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窪田 もう、別世界でした。アニメでなければできない表現が満載で…。例えば今、実写映画を渋谷のど真ん中で撮影しようと思っても、なかなか難しい。まして、無人の渋谷なんて絶対に無理。アクションシーンにしても、例えばユウナ(声:悠木碧)というキャラクターは大きな棺桶型の武器を持って走り回るけど、実写ではあんなことできない。僕もアクションをやりますが、三味線を背負って戦うだけでも、ものすごく大変ですから(笑)。でも、アニメであれば、そういうものを実写以上に迫力ある映像として作ることができる。そういうところがアニメの特権だなと、今回改めて思いました。
広瀬 東京の風景がリアルに描かれているのが楽しかったです。工事中の場所などもそのままなので、よりリアリティーが増したし、そういう見慣れた風景が崩壊していくのも面白くて…。普段は絶対に見られないですからね(笑)。しかも、バトルシーンは迫力があるだけでなく、色彩的にもとても美しいんです。思わず見入ってしまいました。声を録音したときに想像していた以上のものが出来上がっていたので、本当に今のアニメーションはすごいなぁと…。
窪田 若い子向けなのかと思っていたら、実は大人に向けた部分もすごく多い。例えば、「人間は必ずしも正義ではない」という指摘ですが、目の前に害虫がいた場合、駆除するのは人間にとって当たり前のことだけど、害虫の立場に立てば、俺たちだって生きている、ということになる。でもそれができるのは、人間は自分たちが頂点にいると思っているからで、人間にとって都合のいい考え方をしていることも少なくないんだなと。そういうふうに、アニメだからこそできる設定を生かした今までとは違う視点の物語からは、いろいろなことに気付かされました。
広瀬 カッコいいバトルシーンはもちろん大きな見どころですが、「戦って、勝って、めでたしめでたし」というだけではないんです。ソラとカナタの友情やトウヤ(声:細谷佳正)とユウナの兄妹の絆とか、いろいろな人同士の関係が描かれています。とてもシンプルだけど「子ども向け」という枠に収まらない、しっかりとした人間ドラマにも注目してほしいです。
窪田 子どもの頃に見たアニメって、大人になっても心の中に残りますよね。そういう意味で、これが子どもたちの心に残ってくれたらいいなと。何十年かたって大人になったとき、その子たちのルーツになってくれたら、この作品をやった意味がもっと生きてくるのではないでしょうか。
(取材・文・写真/井上健一)
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