【インタビュー】『殺る女』武田梨奈「闇を抱えた人間不信の雰囲気を出せたらと思って、いろいろ工夫しました」

2018年11月2日 / 13:51

 10月27日からシネ・リーブル池袋ほかで全国公開された『殺る女』。幼い頃に両親の命を奪った男を探し求める殺し屋・愛子(知英)の復讐(ふくしゅう)を描いたバイオレンス・エンターテインメントだ。本作で心に闇を抱えた女性・加賀由乃を演じているのが、アクション映画から独り飲みOLに扮(ふん)した「ワカコ酒」まで、幅広く活躍する武田梨奈。これまでにないダークな役で新境地に挑んだ本作での役作りについて聞いた。

武田梨奈

-由乃は心に闇を抱えた女性ということで、武田さんがこれまで演じてきた役とはかなり異なる印象です。演じる上で心掛けたことは?

 私は普段、「悩みがあるように見えないぐらい、いつも笑っているよね」と言われることが多いんです。だけど今回はこういう役なので、闇を抱えた人間不信の雰囲気を出せたらと思って、いろいろ工夫しました。

-具体的にはどんなことを?

 台本を読んだら「たばこを吸う」と書いてあったのですが、実は私、たばこが大嫌いなんです。もちろん吸ったことなんかありません。でも、その場面は由乃のキャラクターを表現する大事な部分でもあったし、“独りでたばこを吸う女性”という部分に感じるものもあったので、挑戦してみることにしました。

-実際にたばこを吸ったのですか。

 そうなんです。でも、最初はライターのつけ方も分からなくて…(笑)。

-とはいえ、たばこはある程度慣れていないと、吸ってもさまになりませんよね?

 だから、撮影の1カ月ぐらい前から始めて、かなりの本数を吸いました。そういうところから役に入って、さらに韓国映画のハードな“復讐もの”も見たりして…。自分の中でどんどん心を病む方向に持っていきました。その時期は、自分の中にかなり闇を抱えていたと思います。

-その間、他の仕事もしながら、日常生活を送っていたわけですよね。

 そうです。両親が私のことを怖がっていました(笑)。今まで父に「たばこ吸わないで!」と言っていた私が、仕事から帰るとずっとたばこを吸っていたわけですから。「嫌になった」とまで言われました。だから、作品が終わった途端に、父に全部片付けられましたが、そのおかげですっきりしました(笑)。

-宮野ケイジ監督とは役についてどんな話を?

 監督からは「笑うときも心からは笑っていない感じでやってほしい」と繰り返し言われました。ただ、今回はあまり準備期間がなかったので、役については一人で黙々と作っていった部分が多いです。

-一人で慣れないタイプの役作りをするのは大変だったのでは?

 大変でした。ただその分、メークさんとはかなり話し合いました。幸薄そうな雰囲気や、生きがいを感じていない由乃の気持ちをメークで表現したいと思って。由乃は色味のない顔にする一方で、同僚の女の子をイマドキっぽく、ちょっと華やかな感じのメークにして、対比を出したり…。そうやっていろいろ作っていきました。

-由乃はせりふも少ない役でした。その点でも難しかったのでは?

 今までも『祖谷物語 -おくのひと-』(13)など、せりふの少ない静かな雰囲気の中でお芝居をした経験はありました。でも今回は、そういった作品とは全く違う空気感を持つ役だったので、難しかったです。普段はどんな作品でも「みんな一緒にがんばっていきましょう!」という感じでテンションを上げて現場に入るのですが、今回はさすがにそういうわけにはいきませんでした。

-確かに、劇中の武田さんの表情は他の作品とは全く違って見えました。

 本当ですか。今回は出番が要所要所に絞られていることもあったので、そう言っていただけて安心しました。

 
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