【インタビュー】『シュガー・ラッシュ:オンライン』菜々緒 「この映画には宝探しのような面白さがあります」

2018年12月13日 / 12:00

 人気レースゲーム“シュガー・ラッシュ”の天才レーサーでプリンセスのヴァネロペと親友で悪役キャラクターのラルフが、インターネットの世界で大冒険を繰り広げるディズニー・アニメーション最新作『シュガー・ラッシュ:オンライン』が12月21日から公開される。本作で、ヴァネロペがインターネットの世界で出会う女性レーサーのシャンク役の日本版声優を務めた菜々緒に、役柄や声優という仕事、映画の見どころなどを聞いた。

女性レーサーのシャンク役の日本版声優を務めた菜々緒

-ディズニー作品での声優は初挑戦とのことですが。

 子どもの頃からディズニーの映像作品を見て育ったので、お話を頂いたときはとてもうれしかったです。自分が悪役を演じるときに、「ディズニー・ヴィランズ」を参考にしたこともあるので、ディズニーには本当にお世話になりっ放しです。ですから、こうしてディズニーの作品に携わることができて光栄に思っています。

-演じたシャンクという役についてはどう思いますか。

 シャンクはゲームの中では悪役だけど、普通のときはみんなから慕われる姉御肌の女性なので、そういう意味では、自分とも通じるところがあるのかなあと思いました。そうした女性同士の共通点があったので、とてもやりがいがありました。私は悪役を演じることが多いのですが、まさかディズニーでも悪役をやることになるとは(笑)…と驚きました。悪役については、この映画のラルフと同じように、私も最初の頃は「ちょっと嫌だなあ」とか、「ヒーローになりたいなあ」と思ったこともあったし、「本当にこのままでいいのかなあ」と迷ったこともありました。でも、演じ続けることによって、ラルフと同じように「ここが自分の居場所なんだ」「悪役は自分にとってはいい存在なんだ」と思えるようになりました。

-では、声優という仕事についてはどう感じましたか。

 声優のお仕事に関してはすごく難しいなあと思います。私たちは普段、マイクの前に立つ環境がないので、いざ前に立つと「どうしよう」となります。毎回緊張してしまうし、いろいろ失敗もしましたが、私の中ではとても新鮮で、アートなチャレンジだったのでやりがいはありました。悪役を演じるときは、あまり声を張ったりはしないし、低いトーンで淡々と話すことが多いんです。今まではそういう役が多かったので、今回のように声を張ったり、リズムのある話し方をするのはとても勉強になりました。初めてボイストレーニングにも行きました。

-オリジナルのシャンクの声は『ワンダーウーマン』のガル・ガドットでした。その日本版声優を演じたことについてはどう思いましたか。

 すごいプレッシャーがありました。プロの声優さんでも私と同じことを言うと思いますが、私は、まだ数回しか声優を経験していないので、なおさらでした。毎回「私は日本のワンダーウーマンだ」と自分に言い聞かせて(笑)、収録に臨んでいました。 

-ガドットは強い役を演じることが多いですが、ご自身との共通点は?

 強い女性を演じる、という意味では、容姿や声の質が大事になると思います。その点では、私も彼女もアニメ声ではないなど、似ている部分も多少はあると思います。ただ、外国の人は骨格や声帯が日本人とは全く違うし、年齢も私の方が若いのでちょっと未熟な感じがします。それに外国の人の声は厚みがあって、特に英語は抑揚が強いので、聞いていると体とマッチしているように感じます。それに比べて、吹き替えは、英語を話しているリップに日本語を合わせる難しさがあります。それをマッチさせるのが大変でした。

 
  • 1
  • 2

特集・インタビューFEATURE & INTERVIEW

北香那「ラーメンを7杯くらい食べたことも」天野はな「香那ちゃんのバレエシーンは見どころ」 「ラーメン」と「クラシック・バレエ」が題材のコメディーで共演 NHK夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」完成会見

ドラマ2025年12月19日

 12月19日、東京都内のNHKで、1月5日からスタートする夜ドラ「替え玉ブラヴォー!」の完成会見が行われ、主人公・千本佳里奈(ちもと かりな) 役の北香那、佳里奈の親友・二木優美(ふたぎ ゆみ) 役の天野はながドラマの見どころを語ってくれ … 続きを読む

【物語りの遺伝子 “忍者”を広めた講談・玉田家ストーリー】(9)浅間神社で語る「厄よけの桃」

舞台・ミュージカル2025年12月18日

 YouTubeもNetflixもない時代、人々を夢中にさせた“物語り”の芸があった——。“たまたま”講談界に入った四代目・玉田玉秀斎(たまだ・ぎょくしゅうさい)が、知られざる一門の歴史物語をたどります。  前回は、玉田家再興にあたり「三つ … 続きを読む

石井杏奈「人肌恋しい冬の季節にすごく見たくなる映画になっています」『楓』【インタビュー】

映画2025年12月17日

 須永恵(福士蒼汰)と恋人の木下亜子(福原遥)は、共通の趣味である天文の本や望遠鏡に囲まれながら幸せな日々を送っていた。しかし実は本当の恵は1カ月前にニュージーランドで事故死しており、現在、亜子と一緒にいるのは、恵のふりをした双子の兄・涼だ … 続きを読む

染谷将太 天才絵師・歌麿役は「今までにない感情が湧きあがってきた」 1年間を振り返る【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月15日

 NHKで好評放送中の大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語も、残すは12月14日放送の最終回「蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)」の … 続きを読む

「べらぼう」ついに完結! 蔦重、治済の最期はいかに生まれたか?「横浜流星さんは、肉体的にも作り込んで」演出家が明かす最終回の舞台裏【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」インタビュー】

ドラマ2025年12月14日

 NHKの大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」。“江戸のメディア王”と呼ばれた“蔦重”こと蔦屋重三郎(横浜流星)の波乱万丈の生涯を描く物語は、12月14日放送の最終回「蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)」を持ってついに完結し … 続きを読む

Willfriends

page top