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ただ、映画の結末は原作とは少し変えています。そこには「人は一人では生きていけない」という僕のロマンチシズムが出て、ちょっと非現実的でシュールになっています。「甘い」と言われるかもしれないけど、そういうところは昔から変わりません(笑)。本当は、映画の最後に「登場人物たちのその後」も出したかったんです。寛之進がどうなったとか、松重豊さん演じる殿様がどうなったとか…。いろいろな事情があって実現しませんでしたが(笑)。
阿部さんは、とにかく熱心。この作品では、柔軟な芝居を見せてくれました。彼が寛之進を演じてくれて、本当に良かったと。僕の大学の後輩でもあるので、やっぱりかわいいですよね。清兵衛役の豊川悦司さんは、僕にとって今や欠かせない俳優。この2人は、これからの日本映画を引っ張っていく存在であることは間違いありません。僕の中ではそういう未来がはっきりと見わたせる俳優です。この2人がいれば大丈夫。だから、僕の体力と気力が続くうちに、あと2本ぐらいは彼らとやりたいです。
彼は本当に勉強熱心で、本人が監督もやっているせいか、現場では役柄だけでなく、テレビと映画の違いについても質問してくる。阿部さんや豊川さんよりも若いし、たどってきたキャリアも違うけど、居住まいがいいので、野心的な破壊力を身に付けて、2人にぶつけたら面白いことになるんじゃないでしょうか。そういう意味では、斎藤さんも僕の中では未来が見える俳優の1人です。
僕はいつも、出てくれた俳優の皆さんの次の作品のことを考えています。だから、会う人、会う人、みんなが「次はどんな作品?」と聞いてくるんです。今回の阿部さん、豊川さん、斎藤さんともまたぜひ一緒にやりたい。今度は現代劇で切迫した男のドラマなんか面白いんじゃないでしょうか。甚兵衛を演じてくれた風間杜夫さんは、もう40年近い付き合いなので、風間さんにも加わってもらって。やっぱり、人は1人では生きられませんから、役者さんやスタッフに囲まれているのが一番です。これからもずっと、次の作品のことを考えていきたいです。
(取材・文/井上健一)
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