初々しくてかわいいなぁと思いながら演じました。

-改めて「ひよっこ」の魅力とは?

 「その会話はせりふにしなくてもいいんじゃない?」というような日常が描かれていて、山もないし、谷もないのが「ひよっこ」の世界の魅力だと思います。でも、そんなただの日々を面白い物語にすることは難しいですから、やっぱり岡田さんはすごいですね。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

【映画コラム】映画は原作を超えたか 沖縄の現代史を背景に描いた力作『宝島』/純文学風ミステリーの趣『遠い山なみの光』

映画2025年9月18日

『宝島』(9月19日公開)  1952年、米軍統治下の沖縄。米軍基地を襲撃して物資を奪い、困窮する住民たちに分け与える「戦果アギヤー」と呼ばれる若者たちがいた。  村の英雄でリーダー格のオン(永山瑛太)と弟のレイ(窪田正孝)、彼らの幼なじみ … 続きを読む

【Kカルチャーの視点】レジェンドたちの「朝鮮の旅」たどった写真家の藤本巧さん

2025年9月18日

 朝鮮の文化を近代日本に紹介した民藝運動家の柳宗悦や陶芸家の河井寛次郎。彼らが1930年代に見た朝鮮の風景に憧れ、1970年に韓国の農村を訪れたのが写真家の藤本巧さんだ。以来50年以上にわたり、韓国の人々と文化をフィルムに刻み続けてきた。 … 続きを読む

エマニュエル・クールコル監督「社会的な環境や文化的な背景が違っても、音楽を通して通じ合える領域があるのです」『ファンファーレ!ふたつの音』【インタビュー】

映画2025年9月18日

 世界的なスター指揮者のティボ(バンジャマン・ラべルネ)は、突然白血病を宣告され、ドナーを探す中で、生き別れた弟のジミー(ピエール・ロタン)の存在を知り、彼の隠れた音楽的な才能にも気付く。兄弟でありながらも異なる運命を歩んできた2人。ティボ … 続きを読む

前田旺志郎「世の中に関心を持つ大切さに気付いた」窪塚愛流「止まっていた時間が動き出した」初共演の2人が福島原発事故を題材にした映画で感じたこと『こんな事があった』【インタビュー】

映画2025年9月16日

 東日本大震災から10年後の福島を舞台に、原発事故で引き裂かれた家族と青春を奪われた若者たちの姿を描いた『こんな事があった』が9月13日から全国順次公開中だ。監督・脚本は、『追悼のざわめき』(88)などで日本のみならず世界の映画ファンから支 … 続きを読む

グイ・ルンメイ、真利子哲也監督「お互いが思い合うからこそすれ違う。でもそこには愛があるという家族の形を描きたかった」『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』【インタビュー】

映画2025年9月12日

 ニューヨーク・ブルックリンで暮らすアジア人夫婦を主人公に、息子の誘拐事件をきっかけに夫婦の秘密が浮き彫りとなり家族が崩壊していく姿を、全編NYロケで描いた『Dear Stranger/ディア・ストレンジャー』が、9月12日から全国公開され … 続きを読む

Willfriends

page top