【インタビュー】『デイアンドナイト』清原果耶「プロデューサーの山田孝之さんから『清原さん自身が奈々に見える』という言葉を頂き、とても励まされました」

2019年1月26日 / 12:00

 人気・実力を兼ね備えた俳優の山田孝之がプロデューサーに徹し、「人間の善と悪」という骨太なテーマに迫った野心作『デイアンドナイト』が1月26日から全国公開される。阿部進之介、安藤政信、小西真奈美ら実力派俳優が顔をそろえた本作で、過酷な運命を背負いながら、児童養護施設で暮らす少女・大野奈々を演じたのが清原果耶。NHK連続テレビ小説「あさが来た」(15~16)での鮮烈なデビュー以来、映画『3月のライオン 前編/後編』2部作(17)など、数々の作品で活躍する期待の若手女優だ。難役に挑んだ本作の舞台裏や作品を通して感じたことを聞いた。

児童養護施設で暮らす少女・大野奈々を演じた清原果耶 (C)2019「デイアンドナイト」製作委員会

-オーディションで出演が決まったそうですが、オーディションに臨んだときのお気持ちは?

 実は、奈々という役があまりつかめていなかったんです。事前に台本を頂いたので、迷いながらも、私なりにお芝居のプランを考えて臨みましたが、「どうでしたか?」と聞かれても、「読んではみましたが…」という感想しか出てこないぐらいで…。ただ、「絶対にこの役を演じたい!」という強い思いだけは、はっきりしていました。

-役がつかめていないのに、「この役を演じたい!」と思った理由は?

 何となくですが、奈々にシンパシーを感じたんです。今回改めて、オーディションのときに頂いた台本を見てみたら、「大野奈々」という役名の隣に「私が演じる!」と、ものすごい勢いで書いてありました(笑)。それほど私は、この役に何か感じるものがあったんだなと。

-役がつかめない感覚は、撮影に入ってからも変わらずにありましたか。

 何が正解なのか分からないまま演じていました。でも、撮影の後半で山田さんと対談させていただく機会があったんですが、そのときに「清原さん自身が奈々に見える」という言葉を頂き、とても励まされました。恐らく、撮影当時に私が抱えていた思春期ならではの感情と、奈々の不安定な気持ちが重なったからだと思います。それをきっかけに、考え過ぎず、私の思うままにお芝居をさせてもらおうという気持ちになることができました。

-撮影中、山田さんや藤井道人監督、主演の阿部進之介さんからアドバイスはありましたか。

 アドバイスを頂くというより、私が思い切り演じて、それを皆さんが受け止めてくださったという印象です。例えば、お芝居をしてみて、私がハマらなかったなと感じたときに、その雰囲気をくみ取った監督や山田さんが「こうやってみるのもいいんじゃない?」と言葉を掛けてくださって、そこから私も考え直してお芝居をする…といった感じで。阿部さんも、とても優しく、私のお芝居を受け止めてくださいました。

-奈々は、過酷な運命を背負いながらも、物語の中では希望になる存在でもあり、とても難しい役です。演じる上で心掛けたことは?

 とにかく台本を読み込んで、自分が持っている最大の力で役を理解するように心掛けました。その上で、撮影現場の雰囲気を感じ取るにつれて、お芝居がしやすくなっていった印象です。ただ、現場ではとにかく必死で、自分のことでいっぱいいっぱいでした。いろいろとご迷惑もお掛けしましたが、無事に演じ切ることができたのは、スタッフやキャストの皆さんのおかげです。

-主題歌「気まぐれ雲」も歌っていますね。

 私は音楽も大好きなので、「主題歌を担当する」と聞いたときは、とてもうれしかったです。レコーディングまでの期間、ボイストレーニングに通ったり、歌詞を書き出したり、自分なりに準備をして臨みました。歌を作ってくださったRADWIMPSの野田洋次郎さんから、「『奈々の未来がこうであってほしい』という願いを込めた」というお話も伺ったので、そういう心構えで準備をしました。ただ、いざレコーディングをしてみたら、思っていた以上に難しくて…(苦笑)。当日は山田さんはじめスタッフの皆さんが温かく見守ってくださったおかげで、なんとか無事に終えることができました。こういう機会を与えてくださった皆さんに、心から感謝しています。

 
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