エンターテインメント・ウェブマガジン
昭和から平成に至る日本社会の変遷を背景に、天才的講師・大島吾郎とカリスマ的経営者・赤坂千明の出会いが生んだ、ある塾と家族の半生を描いたドラマ「みかづき」。大島吾郎役を演じる高橋一生が、本作について、また、家族に対する思いなどを語ってくれた。
孤独な生い立ちがあり、そういう幼少時代の寂しさや、影の部分を引きずっていて、愛を欲している人間ではないでしょうか。千明(永作博美)に才能を見いだされて、周りからは「塾講師として素晴らしい」と言われますが、それよりも彼自身の中にある寂しさを共有できるという意味で家族を求めていたと思います。
はい。特殊メークはしていませんが、白髪にするとか大まかなことはやりました。役者はそういう外的エフェクトに影響されるんです。例えば、時代劇だと、着物を着ると背筋が伸びたり、老齢の役をやるときに膝を曲げなければいけないのであれば、膝の裏にばんそうこうを貼ったりすることで意識が入るんです。
僕は、お芝居をする上で、ポーズがとても大事になってくると考えています。生きる上でも、内面よりも外面が先に情報として相手に伝わる以上、人は外からの視線に多分に作用されていることになるので、内側にある心構え、いわゆる役作りはやらないようにしています。「僕、こんなにすごいことやっています」とアピールするのもどうなのかな…とも思うので(笑)。そういう意味で、外側を大切に演じました。あとは、脚本にせりふや動き、登場人物の関係性がきちんと描かれているので、脚本を信じていました。
脚本の水橋(文美江)さんが、まるで当て書きをしてくださったようでした。水橋さんが抱く僕のイメージと原作が相まって、うまくミックスされたものが脚本に表れていたかもしれないです。他の作品でも脚本家の方それぞれの僕に対するイメージが投影されていますが、ここ最近やらせていただいている役は、自分に合っている感じがします。僕の素体のイメージが台本から透けて見えたり、こうしてほしいという期待が見えたりするのは面白いし、ありがたいです。
とても楽しかったです。リハーサルから僕がどんな動きをしても受け止めてくださいましたし、お芝居が繊細で、エモーショナルな部分ではすごく集中されている中、僕も役としていろいろ試させてもらえて、懐の深さを感じました。言葉と内側にあるものをちゃんと交わして、毎シーンを演じられました。
今は僕が家族の中で一番年上ですけれど、今は保護者的な役割が減って、少し寂しいです。人は孤独であればあるほど間違った方に行きやすいけれど、共有する人がいればいるほど、このままでいいと安心できるエネルギーが強くなるので、そういう、分かち合えたり、話し合えたりできる家族はとても大事だと思います。
舞台・ミュージカル2025年12月29日
映画『うちの弟どもがすみません』やドラマ『リベンジ・スパイ』など、数々の映画やドラマ、舞台で活躍する織山尚大の3年ぶりの主演舞台となる「エクウス」が1月29日から上演される。本作は、実際に起きた事件を基に描かれた、ピーター・シェーファーに … 続きを読む
映画2025年12月28日
今回は、筆者の独断と偏見による「2025年公開映画ベストテン」を発表し、今年を締めくくりたいと思う。 【外国映画】 2025年公開の外国映画を振り返った時に、今年の米アカデミー賞での受賞作は最近の映画界の傾向を象徴するようで興味深いもの … 続きを読む
ドラマ2025年12月26日
今年のヒットドラマ、Netflixシリーズ「おつかれさま」。子どもから親へと成長していく女性の人生とその家族を描き、幅広い世代から支持され大きな話題を呼んだ。IU(アイユー)との二人一役で主人公エスンを演じたムン・ソリに、ドラマの振り返り … 続きを読む
映画2025年12月24日
脚本家としても著名な荒井晴彦監督が、『花腐し』(23)に続いて綾野剛を主演に迎え、作家・吉行淳之介の同名小説を映画化した『星と月は天の穴』が12月19日から全国公開された。過去の恋愛経験から女性を愛することを恐れながらも愛されたい願望をこ … 続きを読む
映画2025年12月23日
2014年1月にスタートしたテレビ朝日系列の大ヒットドラマ「緊急取調室」。たたき上げの取調官・真壁有希子が、可視化設備の整った特別取調室で取り調べを行う専門チーム「緊急事案対応取調班(通称:キントリ)」のメンバーとともに、数々の凶悪犯と一 … 続きを読む