【インタビュー】『翔んで埼玉』益若つばさ、女優業に前向き!コメディーでも戦争映画を参考に真剣役作り

2019年2月20日 / 12:00

 東京から虐げられ、不法入都した者は処罰される過酷な運命にある埼玉県民が、自由と解放を求めて革命を起こす姿を、超豪華キャストで描いたコメディー映画『翔んで埼玉』。劇中、埼玉解放戦線のメンバー・麻実麗(GACKT)のお手伝いさん・おかよ役を演じた益若つばさ。現在は商品プロデュース業を中心に活動している中で、本作のオファーを受けた理由とは…? 女優業に対する思いや撮影時のエピソード、意外な役へのアプローチ法などを語ってくれた。

益若つばさ

-出演依頼があったのは、益若さんが埼玉出身だからだそうですが、演技経験があまりない中、このような大作のオファーを受けて率直にどう思われましたか。

 演技の仕事はドラマ「最後から二番目の恋」(12)だけです。その後、オファーはいろいろ頂きましたが、緊張するし、自信もないし、自分が女優なんておこがましいという気持ちもあり、全て断っていました。だから今回も「演技かぁ…」とちょっと困りました。

-それでも引き受けた理由とは?

 初めてのドラマも最初は断ろうとしましたが、周りの人から「やってもいないことを否定するのではなくて、やってから判断したら?」と言われて、そうだな…と納得してチャレンジしました。そうしたらすごく楽しかったんです。だから、また経験してみようと思いました。でも、一番の理由は埼玉の映画だからです。埼玉県民の私だからできる手助けがあると思いました。

-原作は『パタリロ』で一世を風靡(ふうび)した魔夜峰央さんの漫画ですが、読んだことはありましたか。

 埼玉をすごくディスっている漫画があるとうわさで聞いていて、実際に読んだらとんでもなくディスっていて、ひどい漫画だね、と笑いながら読んでいました。そうしたらオファーが来たのでびっくりしました。

-原作と映画とでは、おかよのイメージが違いますね。

 原作では、お団子ヘアで三角眼鏡を掛けていて、“ざます”っぽいイメージですが、今回は映画版おかよとして、ビジュアルはスタッフさんと一緒に考え、メークは自分でしました。ほかのキャラクターが派手なので、おかよはやり過ぎず、見た方もまねできるトレンド感を意識しました。

-演じる上で心掛けたことはなんでしょうか。

 (武内英樹)監督からは「隠れ埼玉県人は捕まった後にどうなるか分からないから、生きるか死ぬかの気持ちで逃げて。緊張感を持ってやってほしい」と言われ、どうしたらそうなるかを相談したところ、「戦争映画を見て」とアドバイスを頂きました。最初はコメディー映画だから撮影もバラエティーのノリを想像して、ただ逃げればいいと思っていたけど、死ぬかもしれないとなると気持ちの入り方が変わりましたし、息子役の子にも「死ぬかもしれないからね」と言い聞かせて、緊迫感のある中で挑みました。そのシーンでは、真面目にやったからこその大きな笑いが生まれたと思います。

-ちなみに、どの戦争映画を参考にされましたか。

 『火垂るの墓』の実写版です。生きるか死ぬかの恐怖心を勉強しました。

-GACKTさんとの初共演はいかがでしたか。

 架空の人物だと思っていました(笑)。雨が降って寒い中での撮影のときに、息子役の子がボロボロのタンクトップ姿で震えていると、GACKTさんが身に着けていたマントで私たちをくるんで温めてくれました。すごく優しくて、みんなが想像するまんまのGACKTさんっぽい香りがしました。

-撮影現場で特に印象的だったことを教えてください。

 二階堂ふみさん(都知事の息子・壇ノ浦百美役)にも初めてお会いしましたが、この映画でもそうだし、他の作品でも個性的な役が多いので、メチャメチャとがった方なのかなと思っていたら、とてもフランクでびっくりしました。「ギャルになりたかったんです」って私が出ていたギャル雑誌も見てくれていたみたいで、うれしかったし、イメージが違って不思議でした。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

尾上眞秀「お母さんやおばあちゃんが喜んでくれました」寺島しのぶの長男が舘ひろしとの共演で映画初出演『港のひかり』【インタビュー】

映画2025年11月14日

 日本海沿岸の小さな漁師町を舞台に、元ヤクザの漁師・三浦と目の見えない少年・幸太という、年の離れた孤独な2人の絆を描くヒューマンドラマ『港のひかり』が、11月14日から全国公開中だ。  主演に舘ひろしを迎え、『正体』(24)の俊英・藤井道人 … 続きを読む

『物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家の物語』(7)神々がすむ土地を語る

2025年11月14日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。 ▼玉田永教と神道講釈  銭湯の湯け … 続きを読む

ハリウッド・リメイク決定!インド発ノンストップ・アクション!「日本の皆さんにも楽しんでいただけるはず」ニキル・ナゲシュ・バート監督『KILL 超覚醒』【インタビュー】

映画2025年11月13日

 40人の武装強盗団が、ニューデリー行きの特急寝台列車を襲撃! 刀を手に乗客から金品を奪う強盗団のリーダー、ファニ(ラガヴ・ジュヤル)は、大富豪タークルとその娘トゥリカ(ターニャ・マニクタラ)を人質に取り、身代金奪取をもくろむ。だがその列車 … 続きを読む

上白石萌歌「小さなお子さまから大人の方まで幅広く届いてほしいと思います」『トリツカレ男』【インタビュー】

映画2025年11月11日

 何かに夢中になると他のことが目に入らなくなってしまうジュゼッペ(声:佐野晶哉)は、街の人々から「トリツカレ男」と呼ばれている。ある日、ジュゼッペは、公園で風船売りをしているペチカに一目ぼれし、夢中になるが…。作家・いしいしんじの同名小説を … 続きを読む

八木莉可子「相反する二面性をどちらも大切にしたい」「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」【インタビュー】

ドラマ2025年11月10日

 草なぎ剛主演の月10ドラマ「終幕のロンド -もう二度と、会えないあなたに-」(カンテレ・フジテレビ系/毎週月曜午後10時)。第3話で強烈なインパクトを残したゆずは(八木莉可子)の母(雛形あきこ)が、再びHeaven’s messenger … 続きを読む

Willfriends

page top